高2の時、「公開告白」というのがあった。
「学校へ行こう!」の世代だったので、そこから来た流れだと思う。
(学校へ行こうは、テレビ番組の名前。学校の屋上から言いたい事を言うコーナーがあり、そこで告白する
子も居た)
私がそれを見たのは2回。
1回は、転校する女の子が、HRで挨拶するときに、同じクラスの男子、朔ちゃんにその場で告白。
もちろん玉砕。
2回目は、↑の次の日、Aさんが、ギャルに命令されてのこと。
この時も、朔ちゃんがターゲットだったんだけど、この朔ちゃん、結構なイケメン。
文化祭で、朔ちゃんが朔ちゃんをやって、大盛況。後日、学校宛に朔ちゃんへのファンレターが届くほどだ
った。
特に、女子からは絶大な人気で、どこに行くにも人の目がある感じ。これなんて少女漫画?って感じだっ
た。
対するAさんは、川村エミコにそっくり。
話しかけると優しそうなん感じだけど、主張が少なく「暗い」って誤解されるタイプ。
いつもギャル集団からからかわれてて、
「Aさんさぁ、○○(流行りモノの名前)って知ってる?」
「マジ?知らないの!?やばくない!?」
を繰り返す感じ。
で、昼休みに、またギャルがAさんに話しかけてきた。
ギャル「Aさんさぁ、最近超可愛くない?輝いてるって言うか。
もしかして恋!?あ、分かった、相手朔ちゃんでしょ!」
ギャル「絶対そうだよね!朔ちゃん彼女居ないし、告っちゃいなよ!今!Aさんなら 絶対大丈夫!」
ギャル「昨日○さん(転校した子)振ったとき、
好きな子いるって言ってたじゃん、それ、Aさんのことだって!」
と、Aさんの机囲んで笑う。
もちろん、彼女たちは、本気でAさんのこと褒めてるわけじゃない。
机で俯くAさん。
見てられなくて、割って入ろうかと思ったら、急にAさんがガタッと立ち上がって、教室の反対側に居た朔ち
ゃんに直進。
明らかに自棄だった。
「え!?マジでマジで!?」
とはしゃぐギャルたち。
ポカンとしてる朔ちゃん。
泣きたいの堪えてか、緊張してか、めっちゃ怖い顔して朔ちゃんを睨みながら、Aさんは告白した。
Aさん「朔くん、私と付き合いますか?」
朔ちゃん「うん。Aさんの彼氏にしてください。お願いします」
朔ちゃんの返事に 、クラス中が一瞬沈黙、そして弾けたようなドヨメキ。
一番驚いてたのは多分Aさんで
Aさん「…本当ですか?」
朔ちゃん「だめ?嘘のが良かった?」
不安そうに尋ねる朔ちゃんの雰囲気から、どうやら本当に(という言い方も失礼だが)、朔ちゃんはAさんの
ことが好きらしいと察するクラス。
で、Aさんが朔ちゃんの問いに首を横に振った瞬間、男子を中心に
「おめでとう!」
の声と拍手。
ギャル以外の女子からも
「おめでとう!」
の声が上がり、クラスはお祭り騒ぎ。
朔ちゃんは胴上げされるし、Aさんは泣き出しちゃうしでカオス。
昼休み終わっても続き、先生が入ってくるなり、
「盆暮れ正月が3回来たような」
と評されたほど。
後から聞いた話だと、Aさんと朔ちゃん、小学校のとき同じ習い事をしてて、昔からの知り合いだったらしい
。
頭がよく、いろんな事を知っているAさんに朔ちゃんは恋心を抱くが、習い事先が潰れて会わなくなった。
高校入って、Aさんに気付いてたんだけど、お互いの立ち居地の違いから、Aさんに迷惑がかかるのではと
、言い出せずにいた。
でも、やっぱり博識で控えめなAさんのことが好きで、親友に相談したりしてた。
Aさんが、泣きそうな顔で告白しに来たとき「あ、何かあっても、俺が守ればいいんじゃん」と、悟りを開いた
というか、悩んでたのが馬鹿らしくなったそうだ。
朔ちゃん、他校からも人気あったし、Aさんへの妬みなどもあったと思うが、朔ちゃんはAさんを守り抜いて、
高校生活は、ずっとAさんと一緒にいた。
先月の同窓会で、Aさんの苗字が朔ちゃんとお揃いになってた。
イケメン男子に「朔ちゃん」という仮名を使ってますが、これは彼が文化祭で「朔ちゃん」という役をしたから
使いました。
というようなニュアンスです。
ギャルの反応は…私もお祭り騒ぎに乗っかったので詳しくは…。
後日、他クラスから
「付き合ってるって嘘でしょ?」
と言って来た子に対して
「本当だよ。むしろ夫婦」
とギャルが返してたので、根は悪い子ではなかったのかと思ってます。
二人がいつ結婚したか、別れることなく付き合い続けたかは分かりませんが
新婚のような事を言ってたので、結婚したのは25〜30歳です。
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