ある小心者のセールスマンが中西部の小都市を訪れた。
1日の仕事を終え、ホテルのバーで一杯やっていると、隣のカウンターに金髪美人がすわり、意味ありげな視線で彼を眺めるではないか。
彼は勇気を奮い起こして声を掛けた。
「一杯おごらせて貰いますか?」
女性は先ほどまでの挑発的な態度はどこへやら、冷たい口調で答える。
「とぼけたことぬかすんじゃないよ、オッサン。何様のつもり!」
まわりの人々の視線を一身に集めた男は這々の体でコーヒーラウンジに逃げだしたが、そこへ先ほどの美女が何故か追いかけてきた。
「先ほどは大変失礼を致しました。
私は地元大学の精神医学講座の大学院生ですが、
現在社会心理学の研究プロジェクトを進めています。
フェミニズムの視点から、『男性性と対人行動』というテーマでデータを集めているんです。
あなたはとても興味ある行動パターンを示されたので、私の学説の証明に大きな助けになりましたわ」
「そうだったんですか」
男は弱々しくほほえみ、あたりを見回して充分沢山の人がいることを確認すると、意を決して大声で怒鳴った。
「なんだって!一晩500ドルだと!ふざけるんじゃない。何様のつもりだ!」
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