去年から出向で来てる新しい配車係。
見た目は高校生で通じる20代半ば。
これがまたしっかりした爽やかお兄さん。
トラックの運ちゃんなんてみんな大なり小なり似たようなもので、うちも例外なく強面で荒っぽく気も短めな人ばかり。根は良い人達なんだけど。
係のお兄さんはいつもニコニコ、敬語で丁寧、柔らかい物腰で誰が接しても好印象。
この業界でそんな対応をされ、運ちゃん達は戸惑いつつも、次第に満更でもない様子で日に日に笑顔が増えていった。
扱いにくいおっさん連中で、出荷時間が前倒しになっても
「予定の時間とちゃうやろが」
とか言って出ようとしなかったり、急な集荷ややむをえない残業も嫌がり(まぁ当然だが)、まあ青襟特有の無骨な職場だった。
しかし彼が来るようになってからは、それまで「おう」とか「なんや」とかが主な単語だったのに、挨拶もするしお礼も言う、問題行動も起こさなくなる、欠勤や遅刻が劇的に減る等々…。
昨今の時代劇ブームの影響か、一部が
「若」
と呼びだしたらあっという間に広がって、お兄さんもお兄さんで
「各々方、出陣です。本日もご安全に」
とか言っちゃう。
人は鑑って言葉を実体験したよ。
職場の雰囲気や風紀は目に見えて改善するし、彼の電話対応は他の事務所にも影響を与え、窓口対応の改善に一役買っている様子。
あの若さであの人柄と言うかカリスマは天性のものを感じる。
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