来年定年を迎える親父から聞いた話。
うちの実家は代々男たるもの・・・みたいな気風があったらしく、男児は皆何かしらの武術を嗜むのが暗黙の了解だったそうだ
親父の親父(父方の祖父)はその中でも傑出してて、空手・柔道・合気道・刀剣術・銃剣術なんでもあり。戦地も経験済で、いかつい大男だったそうな。
親父も子供の頃、祖父から空手を習ったがまるでモノにならず、よく鬼のような顔した祖父に木刀で頭や尻をひったたかれたらしい。
で、大人になった親父は家を出て働こうとしたんだけど、英才教育(?)が祟ったのか、威勢が良すぎてどこの同僚とも上手く行かずにクビ続き。
酒と女に溺れ、今で言うDQNニートになっていた。
女のとこ行ってたから引きこもりではなかったらしいけど。
そんなある日、悪い仲間と酒を飲み、女を抱き、泥酔して部屋に戻って眠った親父。
すると部屋にいきなり、日本刀を抜いた祖父が怒鳴りこんできた。
「今までは若さゆえそういうこともあろうと見逃していたがもう我慢ならん。
我が家の男児として恥ずかしくないのか」
親父は仰天したものの、酒に酔い、血気盛んであったので
「抜き身で現れるとは、親父こそどういう了見だ。耄碌したか、ヒヒ爺め!」
と殴りかかった。
二人はしばらく争いあったが、もともと威勢だけの親父は祖父に散々にぶちのめされ、泣いて土下座した。
祖父は親父に数時間(体感時間だそうだ)説教した後、
「心を入れ替えなければ何度でも来るぞ。いいな、いいな」
と何度も念を押して帰っていった。
そこで親父ははたと目を覚ました。
散々暴れたはずの部屋の中も特に乱れた様子はない。
しこたま殴られ蹴られたはずの体、アザも痛みもない。
夢だったのかと首を傾げるも、あの生々しさは心に残った。
そして次の日。
祖父が業病に倒れたという知らせが入り、葬式をするので戻ってこいという連絡。
祖父の顔には大きな青タン、頬は真っ赤に腫れて、まるでどこかでケンカでもしてきたかのようだったそうだ。
親父は仰天し、祖母に聞いてみると、昨日、親父が寝ているはずの部屋から人が暴れるような音が聞こえ、様子を見に行ってみるとそうなっていたとのこと。
親父は感極まって、昨日の夢の話をし、親族全員で号泣したそうだ。
それから親父は心を入れ替え、会社に勤め、母と出会い、俺たちを育て、今こうして話している。
親父は
「出来の悪い息子を殺すつもりで来たのだろうが、
結局それが出来ず、自分だけ怪我して帰るとはまったくあの人らしいよ」
と笑っていた。
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ようやく管理人も本気を出してきたか
管理人大丈夫か?
クぅーっ
殺す気満々で日本刀持ってたら素手だと無理ゲーだが
説教する気満々なら、むしろ日本刀持ってる方が不利。
相手に怪我させない様にするってのはかなりの高等テクだからねぇ
親なりの優しさってとこなんかなぁ
酔っ払って寝ぼけた親父が祖父をタコ殴りに・・・
酒に溺れるのはもうやめよう・・・
なんで酔っ払いごときに死ぬほどの怪我するかなぁ?
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