何かと私や義兄嫁に対抗意識を燃やすコトメ。
義兄「義兄嫁は書道段持ちなんだ」→コトメ「私も習字の授業でセンスあるって言われたことある！」
私が中学の合唱部で部長やってたっていう話→コトメ「小学校のとき、通知表でずっと音楽◎だった！」
等々。
コトメは英語堪能で美人なんだから、張り合う必要なんか何にも無いと思うんだけど。
相手にするのも大人気ないので、みんなハイハイって感じでスルーしてた。
ある日、義父の還暦祝いをしようと、各家で料理を持ち寄って義実家に集まることになった。
私は豚の角煮を持っていって、鍋に移して温め直してた。
途中で義兄嫁に呼ばれて、ほんの10分くらい、台所から離れた。
帰ってくると、鍋から角煮が消えている。
誰か持って行ってくれたのかな？とリビングへ向かうと、廊下で旦那と義母に鉢合わせ。
何か渋い顔してて、聞くと、私の角煮がコトメ作ってことで出回ってるらしい。
旦那は私が角煮持ってきてるの知ってたので
「これ嫁子のだろ？」
と指摘したら
「えー？嫁子さんも角煮作って来たの？じゃあ、食べ比べしよう！」
ですって。
彼氏の前で見え張りたかったのか？
義母も、コトメが角煮作れないと思ってて、義兄夫婦も同じ考えっぽい。
コトメの話を信じてるのは、コトメ彼氏、義父、大トメ。
「こんなものが作れるなんて、コトメちゃん、いい奥さんになるね！すごい！」
と誉めそやしているらしい
コトメ彼氏もいる手前、事を荒立てたくなかったが、このままだと、私は「義父のお祝いに料理持ってこなかったダメ嫁」とコトメにｐｇｒされるのは明白。
嘘をついて、嫁子を下げようとしてるコトメの体裁を気にするのは筋が通らないから、ガッツリやっちゃってと、義母からゴーサインを頂いたので、リビングに突入。
(義母が「言うからね」と言ってくれたのを、私が言いたい、と立候補しました)
「コトメちゃん、圧力鍋って持ってる？」
考える隙を与えないように、リビングに入るなり私が聞くと
「えー？無いよ？」
とコトメが正直に答えた。
私「圧力鍋無しで、角煮、どうやって作ったの？」
コトメ「え…。に、煮て？」
私「どれくらい煮込んだの？」
コトメ「えーっと…1時間くらい？」
義兄嫁(空気呼んで参戦)「え!?たったの1時間で、どうすればここまで柔らかくなるの？」
コトメ「…関係ないでしょっ！(逆切れ)」
席を立とうとしたので、、私がコトメの腕をがっと掴んで、
私「この角煮、圧力鍋使って下湯で30分、味付けして30分煮ないと作れないんだけど。
ねえ、どうやって作ったの？」
と凄んでみせた。
義父、コトメ彼氏、大トメ、察して完全に沈黙。
目の泳ぐコトメ。
義母を見て、泣きそうになりながら
「おかあさぁん…」
と言うも
「本当、どうやって作ったのかしら？私も知りたいわ」
と義母。
ようやくコトメの口から
「ごめんなさい…」
の言葉が出た。
それからは平和です。
義父の祝いの場を壊しちゃったのがDQN。
あと意地悪い言い回ししたのもDQNかと。
圧力鍋無しで1時間で角煮作る方法もあったかもしれない。
そしたら話合わせて教えてもらおうと思ってた。
コトメの彼氏が婚約者になるそう。
とてもよくできた人＆コトメがベタ惚れで、コトメを叱れる人のようです。
(義家族もそれなりの躾をなさってるんですけど)
「コトメちゃんはコトメちゃんのいいところがあって、俺はそこが好きで結婚するんだよ。
何でも完璧な人間なんていないんだから、コトメちゃんは自分の得意なところを伸ばせばいいんだよ。
自分の不得意なところを自覚できる人って素敵だと思うな。
俺にも不得意なことがあるし、お互い頼りあって、助け合おうね」
というような論調で、菩薩のような人だと思います。
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