3年くらい前の話
俺には仲の良いSという中学時代からの友人(女 当時25歳 気弱)がいる。
そんなSから、財産の分与について相談があった。
というのも先日父が亡くなって
S姉、S兄、Sで貯金の財産分与は済んだのだが
(詳しくは割愛するがSが非常に損をしていた)
Sの父親が持っていた骨董品などの現金化をしたいという相談だった
(自分は古物商だった為)
そういう訳で、S家へお邪魔させて頂いた。
S姉は会ってそうそう
「Sが連れて来たし、まだまだ若いよね?買い叩く気じゃないでしょうね?」
みたいな事を言ってきたので
「見積もりお出ししますので、もし提示した金額に納得がいかなければ
別の場所で売って頂ければと思います。」
と伝えといた。
S兄はS兄で、
「高い奴は全部俺のなww」
みたいな事を言ってた。
なるほど。
こんな感じで現金の分与させられたのか。
とSを不憫に思いつつ
骨董品等の遺品が置いてある部屋へ。
部屋に入って正直驚いた
贋作等も結構あったし、100円ショップで買ったのか?と思うような物もあったのだが
安く見積もっても50万円前後の値が付く茶器がいくつかあったり
一番驚いたのは200万円前後の値が付く茶器がゴミのようにおいてあった事だった。
もうこんな事をしている時点で、こいつら相場とか調べてないなっていうのがわかったので
高く売れて5千円くらいの物に対して「おっ・・」とか
贋作を見て「えっ・・?」とか驚愕したりしてたら案の定、S姉、兄が食いついて
「いくらで売れるの?」コール
俺は
「本物かどうか鑑定中なのでもう少し待ってください」
みたいな事を言って
もったいつけ、高いものは安物と一緒に同じ場所に固め、贋作など(計10点)
はひとつひとつ大事そうに扱って避けていった。
で、その贋作10点(売れても計20万円くらい?)についてこう言った。
「お父様はすごい(高いとは言ってない)骨董を残しておりました。
是非、これ全部で100万で買い取らせてくれませんか?」
思った以上の金額だったのか
S姉と兄は有頂天ww
「もっと出せるでしょ?他のところに売るわよ?」
みたいに調子に乗り出した。
勿論計画通りである。
Sもすごく驚いてた
当然買うつもりなんて無いので
「すみません。うちみたいな弱小店にはこれ以上はちょっと・・」
と言うと、
「じゃあ別のとこに売るわ!」
といって
S姉と兄は喜び勇んで骨董を運び出すと、車に乗せて出掛けていった
出て行く前に
「残った骨董はどうしますか?」
と聞き
「そんなもんSにくれてやる」
と言ったのをしっかりボイスレコーダーで録音しといた
結局財産を得られなかったからかSはショボーンとしてた
ショボーンとしてるSを見てゾクゾクしたのは内緒
あえて最初は金額には触れず話そうと思い
「じゃあS、これ精算する?」
と聞くと
「ううん。今日は来てくれてありがとう。自分で処分しとくよ」
と笑顔で言われた。
当然ゴミだと思ってたのだろうwww
もう笑いをこらえきれず
「全部で500万くらいにはなるよwwwwそれwwww
ついでに言うと、兄と姉が持ってったのは全部贋作って言って偽者wwww」
って言うと、訳がわからずといった顔でポカーンとしてた。
「面倒なことになる前に全部売り払いに行こうか。俺がついてれば買い叩かれる事も無いww」
結局Sに450万円以上の現金が入った
ちなみにその後、聞いた話では
S兄、姉は持っていった買取り屋に吹っかけたが
当然提示の金額で買ってくれるわけも無く
逆に買い叩かれ、二束三文で売りさばいたそうだ
Sに変な疑いがかかると面倒なことになると思ったので、絶対売れないような骨董とかをこれ見よがしにビニール袋に詰めて
他の骨董はどうしたか聞かれたらそれを指差すように指示しといた
Sからは非常に感謝され、半分以上俺に渡そうとしてきたが
俺はカッコつけて
「高校のときよく、パンくれたじゃん?そのお礼だよww」
と言っといた
今ではSも一児の母親で、とても明るくなったと思う
Sと結婚できて俺は幸せだ
なんて事は無く、Sは同じ会社のイケメンと結婚し
俺は少ない給料でキャバに行き、今日も女の子達に貢ぐのであった
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