当時
俺・・・22歳。学生、一人暮らし。
彼女(ねね)・・・21歳。学生、一人暮らし。
グリコ♂・・・22歳。俺友人、学生、一人暮らし。
ソバ子・・・25歳。グリコ♂彼女、社会人。
大学受験で一浪した俺は、同じく一浪組のグリコと入学してすぐ意気投合して、親友と呼べる仲になり、しょっちゅうつるむようになる。
その頃、ストレートで入って来た同級生のねねに告白され、付き合う事になった。
付き合った後にねねから聞いて驚いたが、ねねは俺の高校時代の後輩だったそうだ。
地元から少し離れた大学に進んだから、それほど出身高校の奴は多くなかったから、出会ったのは結構な確率だろうと思う。
ただ俺自身は、ねねの事を正直全然知らなかった(なんとなく見たことはあるような気がしないでもなかったが)。
これは俺が言うのも恥ずかしい話なんだが、高校時代ずっと好きでいてくれたらしく、俺が卒業してからも忘れらなかったそうだ。
俺が一浪したのはどこからか聞いていたらしいが、同じ大学で見かけた時は驚いたけど、本当に嬉しくて泣いちゃったと笑いながら話してくれた。
そんなねねは、本当に尽くしてくれた。
高校時代遠くから見てた俺と、彼氏としての俺に、当然ギャップがあったはずなんだが、それを言う事もなく、いつも笑顔だった。
昼飯はねねが弁当を作ってきてくれてたんだが、そのねね弁の美味さは、グリコがこっそり昼前に摘まみ食いして、ねねから正座させられる事がよくあるくらい、グリコのお気に入りだった。
ってこれはどうでもいいね。
正直俺は最初、そこまで真剣に付き合い始めた訳じゃなかった。
でも、ねねと一緒に過ごすうちに、本気でこいつとずっと居たいと思うようになっていた。
付き合って2年が経って、ねねの誕生日が近づいてきた。
喧嘩はあれど仲は良好で、俺は益々ねねの事が好きになっていた。
その頃には、ねね弁は昼までねねが管理する事になっていた。
誕生日は、カップルにとって一代イベントだよな。
ただイベント事が昔から苦手な俺は、誕生日に何をすればいいか、毎年頭を悩ませていて、その年もグリコに救援を頼んだ。
その頃、グリコは3つ年上の姉御肌彼女とラブラブで、救援要請も彼女であるそば子を連れてうちにやってきた。
グリコカップルからアドバイスを貰って、誕生日のプレゼントやデートやらをなんとか決めて、後はねねの誕生日を迎えるだけになった。
その頃、今思えばねねの様子が普段と少し違ってたんだが、その頃の俺は微塵も気付いてなかったな。
ねねの誕生日当日。
ちょっとしたサプライズのつもりで連絡せずにねねの家へ向かった俺はこれから起こる惨劇を知る由もなかった。
ピンポーン
俺「ねねー俺だよ俺俺だよー」
・・・・・・・・・・・・
ピンポーン
俺「ねねー?おーい俺だよー。今日お前誕生日だよー」
・・・・・・・・・・・・
返事がないので入る事にした。
俺「おーい。寝てんの?まだ昼だぞ昼。」
家中探したけど、ねねは居ない。買い物でも行ってんのかと待つことにした。
2時間後。
さすがに帰りが遅いので、電話する事にした。
「お掛けになった電話番号はお客様の都ry」
あれ・・・・・?
あいつ携帯止まってやんのwやばいじゃん連絡取れないじゃん。
仕方ないから待つことにした。
5時間後。
もう外が暗くなったのに、ねねはまだ帰らない。
さすがにおかしいだろ。まさかねねに何かあったのか!
ちょっとテンパってきた俺は110番!!
