期間限定でトメと同居しているんだけど
同居で舞い上がったトメが
「このまま家族で暮らしていけたらいいわねー」
と煩い。
その「家族」の中に私は入っていない。
夫が何度も怒ったんだけど、トメはキャッキャキャッキャうふふふふで全く聞く耳持たず。
そこに、コトメが離婚して子連れで戻ってきた。
ド田舎の無駄に広い家なので、別にコトメ母子が増えても邪魔ではないが
トメのはっちゃけがますます酷くなってしまった。
もともと、子供たちが結婚しても一緒に大家族で暮らしていきたいという夢があったらしく
これで夢が叶った、さらに嫁子もいなくなれば
自分と血の繋がった家族だけで暮らせる
子育ても、兄妹でお父さん役・お母さん役をこなしていけばOKじゃない!
などと、一応冗談とは言いながらとんでもない妄想を垂れ流し始め
困ったことにコトメまでが、まんざらでもないような反応をしだした。
この間の日曜日、ご近所のトメ友達さんたちが家に来た時もトメは、すぐそばに私がいるというのに、その妄想をでかい声で喋りまくっていた。
ところが、トメのドヤ顔を制して、トメ友さんの一人が言った。
「あんたそれ、●一族と一緒だよ!」
●一族というのは、この集落の隅に隔絶されたように住んでいる家族の事。
何代も前から、実質村八分というか、他の住民とは最低限の接触しかせずに暮らしてきている、異質な存在。
近親婚を繰り返してきたらしく、当代の夫婦もその子供たちも、知的・身体的に障害がある。
お友達のその一言に、トメは何か反論しようとしたけど
他のお友達たちも
「そうだよねぇ」
「トメ子さん、あんたのその考えは気持ち悪いよ」
と言い出し
さらに次の間にいたコトメさんにも
「あなたもさ、実家を頼るのはいいけどあんまりベッタリしたら子供のためにならないよ。
●一族と一緒になりたくないだろ」
と言ってくれた。
すっかり黙り込むトメ。
そして、なんだかものすごくショックを受けた様子のコトメ。
その夜コトメからは、
「離婚の疲れで頭まで麻痺して
このまま家で母や兄に守られて暮らせていければいいなと思ってしまった
母親なのに本当に馬鹿だった」
と謝られた。
幸いコトメは資格を持っているので、知り合いの紹介で働くことにするらしい
(前から話はあったが、動き出せずにいたとのこと)
就職決まったら、コトメ親子は近いうちに新幹線の距離に引っ越すことになる。
うちも、私はもちろん夫が、母親の妄想に「生理的に気持ちが悪い!」と腹を立てているので
同居解消を前倒しにして出ていく予定。
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