私子(私):24歳
A美:私子の先輩。同職場。
Y先輩:同じ会社の総務部。A美先輩の同期。
同期B・C子:私子の同期
短大卒業後うまく就職に滑り込むことが出来ました。
1年間は業務を覚えることで必死。2年目になりやっと周囲の対し余裕が出てきた頃のお話です。
私はA美先輩の下で営業事務職として働いていました。
仕事面では厳しい反面、ポロっと優しいフォローもしてくれて私としては憧れの先輩でした。
上司からの評判もよく本当に当たり障りの無い人でした。
ふとした話題からA美先輩に
「私子ちゃんって彼とか居るの?」
と言われ
「短大卒業後すぐ別れちゃったんですよねぇw」
「じゃぁ好きな人とか居ないの?」
「うーん・・・Y先輩がいいと思ってるんですけど・・・」
「へーY君かぁ。確かにもてるもんね!」
とケラケラ笑われその場はそれで終わりました。
その半月後に新年を迎えようとしていた矢先のことでした。
年末年始休暇に入った翌日、A美先輩から珍しく電話。
「元旦に内輪で年始参りするから私子ちゃんもおいで!Y君も来るよ!着物でも着てきちゃえば?」
浮かれたバカな私は母親に着物を出してもらい、美容院も即効予約。ワクワクしながら元旦を待ってました。
当日になり待ち合わせに行くとみんな「はぁ???」みたいな顔。
同期B・C子も同じ表情。
するとY先輩が
「・・・私子さんだよね?今日みんなでスケート行く約束なんだけど、なんで着物着てきちゃったの?」
え・・・?!そんな話聞いてない。
「電話で年始参りするからって・・・あの・・・」
とオロオロしながら言ってたら
「私の説明不足で勘違いしたかも。。。スケートってちゃんと言ったんだけどなぁ。」
振り向くとA美先輩。
え?!確かに年始参りするからって・・・言ったよね?!
なんかシラーっとした空気になり
「本当にすいませんでした。」
と平謝りした。
同期B・C子は大晦日辺りに連絡がきたらしく
ざっとした詳細と待ち合わせしか連絡がこなかったらしく、私まで確認をしなかった様子。
「ほら、私子ちゃんがせっかく着物着て綺麗にしたんだしさ!お参りくらいしていこうよ。
近所に確か神社あったよね?」
とY先輩へ促すA美先輩。
その時チラっと私の方をみたA美先輩がニヤリとしたのに恐怖を覚えました。
最悪な雰囲気の中お参りをして、私だけ早々帰宅。
着物を脱ぎながら涙がたくさん出てきて、母親にも
「どうしたの?」
と心配される始末。
夜になり同期B子から電話が来た。
「私子ちゃん??さっき飲み会が終わって帰宅したんだけど、
A美先輩ね、私子ちゃんにわざと言ってやったんだぁ。って酔いながら言ってたよ!」
そのまま同期Cに変わる。
聞くところによるとA美先輩は昔、Y先輩に猛烈アタックを繰り広げたようだが、Y先輩は全くなびかなかったらしい。
その後もストーカーまがい手前までいったそうだが、Y先輩に彼女が出来て一度は諦めがついたようだ。
が、最近になりY先輩がフリーになったことを知りまたリベンジを試みている上、A美先輩が私子ちゃんをかこつけて「私ってとってもいい人でしょ♪」を演じたようなのだ。
元旦早々から最悪な展開となり、裏切られた気分でさらに部屋でわんわん泣いていると、次の日気晴らしにカラオケでも行こう!と同期B・C子が誘ってくれた。
ありがとうB子C子。
年始になり会社が始まった。
A美先輩はニコニコしながら
「新年は大変だったね♪」
としか言わずその後は何もなかった。
私も私で業務に打ち込んでいた、その方が気が紛れて良かった。
同期の情報からかこの時からA美先輩とはそれとなく距離を空けた。
新年を迎えて半月後。廊下でバッタリY先輩と会った。
「私子さんだよね?新年早々大変だったよな。今度ご飯でも行こうか。」
と言われなぜかアドレスをもらった。
何がなんだかわからず
「・・・はぁ???」
としか答えられかった。
家に帰り同期Bにメールをすると
「あぁ、Y先輩に本当のこと言っといた。」
Y先輩もA美ならやりかねない、と思ったらしくよほど私が惨めに見えたらしい。
