二十代の頃。
めったに休みのないブラックな業種についていた俺は、たまの休みには彼女と電車でぶらり旅をしていた。
俺はぼけーと外の景色を眺めてたんだが、彼女がぺしぺしと俺を叩き。
あれあれと指差す先に、少し嫌そうな表情のスーツのお姉さん。
そして、そのケツに不自然に手を当てるおっさん。
痴漢だった。
彼女の視線が俺にいけいけと語っていたので、俺は仕方なく席を立ち、その二人に、ゆっくりさりげなく近づいた。
そんで、おっさんのケツをそっと撫でた。
偶然を装ってさらりと。
ついでちょんちょんと様子を窺いつつ。
すーっと線を引くように。
触れるか触れないかを楽しむ。
最初、気付かなかったおっさんは、ちょんちょんの段階でびっくりしたように此方を向く。
俺の視線は明後日の方向。
おっさんが視線を離してから再開。
そっと手を当てると、おっさんはぴくりと反応した。
気付いたのだろう。
俺は少しだけ大胆に、手の甲を当てる。
気付けば、おっさんの手はお姉さんから離れていた。
少しだけ盛り上がっていた股間はすっかり萎れていた。
俯くおっさんの尻を少しだけ揉みあげてみる。
ぴくりと反応。
怖いのだろう、顔が引き攣っている。
もうすぐ停車と言う所で、おっさんの耳元に囁いた。
「一緒に降りるかい?」
停車した駅で、おっさんは走るように慌てて出ていった。
途中から俺の痴漢行為を見ていたお姉さんには苦笑いで礼を言われた。
終始ぷるぷると笑いを堪えていた彼女からは
「追いかけなくてよかったのかい?」
とニヒルな顔で言われた。
そんな俺の過去が本日彼女により両親に晒された。
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