二十代のはじめ頃に川っぺりの鉄工所で働いてたことがある。
鉄を切ったりくっつけたりしてるおっさんたちに混じって、俺よりも年下の若い男が一人いた。
まっちゃんと言うその人は青白くて眼鏡でヒョロくていかにもなイジメられっ子。
しかし毎日俺より早く出て俺より遅く帰っていたから、なかなかの根性の持ち主だった。
やったことある人はわかると思うけど工場の仕事はめっちゃつらい。
夏場はクソ暑くて冬場は膝が笑うくらい寒い。
働き者のまっちゃんはおっちゃんたちには可愛がられていた。
工場にはたまに消耗品を持ってきてくれる営業の人がいる。
ある日、俺の知らない営業がやってきた。
若い男で、おっちゃんたちと何か話したあと、そいつはまっちゃんと話し始めた。
ああ、昔の友達かな……と思ってたけど、なんか様子がおかしい。
営業はニヤニヤしながら小馬鹿にしたような態度で喋ってるし、まっちゃんは固まってる。
俺はすぐそばでカナテコでスパッタの掃除してたから会話聞こえたんだ。
営業「〇〇さんじゃないっすかwwwww何やってんすかwwwww」
まっちゃん「……」
営業「先輩勉強できなかったんすかwwww底辺の仕事すかwwwww」
なんかそんなこと言ってた。
知り合いは知り合いだけど、仲良しってわけじゃないらしい。
明らかにイジメてるというか、バカにしてる。
そのとき、すぐそばでやり取りを聞いていた同僚の一人がめっちゃでかい声で叫んだ。
「テメーそこ動くんじゃねーぞ! ちょっとー、みんな来てください!」
おっちゃんたちが何事かと集まってくる。
同僚、営業の背中を思い切り押して言う。
「この兄ちゃんが俺らの仕事に意見があるらしいですわ。なあ?」
営業、固まるが、そこで俺がそいつが言ってたことを話す。
「おおう、そうか? じゃ兄ちゃん、ちょっと向こうで話そうや」
おっちゃん数人、営業を取り囲んで建物の隅っこに引っ張ってゆく。
俺も後から知ったんだけど、うちの鉄工所は前科のある人の社会復帰を手伝ってたらしい。
おっちゃんたちの半分以上が元筋モノで、汗かくと作業服がスケて色とりどりな模様が拝める。
俺は仕事をさぼって聞き耳を立ててた。
「つまり俺らのやってることはクズみてえな仕事って言いたいんだよな、ええ?」
「あんた、お疲れ様とか言いながらいつもそんなこと考えてたわけだ」
「わりいなあ、いたらなくてよ。エリートにクズの相手なんかさせて」
いや、もう、すごい。本職マジ怖い。
声のトーンがなんて言うの、決して怒鳴らないんだけど押し殺した迫力あってめちゃくちゃ怖い。
明らかにイジメる側の図体のでかいイケメンの営業が小便漏らしそうな顔で縮こまってる。
ていうか、あれが俺なら漏らしてる。
さんざん脅かされた営業は泣きそうになりながら工場出てった。
それ以来、少なくとも俺が勤めてたあいだ、そいつは二度と来なかった。
仕事終わってからまっちゃんがおっちゃんたちに礼を言ってた。
おっちゃんたちは笑ってた。
「いいの、いいの」
って。
一番えらいおっちゃんがあとでそいつの会社に電話で詫びまくってたけど。
あとで俺に打ち明けてくれたけど、まっちゃんは工業高校に通ってた。
そのとき同級生はもちろん、下級生のあいつにもずいぶんいじめられてたらしい。
「ほんとなら俺が自分であいつにガツンと言ってやらなきゃいけなかったんですよね」
って言ってた。
俺はこんなちっさい工場にも映画みたいなドラマがあるんだなあ、って変に感心したのを覚えてる。
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「認めたくないものだな。自分の、若さゆえのあやまちというものを…」
ちんちんしゃぶってる画を毎度毎度見せられるんだろうか。
せっかくいいサイトなのにと思うんだがな。
昨日迄大丈夫だったのに
線香どうぞ…i
いい話たくさんあるのにエロ広告ばっかだしな


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