うちの仏壇には桐の箱に大切に保管された『石』がある
スベスベとした表面に乳白色の色合いを持つ石である
なぜこの石がウチにあるか等の詳しい経緯は知らなかったが
俺は幼い頃から、その石に神秘性を感じ
触ってはイケナイと両親から言われていたが
隙を見てはコッソリ取り出して眺めていた
ある時、我が町に『出張・なんでも鑑定団』が来ることになり
友人の祖父が掛け軸を鑑定してもらうことを知った俺は
「ウチも出ようよ!あの石なら高値が付くかも!!」
と両親に力説した
だがそんな俺の様子に、両親は苦笑いを浮かべながら言い放った
「値なんぞ付くか。ありゃ曾爺ちゃんの『胆石』だぞ。」
ガ━━(゚Д゚|||)━━ン!
10年近く胆石を愛で続けた俺って・・・
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