俺大学一年、彼女はカノミで高三。
俺が高三の時に付き合い始めたカノミは、年中日焼け茶髪の俺的にはストライクの可愛い女の子でした。
普通科の俺が二流大学に進学して暫くしてから、少しづつカノミと距離が空いてきたような雰囲気に。
デートに誘っても二回に一回は断られ、その内五回に一回くらいしか会ってくれなくなりました。
しかも助手席に乗っててもつまらなさそうにしてるし、ついには思いっきり溜息つくようになっていました。
どうかしたの?つまらんの?とか聞いても「別に」を繰り返すだけ。
態度悪し。

カノミの気持ちが離れてきたのかな?とは思いつつも、カノミ大好きな俺は核心には触れず、ひたすら自分を磨き、カノミに惚れ直してもらえるよう頑張りました。


でも益々疎遠になる二人。
何しろ会ってくれないんだから。
エッチもかなり間が空いていた。
で、ある日カノミのアパートに突撃した時の話。

カノミのアパートなんですが、共働きなんで日中は親がいません。
たまに姉が顔出す位で、殆どカノミの一人暮らし状態。
鍵も掛かってなかったんで、俺も高校の頃は勝手に中入ってカノミが帰ってきたところでエッチする、みたいな毎日でした。まあDQNと言えばそうかも。

