体験談：１人か２人ずつ帰って行く不審なグループがいる [おもしろ]

慌てて下ろした携帯の画面は真っ暗で、どう見ても電源は入っていない。

「トイレに連れがいるからソイツが精算するんで」

と、言われたが、席にお戻りを頂いた。

30分経ってもトイレからは誰も出てこない。

そのうち、

「駐車場の車に財布を忘れたので取りに行きたい」

と、言い始め、フロア担当の女性に付いてきてくれと要求

代わりに、俺がついて行ってやった

駐車場どころか、裏の通りに出て、辺りを見渡し、

「おっかしーなー、店員さん、連れが居るはずなんで、車探して・・・」

皆まで言わせず、そいつから絶対に離れず、目も逸らさず、

「無いみたいですし戻りましょう」

と店内に連れ戻した。

席に座って大きく股を開いてコッチを睨んでいたが、見える位置で警察を呼んでやった

どうやら、逃げ切れないと悟ったそいつは、やたらとトイレに行き始めた。

トイレで体調を崩した友人設定を必死で持ち出すそいつに、敢えて外から声をかける

「大丈夫ですか？救急車呼びますか？」

いや、誰もいないの判ってたけどね

やがて、警官が来ると、トイレから出てこない。

最初は優しい口調だったお巡りさんの声が段々荒くなる

扉をドンドンと音を立てて叩きながら

「おい！出てこい」

って叫びだした。

「駄目だ、出て来る気ねぇわ」

と応援を呼ぶ警察官

いつの間にやらパトカー７台、警官14名が深夜のファミレスに集結

トイレの前に６人くらいミッチリ詰まる警察官

遂にトイレに入っていったお巡りさんが出てきて曰く

「あかん、こいつホントに腹下しとる」

以降ソイツは、「食い逃げに失敗してストレスで下痢になった馬鹿」として暫くの間語り継がれていた。