しかし同情でもなんでもY先輩のアドレスをもらったことが嬉しくてA美先輩のことなんかこの時考えもなかった。
週末にあっさりと約束が出来て
「せっかくだからドライブでもしようか。」
となりその日はとても楽しいデートになった。
ある日、挨拶をしてもA美先輩が交わしてくれない事が気になった。
まぁいいか、と思い席に着くと、
「私子ちゃん!ココ!全っ然違うんだけど!!!」
見るとエクセルの表がちょっとかけていた。
しかも私が作成したのではなかった。
この日を境にA美先輩は豹変してしまった。
一日無視される日もあれば、昼休み・定時目前で仕事を押付ける。
すこし席を立てば
「どこ行ってたの?」
とキレられる。
幸い業務内容が楽しかったためか、A美先輩の態度はさほどは気にならなかった。
送迎バスに乗車し携帯メールをチェックしていると背後から突然携帯を没収された。
「?!」と思い振り向くとすごい形相したA美先輩。
「やっぱり、メールしてるんだ。Y君と!!」
と言い放ち、携帯を私のほうへ放り投げバスを降車した。
後日談だが、私とY先輩はちょこちょこご飯を食べに行く仲になり、メールもたわいない内容を数日に一度してるだけで付合っている関係ではなかった。
めっさ怖くなりY先輩へそのままメールをする。
夜電話が鳴り心配してくれるY先輩。
「もうA美に俺から言うわ;」
と呆れた声で言う。
そのまま
「もう付合ってるでいいよね?」
と。
ものすごく嬉しかったが
同時に恐怖感が襲った。
バレたらA美先輩に殺されるかもしれない。
同期B・C子に相談するも
「相手にするだけ無駄でしょ。Y先輩にまかせちゃえば?」
とアドバイスをくれた。
次の日からA美先輩の嫌がらせがぱったりと止んだ。
気持ち悪かったが、嫌がらせなないのに越したことは無く暫く平穏に過ごしていた。
が、ある日ロッカーこじ開けられ、中身全部コーヒーまみれになっていた。
同期B・C子が
「絶対A美先輩の仕業だよ!」
と口をそろえて言うが、なんの証拠も無く、コーヒーまみれになった服を着て泣きながら帰宅した。
業務上では支障はなかったが、一人暮らししているアパートへの無言電話が多くなった。
一番怖かったのがピンポーンと鳴りドアスコープを覗くと誰もいない。
開けずに部屋へ戻ろうとしたらドアを思いっきりガーン!!と蹴られる音がした。
たまに遊びに来るY先輩が居るとぱったりと止む(車で分かっていたのかも)テレビを見ていると、ドア越しにパタパタパタ・・・と走る音もした。
そんな生活が3ヶ月くらい続き、精神的に病みかけてた。
引っ越そうかどうするか、考えていた矢先に会社の内示が出て他部署へ移動となった。
部署合同の歓送迎会の時
「私子ちゃんは私が手塩にかけた後輩なんだから♪可愛く扱ってあげてね〜。」
と酔った勢い、愛嬌たっぷりと上司に言った。
「あとぉ〜、私子ちゃんは私のモトカレ取ったくらいですからぁ、
仕事も取られると思って内心ヒヤヒヤでしたぁ〜。
でもそんな心配は今日からなくなるのでA美はとっても嬉しいですぅ〜。」
凍りつく空気。
周囲から本当なの?!と立て続けに聞かれたが、曖昧に答えてその場は流した。
というよりA美先輩はそこまでY先輩を思ってるのだと思うと、怒りを通り越して可哀想になってきた。
その帰り道。
新しい職場の人たちと途中まで帰りアパートの最寄り駅についた。
Y先輩が心配して駅まで迎えに来てくれていた。
お互い手で合図した瞬間、
「うわぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
と背後から声がした。
同時に背中をドン、と押され私はタクシー乗場
へヘッドスラインディグしながら倒れた。
びっくりして振向くと貞子、いやA美先輩だった。
また
「うわぁぁあぁぁぁ!!」
と言い襲いかかってきた。
乗場で並んでいた乗客数人とタクシーの運ちゃんが止めに入ってくれ、Y先輩は私をかばうようにしてA美先輩をどついた。
「てめぇ!いい加減にしろや!!」
とブチキレるY先輩。唖然とする周囲。
「だってぇ!だって!!○○は私のこと好きだって言った!
