堀秀政のちょっと良い話(戦場編其ノ二)
秀政が秀吉の配下として九州平定戦に従軍していた時の話である。
秀政は城を攻めていた。
城方から勇敢にも討って出てきた、敵兵五十人ほどを生け捕りにした。
秀政の前に引き出された敵兵達は、見せしめの処刑を覚悟した。
秀政は敵兵達に言った
「九州に来てから城攻めばかり。
攻めた城はどこも一日で落城し、わしは次々と行軍せねばならず、本当にきついのだ。
そこでお前達に頼みがある。
このまま城に帰って、せめて後三日は持ちこたえてくれないか?
対陣していれば軍を動かさずに済むからな。」
と言って敵兵全員を解放した。
すぐさま城に逃げ帰った兵達は、とても敵う相手ではないと悟り、城方は即座に降伏した。
『名人久太郎』の面目躍如である。
もっとも、秀政は本当に休みたかったのかもしれないが…
|
|
(8)