私が4.5歳の頃だったと思うけど、ある日父が神妙な顔で
「○○に誰にも言ったことがない秘密を教えてあげる」
と言って来た。
「お父さん、本当は宇宙人なんだ。お母さんも知らないからね。
おへそが二つある人なんて見たことないだろ?」
とおへその脇にある傷を指して言った。
だから、あんまりおへそのことを話しちゃだめだからねと念を押された。
子供心に、これは絶対誰にも言ってはいけないことと思いつつも
宇宙人の子なの!?という漠然とした恐怖を感じたが
お父さん子であった私は、二人だけの秘密という事がちょっとうれしかった。
それから十数年経ち、当時を懐かしみながら父に話すと
二つ目のおへそは盲腸の手術の縫合がうまくいかず、失敗した傷跡ということが判明。
一緒にお風呂に入るたびに、私がどうしておへそが二つあるの?と聞くので
黙らせるために嘘を付いたと話してくれた。
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