なんでこんな奴に取られるのが知りたいだけ!」
酒がかなり入ってるA美先輩の呂律からすると、多分こんな事を言っていたと思う。
誰かが救急車を呼んでくれたらしく、道路上でヘッドスラインディグした私は顔とひざが血まみれになっていた。
痛みもあった。
週末の金曜日もありどんどん人が増えてゆく駅前。
泣き叫ぶA美先輩。
まるで地獄絵図のようになり、逃げるように救急車に乗った。
A美先輩はそのままパトカーに連行されてしまった。
土日を挟んで月曜日。
ところどころ包帯とカーゼで出社した私を見ると新しい上司が
「私子さん、本当に大変だったね。。。」
と哀れむように私を見た。
気が重ければ数日休んで来なさい、とも言われたが新しい仕事を覚えていたほうが気分が紛れていいです、と言ったら黙ってしまった。
午後に会社の役員に呼ばれ事情をいくつか聞かれた。
答えるだけで楽は楽だったが、A美先輩の処分は後日決めるとだけ言われ、その日は普通に帰宅し、次の日からは普通に仕事をしていた。
職場の人たちは年上のひとばかりだったためか、特に根掘り葉掘り聞かれることもなかった。
Y先輩も上司に呼び出され、いくつか質問に答えただけだったと言っていた。
同期B・C子は
「損害賠償で訴えなよ!」
と言っていたが、裁判沙汰でもA美先輩とは関わりたくないので、適当に流した。
怪我が治ったら全快祝いやろうと言ってくれた。
その後A美先輩は子会社に移動され、そこの倉庫係になった。
Y先輩はA美先輩に新入社員の時からからしつこく付きまとわれ、Y先輩の実家に色々プレゼントやらお土産を直送してY先輩の両親からも
「あなたの彼女?」
と疑われ、それは必死に否定してたそうだ。
A美先輩に
「彼女と間違えられて困るから本当にやめて!」
と強く言い、その後に
「もう彼女いるから。」
と告げたらしい。
そこでA美先輩が「彼女」という単語を変な方向へ転換してしまったらしく、付合ってたと誤認してしまったようなのだ。
A美先輩はそこでいったん諦めた様だったが、Y先輩が別れた事実を突き止めると「私の事好きだったから、だよね♪」とわけのわからない妄想
に入り、その中私がY先輩が好きって言う言葉がきっかけで暴走してしまったらしい。
A美先輩の両親から謝罪の電話が来たが、顔を見て謝罪するのが普通なんじゃない?と思い、A美先輩の両親もこんなんだと思ったら悲しくてまた涙が出てきた。
Y先輩も責任を感じててごめんな、ごめんなと言っていたけどY先輩が悪いわけじゃない。
A美先輩とはその後どうなってるか知りませんが、多分元気でやってると思います。
怪我ですが顔はすっかり治りましたが、膝がパックリだったので後傷がまだ残ってます
Y先輩とはまだ付合ってます。
A美先輩事件はお互いトラウマなのでもう話題には出ませんけどw
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こいつもいじめられる要素たっぷり
優しさでもヘタレでも何されても泣き寝入りする奴って相手の思う壷
挙げ句最後にはしっかり惚気も入れる自己中心的狡猾さ
他人を攻撃しない分マシってだけで同性に嫌われる要素もたっぷり
見ている方も悲しくなるから自分をさらけ出さなくても良いんだよ…。
優しくしたくなくなるよ
8の馬鹿は命令スンナ


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