オレが二十歳そこそこの頃、大好きだった祖母が亡くなった。
お通夜の晩は友達と飲みに行く約束をしていたのだが当然断った。
とてつもなくショックで、葬儀も、翌日の告別式も、実の娘である母に心配されるくらいの落ち込みようだったらしい(実際、自分ではよく覚えてないんだが)。
祖母を見送った後、夕方には実家に戻り、母たちとぐったりしていると友人達からのTEL。
『昨日の飲み会、今日にしたから今すぐ来いよ』
当然、そんな場合じゃないから、と断ったがその日に限ってやけにしつこい。
困っていると母に
『いいから行ってきなさい、気晴らしになるから』
と。
お通夜の晩は友達と飲みに行く約束をしていたのだが当然断った。
とてつもなくショックで、葬儀も、翌日の告別式も、実の娘である母に心配されるくらいの落ち込みようだったらしい(実際、自分ではよく覚えてないんだが)。
祖母を見送った後、夕方には実家に戻り、母たちとぐったりしていると友人達からのTEL。
『昨日の飲み会、今日にしたから今すぐ来いよ』
当然、そんな場合じゃないから、と断ったがその日に限ってやけにしつこい。
困っていると母に
『いいから行ってきなさい、気晴らしになるから』
と。
オレもしぶしぶ行くことにした。
落ち込んだまま待ち合わせ場所に行くといきなり友人が
『罰金2000円な』
とか言いながら金を徴収し、有無を言わさず見知らぬ派手な店へ連れ込まれた。
そこは地元のさびれたストリップ劇場だった。
初めて入ったそこは意外にも明るい雰囲気で、普通に若いカップルなんかもいる。
缶ビール片手に、次々現れるダンサーの股間に釘付けになったり、生下着争奪ジャンケンに熱くなったり、不謹慎だな、と内心思いながらも
さっきまでのことがウソだったかのように馬鹿笑いしていた。
友人達は『また行こうな』と、その日はそれだけでお開きになった。
その無神経な優しさに、10年経った今でも感謝している。
家に帰ると母が、『いい友達持ったわね』とまた少し泣いた。
うん、と頷いたオレのポケットには、友人が勝ち取ってくれた
桜樹ルイのパンティが入っていたことは、当然内緒だ。
落ち込んだまま待ち合わせ場所に行くといきなり友人が
『罰金2000円な』
とか言いながら金を徴収し、有無を言わさず見知らぬ派手な店へ連れ込まれた。
そこは地元のさびれたストリップ劇場だった。
初めて入ったそこは意外にも明るい雰囲気で、普通に若いカップルなんかもいる。
缶ビール片手に、次々現れるダンサーの股間に釘付けになったり、生下着争奪ジャンケンに熱くなったり、不謹慎だな、と内心思いながらも
さっきまでのことがウソだったかのように馬鹿笑いしていた。
友人達は『また行こうな』と、その日はそれだけでお開きになった。
その無神経な優しさに、10年経った今でも感謝している。
家に帰ると母が、『いい友達持ったわね』とまた少し泣いた。
うん、と頷いたオレのポケットには、友人が勝ち取ってくれた
桜樹ルイのパンティが入っていたことは、当然内緒だ。
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