仕事でドバイに行ったイギリス人が早く帰りたがっている。
母国イギリス・・・ではなくて日本に。
という話をしてくれた友人と久しぶりに会った。
関西に馴染みまくって交渉ノリが船場商人なイギリス人上司の嫁が着物が好きだと聞いて、和裁をやってる自分の母を紹介したのだそうな。
先方は日本語を話せない。
母親は当然日本語しか喋れない。
なのに週一で来訪して着付けを習い、自分で着られるほどになったとか。
「ホンマに言葉わからへんねんで!せやのになんでか意思の疎通できてんねん。
終いには電話で話したりもしとるんや。オバちゃんってスゲー!」
と感心する友。
で、着付けが出来るようになったお祝いに、母親は自宅にある着物を一枚選ばせてプレゼントをすることにした。
英国嫁が選んだのは祖母が若い頃着ていたもので
「そんな古く価値のあるものを頂くわけには・・・」(触って上質の絹と判ったらしい)
遠慮する英国嫁に友人は
「古いものには魂が宿る。魂のあるものは自分の行く先を自分で決める。
あなたがこれを選んだということは、これがあなたの元へ行くことを望んだということだ。
うちにはいくらでも着物はある。遠慮しないで受け取って欲しい」
茶道をやってる彼の持論で説得して、なんとか納得してもらったそうな。
で後日、英国嫁と友人の母と友人の嫁の母(こちらも着物好き)とで小物を選びに買い物をし、3人着物姿で京都観光に繰り出す。
行きかう人々から
「カワイー!」
「綺麗ー!」
と口々に讃えられた英国嫁は
「こんなに褒められたのは結婚式の時以来よ」
と照れまくり。
大層喜んで帰国して後、友人の自宅にはイギリスのお人形が届けられた。
母親が言うには結構な価値のあるものだという。
価値がわかるってカッコイイよね。
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