小田切所左衛門と言えば武田家などに仕え、小牧長久手の合戦において上半身裸で槍合わせをしたことなど、当時有名な勇者であり、後には斉藤伊豆入道道仁などと名乗った。
さてこの小田切、大坂の役の頃は前田家に仕え、冬の陣では真田丸攻めに加わっていた。
ある時、真田丸より前田軍に向かって、一斉射撃が行われた。
すると…
小田切「ん…?」
同僚「おや小田切殿、どうかいたしたか?」
小田切「さっきの射撃の弾が、頬に当たった」
同僚「!?」
小田切、表情も変えずに頬から銃弾をほじくり出した
「ほらこれだ、全く危ないところだった」
いやいやいや、危ないとかじゃなくて当たっているだろ!?
唖然とした同僚たちにその弾丸を見せていたとき…
ドドドドド
再び真田丸より射撃!その瞬間小田切の眉間から、血が流れた!
またも銃撃が当たったのだ!しかも眉間に!!
青ざめる同僚たち!…が、小田切はまたもや、何でも無いような顔をして手を頭にやると、額から弾丸をほじくり出し
「あーあ、また当たっちゃったよ。こういう事があるから甲冑って大切なんだよね。
そうそう、俺が今つけてる鎧って武田信玄から頂いたものでさ…」
いやいやいやいやいや、甲冑関係ないところにあたっているだろ!
しかも何あさっての方向の自慢話をしているんだ!?
前田家の同僚たち、すっかり呆れ返っていたとか。
そんな小田切所左衛門さんからの教訓
「甲冑は大切」
裸で合戦に出たり頭で銃弾受け止めている人が言っているんだから間違いはないのだ。
多分。
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