何年か前の事。
会社から駅へと向かう途中、近道をしようと空地を横切った。
その時、手にしていた携帯からストラップが落ちたような気がして確認すると、やはりス
トラップは付いていなかった。
空地には低く草が生い茂っていたし、日も暮れかけていた。
携帯のライトで足元を照らしながら探したが、見つかる気配ナシ。
「こりゃ別の場所で落としたんだな」と諦めようとした時だった。
「あ、なんかやってるよwww」
という声がして顔を上げると、
あからさまにDQN風な兄さんが二人。
「ねぇねぇ、何してんの?」
と話し掛けられた。
「ストラップ落としちゃって・・・」
と答えると
「ストラップwストラップ落としたんだってさwww」
と、いかにもバカにした口調で言われた。
ああ、こりゃ2ちゃんでよく見る「DQNに絡まれる」って状態ですか?
ナメられたらいけないと思いながら、私はとっさに
「はい。母の形見のストラップなんです」
とピンピンしている母を瞬殺。
「でも見つからないし、諦めます」
と、足早にその場を立ち去った。
次日、まだ明るいうちにその空地へ行く事ができたので、もう一度探してみた。
見つからない。やっぱりここで落としたわけじゃないんだな、と思っていると
犬の散歩中のおじさんに声をかけられた。
「ねーちゃん、ストラップ落としたんか?」
「え、なんでわかったんですか!?」
前の日の晩、おじさんがこの空地の前を通りかかると車のライトをつけたまま、何やら地
面に這いつくばる男が二人いた。
不審に思い、何をしているのかと尋ねるとここでストラップを落とした女の子がいるんで
探している、と答えたのだという。
「大事なものだからって結構しつこく探しててさ。見つからなかったみたいだけどな」
すみませんでした。
そして有難う、兄さん達。
私はなんてつまらない嘘をついてしまったのだろう。
あなた方はもう忘れてしまったかもしれないが、私はあれ以来、携帯にストラップを付け
ていない。
なんか、兄さん達の優しい気持ちを踏みにじるようで新しいのを付ける気になれないんだ
。
もう一度会って、心から謝りたい。
そして、お礼を言いたい。
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