を、思いなおしてグリコに電話した。
グリコ「お掛けになった番号に、ぐりこはちょっとしか出る気がありまry」
俺「グリコ!ねねが居ない!帰ってこない!もう7時間!やばいよ」
グリコ「ねねちゃん?はっはは。ねねちゃんなら今、俺の隣でスヤスヤって、は?7時間!?え?電話は?」
俺「止まってるっぽい。これ警察に言ったほうがいいよな?」
グリコ「んーー。とりあえず俺もそっち行くわ。今ねねちゃんちだよな?ちょっと待ってろ」
グリコが来るまでの間、俺はもう一度ねねの家をくまなく探した。でも収穫0だった。
普段なら7時間連絡とれなくても、大して慌てる必要はないだろうけど、誕生日だからな。
今日俺が来るであろう事は知ってるはずだ。
なのに一日中留守で、連絡もないなんてどう考えてもおかしい。
もしかして浮気・・・いや、事件、事故?まじ何だよ・・・。
頭ん中でいろんな想像とか妄想してるうちに、グリコがそば子とやってきた。
3人で話をして、もう一度ねねの家を探したり、近所を見て回ったんだが見つからなくて、その日は次の日まで様子を見てみようってなった。
朝になって、グリコと2人でねねの家で待ってたんだが、ねねは帰ってこなかった。
さすがにこれは尋常じゃないって事で、警察に電話してみる事にした。
でも、その前にねねの家族に連絡取った方がいいんじゃね?のグリコの声で、ねね実家の連絡先を探す事に。
でも、連絡先なんて中々見つからない。
そんな事をしているうちに、チャイムが鳴った。
何故かねねだと決め付けてた俺は、笑顔でドアを開けたよ。
でも、立ってたのは知らないおっさんだった。
おっさん「誰だねお前たちは?ねねはどこだ」
俺「ねねの彼氏ですけど?おっさんは誰ですか?」
おっさん「彼氏!?あいつ親に黙って、彼氏なんて作ってたのか!ねねを出してくれ私はねねの父親だ」
お、お父さん!!!!!!!!!!
俺「へ?お父さん?あの・・・ねねは帰ってきてません」
お父さん「隠さなくていい。いいから、早く出してくれ。上がるぞ」
お父さん「ねね!携帯を止めてなんのつもりだ!ねね!」
ねねが居ない事を知ったねね父は、俺とグリコにものすごい剣幕で、ねねをどこにやったと捲くし立ててきた。
俺は昨日、ねねの誕生日を祝う為に訪れたが、ねねはすでに居なかった事。
朝まで待って帰ってこなかったら、家族と警察に連絡するつもりで、今まさに家族に連絡しようとしていた事を説明した。
初めは信じて貰えなかったが、根気良く説明してどうにか信じてもらった
と同時に、警察にねね父が電話。
警察に状況説明や、捜索願を出して、知りうる限りのねねの交友関係に電話しまくった。
でも、何も情報がないまま夜になった。
その頃には、ねね父はすごい落ち込みようで、俺とグリコが励ます→父嘆く→励ます→父俺に怒りをぶつける→俺励ます→父謝りながら嘆く→最初に戻るを繰り返してた。
俺自身も半端なく、心配でそういう時って、どうしても最悪な状況しか想像出来なくて、何度も泣きそうになった。
次の日の朝になっても、何の進展もなく、徹夜続きだった俺らはいつの間にか寝ていた。
ねね父の凹みっぷりが痛々しくて、俺自身第3者みたいな感覚だったんだが、ふと起きて急に寂しくなった。
何か事件に巻き込まれてたらどうしよう。
攫われて今頃、北の・・・とかもう頭の中がグルグルでウワーってなりそうなのを必死に押さえてた。
そんな、ねねが消えて2日が経った昼過ぎ。
俺の携帯に、ねねから連絡があった。
公衆電話からだったから、誰か分からずとったんだが、ねねの声だと分かった瞬間、自分でもびっくりするくらい叫んでた。
俺「ねねか!?い、今どこに居るんだよ?みんな心配してるぞ」
ねね父「貸してくれ!ねねか?ねね!今どこに居るんだ!?ん?いいからどこにいるか言いなさい!