卒業してからはあまりアパートにはいってませんでした。

そのアパートに突撃した時、久々なんで呼び鈴鳴らしてみました。
誰も出てこないんで、二回三回と連続で押してみると、いきなり中から男の声で、

「はい、はい!」

と、イラつきながら半分怒鳴る声。
やば、お父さんいたのか?と一瞬尻込みしましたけど、すぐに玄関横の台所の窓からカノミの声が漏れ聞こえました。

「ちょ、やめてよ!声出さないで!」

って言ってました。
すぐピンと来ましたよ、男と一緒にいるって。

台所の窓から

「カノミ、中にいるんだろ?」

と声を掛ける俺。
今思うと結構勇気があったよね、この行動。

「え?え?○○(俺の名前)?……」

「あ?○○ぅ?」

声を潜めながら慌てるカノミに対し、普通にデカい声で応える男。

「ああ、カノミの彼氏かよ。ははっ!」

人をバカにしたような男の笑い声が聞こえた。

「おーい、○○!中入れよー!」

「やだって!ちょっ!ヤバいって!」

大声で俺を招き入れる男の声、焦るカノミ。

もう、思いっきりDQNだよね……

以前と同様、鍵の掛かっていないドアから中へ恐る恐る入っていきました。

リビングにセーラーのスカートだけ脱いで寝そべるカノミに、所々に泥が付いたTシャツだけ着て下半身裸の真っ黒男がいましたとさ……

「キャー!ちょっ!マジやだって!」

「もうちょいだから待っとけ!」

そう言って無茶苦茶腰振る男……

このスレ女の子も多いんで詳細割愛しますけど、肉のぶつかる音とグチャグチャという音が凄かった……

ちょっと信じられない光景でしょ……

もう俺、出て行こうと思ったんだけど、

「ちょい待てよ!彼氏なんだろ?」

と凄む男。

以下やり取りです。

男「変なとこ見せて悪かったなぁ、はははっ!」

カノミ「マジ死にたい〜(笑)」

俺「………って言うか、頭おかしいんじゃね?お前ら……」

ボソッと言ったつもり。

男「は?お前今何言った?調子のんなよ?」

ズボンを履き直しながら俺を睨みつける男。
物凄い怖い顔でした……

男、ズボン直しながら俺に近付いてこう言った。

男「お前、カノミの彼氏なんだろ?今のこの状況、どうなん?」

俺「……誰なんだよ、お前は…」

男「はい?お前って、俺の事?誰に口聞いてんの?」

俺「………」

完全なるDQN、金髪で日焼け、身体もゴツい。
ついでに汚い格好。

男「俺毎日カノミとしてんだけど。でも彼氏ってお前なんだよな?はははっ!」

俺「………」

男「カノミと付き合おうって思っててさ、順番逆になっちゃったけど。
    って言うか付き合ってるし。なぁカノミ!」

カノミ「意味わかんないしw」

男「はははっ!お前可哀想!惨めだねぇ〜」

俺「………お前、誰なん?……」

男「はっ?……お前、まだ立場分かってねえな……」

そう言って俺の胸ぐらを掴んだ。
俺も男の胸ぐら掴んだ。
でも男の方が少し背が高い。

俺の胸ぐら掴んで男はこう言った。

男「はははっ!なんだお前、目に涙浮かべてんじゃねえよw」

そうだよ、悔しくて悔しくて悔しくて、悔し涙だよ。
どう逆立ちしても勝てそうもない相手だけど、この時はどうなってもいいと思った。
でもその時、カノミが言った。

カノミ「やめなよ〜、○○が可哀想だよ〜(笑)」

自分の彼女に可哀想だよと同情され、二人に嘲笑われる俺。
この瞬間、どうでも良くなりました。
なんかもう、全てがどうでもよくなった。
カノミの事も、男の事も、俺自身の事も。

何も言わずに部屋を後にした時、玄関の窓から聞こえた二人の会話。

男「ははは!なんだあいつ、情けねえ。俺より年上なんだろ?」

カノミ「そんな事言わないでよ(笑)」

男「邪魔いなくなったから早く脱げ。またやるぞ」

たぶん、俺に聞こえる様にわざと大声で言ってたと思います。

その日の夜、カノミからメールが来ました。
ざっと言うとこんな感じ。

「ごめんね今日は。私、卒業したらあの人と結婚するんだ。○○の事も大好きだったんだけど、ね。
 来年からあの人と同じ会社で働く事にもなったし。本当に今まで有難うね(ハート)。
 私も貴方にかかわらない様にするから、貴方ももう絶対連絡しないでねぇ〜」

カノミの最初の男は俺でした。
外見は派手だったけど、背伸びした所はあったけど、本当は気の優しい子だったのに。
俺の目が節アナだったんでしょうね。

それからの俺は、DQNには関わらない方が良い、とか、あいつらとは住む世界が違い過ぎる、とか言い聞かせながら、何とか平静を保つようにしていました。

俺の家、小さな工務店してるんだけど、経理担当の母と社長の父が最近よく揉めてました、経営の事について。
二人の話、何気に盗み聞いてみると結構穏やかではない。
どうも会社の損がついに400万超えたよ、社長いい加減にしてよ、みたいな会話。
会社の備品やらお客さんに納める住設やらがここ一年で400万分盗難にあってるらしかった。
母は状況から考えてうちの若い衆を疑っていたけど、父は認めたくない様でした。
未成年のとびとかもいたんで、責任感の強い父は親代わりみたいな意識もあり、最後まで信用したかったみたい。

俺、余計な事だと思ったんだけど、親に内緒で会社の倉庫に監視用のカメラ仕掛けました。
コンビニとかでも使っていそうな長時間録画可能なやつ。
これ、俺夏休み中ずっとやってたんだけど、やっぱそこに写ってました、三人が色々と持ち出す姿が。
その夜伝票やら整理してる両親にこの事話しましたが、父は怒りましたね。
盗撮とは何事だ!って。
でも母が

「経営者の自覚が足りない!このまま放置してたら他の従業員を路頭に迷わす事になる。
 ○○のした事は正しい。もっと早くすべきだった」

と言って擁護してくれました。
三人でビデオ見たんだけど、母は、やっぱりあの子達か、みたいな反応。
父は泣いてましたね、声を押し殺して………

翌日両親はこの三人を呼び出して、ビデオの事には触れずに問いただしました。
父の意向は穏便に済ませたい、母も同じでしたが、金額が大きいだけに、夫々の親に話して弁済させ、それで一切チャラにする、というもの。
でもね、この三人、逃げました。
翌日から音信不通。
止むを得ず通報、難なく御用になってました……

もうピンと来た人がいるかもですが、この三人のうちの一人、あのDQN男でした。
まさかうちで働いてるとは思いませんでしたけど……
親が問い詰めてる時にあいつの姿を見つけ、本当に心臓が止まるかと思いました。
向こうも俺の顔見てすぐ分かったみたい、ギョッとして顔伏せてました。

この一件でカノミの事も思い出しました。
DQN男と一緒の会社で仕事するって言ってたなって。
まさかと思いつつ母に確認してみると、縁故採用で一名既に決まっていました。
やっぱりカノミ。
絶対連絡するな、と言われてたんでしなかったんですが、向こうから電話が来ましたよ。
一応、フィアンセが捕まっちゃって大丈夫か?みたいな事言ったんですが、

