店に米用の計量カップ買いに来た女の子が嫁だった。
探したんだが計量カップは何種類もあったのに、1合のカップはなくて
「申し訳ありません」
と謝ったら、
「いいですよ」
とにこっと笑った顔がかわいくて一目惚れ。
計量カップの件で30分くらい必死こいて探してたもんだから覚えられて、店に来る度俺にちょこっと会釈してくれるようになったんだよ。
それで
「料理好きなんですか?」
「はい」
とか話すようになって、いつの間にか頭の中が彼女でいっぱいになってしまった。
ある日、いつものように店にきた彼女に、
俺「携帯の番号教えてくれませんか?」
嫁「?」
俺「そ、その携帯の番号を教えてください!」
嫁「え?」
俺「だ、だからその好きです!!!!」
と叫んでしまった。
まあそれからはご想像にお任せするよ。
店の中では悪いと思ったさ!だけど朝は早いし夜は遅いしで嫁を外でつかまえられなかったんだ。
だからせめて勤務時間外で告ろうと携帯の番号を聞いたらうまくいかなくて頭が真っ白になってしまったんだよ。
その時は、嫁はすぐに店の外に逃げてしまい、失恋確定だと思った。
夜はヤケ酒して涙さえこみ上げてきた。
だけど、その2日後嫁がひょっこり現れて紙切れを俺に渡してくれたんだよ。
すぐ逃げられたけど。
紙切れには携帯の番号が書いてあって、まあそれで夜に電話してちゃんと告白した。
…後で聞いたら嫁は携帯を携帯しない人間で、とっさに番号も言えなかったとかw
よく首にならなかったとオーナーにも嫁にも感謝してる。
未だにネタにされて笑われるけど気にしない。あの恥ずかしい思い出がなければ俺はこんな暖かい家庭を築けてなかったんだからな。
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