男は愛犬を連れて長旅に出ていた。
しかし砂漠の真ん中で心臓発作に襲われ、男はそのまま死んでしまった。
再び目覚めたのは暗闇。
そばで愛犬が見つめていた。
男はちゃんと覚えていた。
自分が死んだこと、そして死んだ自分に何日も寄り添ったまま、愛犬が息を引き取ったこと。

犬と一緒に暗闇を歩き出すと、まばゆく輝く光のアーチが現れた。
奥には金銀でできた巨大な城。
門番に尋ねた。

「すみません、ここは何なんですか?このアーチはいったい?」

「ここは天国です」


「おお、ここが天国!感激だ!!僕は天国に導かれたのか。
 ところでのどが乾いてしょうがないんですが、水を1杯いただけますか」

「どうぞ。城の中によく冷えたミネラルウォーターがあります。ごちそうも食べたいだけどうぞ」

「さすが天国!ありがとうございます」

犬を連れて入ろうとすると、

「ちょっと待った!ペットはここより中には入れません!!」

「え・・・」

しばらく考えたが、結局男は水をあきらめて犬とともに城を後にした。

再び暗闇を歩いていると、今度は古ぼけてガタガタの木製の門が見えた。
そばで本を読んでる人がいる。

「すみません、水を1杯いただけますか?」

「中に手押しポンプがあるよ」

「それであのう・・・。犬を連れて入ってもいいでしょうか?」

「いいよ」

「ありがとう!」

男は水をくみ上げて、犬と一緒に心ゆくまで水を飲んだ。

それから門に引き返した。

「水をどうもありがとう。ところでここは何なんですか?」

「天国だよ」

「天国?!でもこの近くの光のアーチの城が天国だと・・・」

「ああ、あれは地獄だよ」

「地獄が勝手に天国を名乗ってるんですか?怒らなくてもいいんですか?」

「うん、親友を置いていく人間を選別できるからいいんだよ」


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この記事のコメント一覧
1 . ななしのごんた  ID:E.ZW6L2xO[評価:5 ]編集削除
普通にいい話だと思った。
2 . 名無しさん  ID:vMABG0710[評価:3 ]編集削除
なるほど・・・
3 . 名無しさん  ID:GE9zYOiU0編集削除
人を試すような行為自体がどうかと思うが。
4 . 名無しさん  ID:RAkgSR.r0編集削除
近しい存在と一緒に死なないとこの試練できなくね?
5 . 名無しさん  ID:icLXw.Wp0編集削除
昨日長年連れ添った猫が死んだ。でも、俺は生きてるから、この試練が来るのはいつのことやら。
それまで待っててね。
6 . 名無しさん  ID:F6JHX8kb0編集削除
いい話
ジョークなのか?
7 . 名無しさん  ID:xKLGDZJ90編集削除
※6
アメリカンジョークって日本で言う、とんち話的なものが多いから一応ジョークで良いんじゃね
8 . 名無しさん  ID:lD.b2Xla0編集削除
ぼっちの俺はどうすれば・・・





どうすれば・・・


9 . 柿  ID:JELiJfktO編集削除
※5
遅刻してきてくれだってさ
10 . 名無しさん  ID:rh1ZVgfx0編集削除
※8
おまえには俺らがいるじゃないか!
11 . 名無しさん  ID:RDsgCjcw0編集削除
猫と一緒に逝くようにしたいな
12 . アッー!  ID:1C28drvl0編集削除
大丈夫だよ、※8。俺がこれからずっと優しく抱いててやるから。
13 . 名無しさん  ID:W8rpqUXo0編集削除
選別できるのは結果論みたいなもんで、「天国」が選別してるわけじゃないから許容。
14 . 名無しさん  ID:TmrAjYsB0編集削除
ペットは人間の方だったみたいなオチを予想していた
15 . 名無しさん  ID:lafOw6kI0編集削除
ジョーク.................[感動]...............??????????
16 . 名無子  ID:gClZcLBmO編集削除
『この子はペットじゃない!家族だ!』

これでよし
17 . 名無し  ID:O4MJWEDdO編集削除
パトラーーーッシュ!(T_T)
18 . 名無しさん  ID:C90ftUFf0編集削除
米3
尊大過ぎワロタww
19 . 名無しさん  ID:pZJmGuvG0編集削除
ペット大好きの凶悪犯罪者は天国に行きましたとさ。よかった、よかった!
20 . 名無しさん  ID:Dh5dsME50編集削除
米10との絆を試されるのか

胸が熱くなるな

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