「フィアンセじゃないし」

と言ってました。
まあ、ね……似たもの同士って言うか、お前ら二度と俺に関わるな、と言いたかったけど。

うちで働くのかあ、とか思ってたら、最近辞退の連絡があったと聞きました。
この就職難の時代になんで?って母は思ってたみたいですが。
DQN男との関係は俺は言ってません。

こんな感じです。
冒頭に「スッキリした」と書きましたけど、そんな事全くないですね。
俺が言いたいのは、真面目に生きようとしない奴は結局それなりの人生しか歩めない、って事です。

主犯格親からは200万一括弁済、DQN男含めた残り二人の親からは分割の申し出があったようです。
DQNの親かどうかは分かりませんが、事務所で土下座して謝ってる人もいました。
父は父で、監督不行届、不徳の致すところ、と土下座。
いい年の親父二人が泣きながら土下座し合う姿をDQN男に見せたかったよ。
俺はこの親父二人とも男だと思った。
責任とはこういう事だと思いました。
だからこそ、DQN男とカノミの事を思うと……ハラワタが煮えくりかえります。

カノミからの電話ですが、来年から世話になる会社が俺の家だと知って、よりを戻さないまでも関係を修復させたかったんだと思います。
捕まっちゃった男とも元々無関係ですよ、みたいなノリで話しかけられた時は虫唾が走りました。

……俺は今、幸せではないですよ。
寂しいよ〜


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この記事のコメント一覧
1 . お大事に  ID:jplXYDBe0編集削除
もぎに行ってスッキリしてこい
2 . 名無しさん  ID:ARPC5s570編集削除
カノミってなに?
3 . ななし  ID:lntNcMCi0編集削除
※2
彼美とかの仮名ではないかと思われる
4 . 名無しさん  ID:WhZXD6Og0編集削除
馬鹿な親だねぇ
5 . 名無しさん  ID:SqPfDZgL0編集削除
どんなデカい会社だか知らないけど、親父の工務店で働いてる奴の顔くらい知らないかね
女も自分の就職する会社が彼の家だって事くらい気付かないかね
6 . 名無しさん  ID:m4G0vk6v0編集削除
>>5
どんだけ田舎に住んでるの?
まさか家と工務店が一緒になってるようなのだけが工務店だと思ってる?
会話に親の経営してる工務店の名前が出ない限りはまず不可能だね。
7 . 名無しさん  ID:wjmx.tSf0編集削除
途中から話が変わったかと思っていたら繋がっていた
8 . 名無しさん  ID:HZM1ePb40編集削除
相手を「お前」呼ばわりして自分が「お前」と呼ばれるとキレる
一般的に人間は似た部分がある相手を嫌悪すると言うが、頭悪いやつはこんな単純なレベルでソレが出るんだなw
9 . 名無しさん  ID:AYoFFLIb0編集削除
面白くないしいきなりカノミとか言われても何のことかわからないし目が滑るし。
ひどい文章だ。
10 . 名無しさん  ID:.q.l2s3j0編集削除
だな
11 . 名無しさん  ID:DwT3jfob0編集削除
※8
その書き込みでつい先日の以下のやりとりを思い出した。

桜井氏「あんた」
橋下市長「『あんた』じゃねぇだろ」
桜井氏「『お前』でいいのか?」
橋下市長「お前なぁ」
桜井氏「『お前』って言うなよ」
橋下市長「うるせぇな、お前」
12 . 名無しさん  ID:0IpGNOLI0編集削除
まったくスッキリしない話
13 . 名無し  ID:ypiQEfHGO編集削除
おもしろだから読んだのに裏切られた。
あとDQNは死ね。
14 . にわか  ID:sm679VUkO編集削除
年中日焼け&茶髪がストライク?と思ってたらDQNの親方の息子…
ジブンもやんちゃしてないフリでDQN…
15 . 名無しのウホッ  ID:kFG9EuzI0編集削除
えー、とりあえずDQNとやらの行為の様子をワタクシめにもじっくり拝見させていただきましょうか。
16 . 名無しさん  ID:IXuekjAx0編集削除
根性無しの報告、以上っと

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