ん?うん、大丈夫なのか?うん・・。いやだから、ん?そうか、うん分かった。君に変われだそうだ」
俺「ねね?どうしたんだ?何があった?」
ねね「心配かけてごめんね。ほんとにごめん」
俺「それはいいから、今どこに居んの?俺向かえに行くからさ」
ねね「お父さんには、まだ会いたくない」
俺「じゃ、俺一人で行くから。な?どこに居るか教えてくれ」
場所を聞いた俺は、お父さんと後で合流する事にして、ねねの元へ向かった。
そば子が仕事を休んで探すの手伝ってくれてたので、そのまま、そば子とグリコに送ってもらった。
ねねとの待ち合わせ場所に着いたら、ねねはすぐに見つかった。
見つけた瞬間、涙が止まらなくて、人前なのにボロボロ泣いてしまった。
ねねもずっと謝りながら泣いてたけど。
2人とも落ち着いた後、どうしていきなり居なくなったのか、ねねが話してくれた。
実は、ねね父は地元では多少名の知れた会社の経営者で、って言っても大企業とかそんなんじゃないけど。
まぁ、その長女がねね。
ちょwねねちゃんあんた、普通のサラリーマン一家だよって言ってたじゃん・・・。
それで、ねね父は少々古風というか、固い人みたいで、昔からねねは会社を継ぐ人間と結婚しなさいと言われていたらしい。
でも、俺はねね父会社とは希望職種が全然違う。
ねねは俺じゃないといやだ。
でも父には言えない。
そんな中で、今回誕生日に帰って来いと父から連絡があったそうだ。
会わせたい人が居るからと。
お見合いだ!と思ったねねは、散々俺に相談しようか迷って、結果一人で家出をした。
2日間、一人で悩んでたら、急に俺に会いたくなった。
このままだったら俺とも会えなくなっちゃう。
それは嫌!で電話してきたと。
まぁ、色んな事が初めて聞いた事だらけで、頭整理するのに時間かかったけど、要はねねの暴走だったらしい。
ねね父がお見合いさせる気だったのは、事実だったみたいだけどね。
俺は、ねねと別れる気はなかったから、ねね父を説得するから一緒に帰ろうと。
ねねは泣きながら私で良いの?心配かけたのに、私で良いの?と何回も言ってた。
その後、ねね父と合流した時、ねね母、ねね妹も来てた。
ねね母は泣きながら、ねねを抱きしめた後に、思いっきりビンタ。
でまた泣きながら、抱きしめ。
ねねの口から、お騒がせした理由を聞いたねね母&ねね妹から、ねね&ねね父はがっつり説教くらってた。
ねね妹「昔っからお姉ちゃんは、一人で何でも抱え込みすぎなの!なんで誰かに相談しないかなぁ。
俺さんもいるんでしょ!みんな心配するって分かっててこんな事するなんてただのバカだよ!バカ」
ねね「うん。ごめん」
ねね母「今時、娘の意思無視して勝手にお見合いさせるバカ親がどこにいますか!
ねねはまだ大学生ですよ!あなたの会社の跡継ぎのために娘を使うなんて父親失格です!
大体、そんな大層な会社じゃないでしょうが!あなたは父親としての愛情が少しずれてます!
反省してください!」
ねね父「私は、ねねの事を思ってだな」
ねね母「あなたが思ったのは会社の存続でしょ!ねねにはねねの人生があります!
あなたが1から10まで決めるのは親としてやりすぎです!」
ねね父「・・・・・・うん」
散々〆られたねね父は、ねね母からもう見合いはさせないと誓いを立てさせられてた。
それでその場で改めて、ねねと付き合ってる事を報告したんだが、その場でねね母が、
「こんな事があったばかりだし、お父さんは信用出来ないし、この際いっそのこと婚約しちゃったら?
2人に将来結婚の意志があるならの話だけどね」
ねね父「婚約なんてまだ早い!」
ねね母「あなたは黙ってなさい。お見合いさせようとしといて良く言うわよ。
そもそも今回の騒ぎはあなたが原因です。あなたに口を出す権利はありません」
ねね母「私としては歓迎するから、二人で話しなさい。こんな父親だから防御策も必要よ」
てな感じで、ねねが家出するという修羅場は一先ず落ち着いた。
婚約の件は、その場では返事をしなかったんだが、後日、ねねにプロポーズして、改めてねね実家に挨拶に行った。
ねね父は坊主にされててて、ねね母から相当〆られたのか、すんなり婚約には同意してくれた。
あれから数年経って、ねねの誕生日のたびにこの話が持ち上がる。
ねねは、もう止めようよーって恥ずかしそうだけど、あの時のねねの行動はみんなに心配かけたし、もちろん決して褒められた事じゃない。
それでも、俺をすごく好きだからこその行動だったんだと、今はちょっと嬉しかったりもする。
とまぁ、多分俺にとって10月が来るたびに思い出す修羅場でした。
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って読んでまたいつものネタかよと思ったけど全部読んでなんだかんだであんまりいつもと変わらなかった。
げ
ろ
読みやすいし
とまぁ、多分俺にとって10月が来るたびに思い出す修羅場まで読んだ
ほんとそのとおり、それのせいで読む気半減だよね。
しかし・・・しかし・・・うわーん!俺にもここまで思い詰めるくらい愛してくれる人が欲しいよー!!
ってわけで女管理人、SEXさせろや。


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