堀秀政のちょっと良い話(戦場編其ノ一)
人使いが巧く、『名人久太郎』と呼ばれた秀政。
戦場でも彼はその才能を発揮していた。
合戦での陣中の夜間、特に風雨の強い時などは『陣泥棒』と言う、武具や糧秣を盗む盗賊がいて、当時の武将達は常に警戒していた。
だが秀政の陣では『陣泥棒』にやられる事が無かった。
秀政は見張りの兵達に、こう申し付けていた。
「今宵は風雨が強く、泥棒には絶好の機会だ。
もし『陣泥棒』が来なくても、わしがスキを見て泥棒に入るので、気をつけておけよ。」
大将にこう言われては、厳しく警戒せざるを得ない。
秀政はこうして『陣泥棒』を防いだのである。
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