戦争が終わってから、面識の無い戦争帰りの方から父宛にお礼の手紙が来たり、わざわざ家まで訪ねて来てくれた方が居たそうです、理由は慰問の手紙のお礼。
当時戦地で頑張る兵隊さんに子供が慰問の手紙を出す事があったそうですが、皆内容は同じで
「打ちてし止まん大和魂!天皇万歳!
銃後の守りは堅いですから心置きなく戦って下さい!」
というようなモノだったらしいのですが、唯一父の手紙だけが
「今日目が覚めたら、障子にハエがとまっていて、
それを猫が捕まえようとして後ろ足で跳ねていた。母が芋をふかしてくれた。
妹がもっと欲しいと言うので自分はしっぽだけで我慢した。
それで腹が鳴ったら妹に笑われたので腹がたった・・・」
というような内容だったそうです、よく検閲されてハネられなかったもんだと思いましたが、父ちゃん、あんたって人は昔から・・・
どの人も
「君の慰問の手紙とても嬉しかった、君の手紙を戦争中何回も読んだんだよ」
と言っていて、話によると部隊で廻し読みされていたそうです。
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