小学校一年生の夏休みに母の実家がある四国の田舎に遊びに行った。
地元の子供たちと友達になって、野山を駆け回って遊んでいたが
虫捕りに山の中に入って行って友達とはぐれてしまい、山の形でなんとなく方向は分かったから
足元に気を付けながらゆっくり降りていった先に首吊りを見つけた。
最初は何だろうと思いながら近づいていくと
変な言い方だけど、まだ死んでないみたいでピクピクしてたのは頭に焼き付いて覚えてる。
だから早く誰か呼んでこないと!ってそれだけ思って
急いで降りたかったけど、なんせ山の斜面を歩くなんて慣れてないし
こけそうだったから、やっぱり慎重に降りて行った。
気持ちだけは焦ってた。
どれぐらい時間か経ってたのかは分からない。
とにかく道路に出てからダッシュで一番最初に見つけた家に駆けこんで
女の人が首吊ってる!まだ動いてるから早く助けてあげて!!って訴えた。
それから警察が来て村中の人が集まって大騒ぎ。
林の中からタンカに載せられてビニールに包まれた人が出て来たから
ああ、死んじゃったんだ、もっと早かったら助かったのにって思うと
自分が殺しちゃったような気になってわーわー泣いた。
それから一応第一発見者ってことで、おばあちゃんとおじいちゃんに付き添われながら
警察の人に色々聞かれたけど上に書いたようなことしか答えられなかった。
次の日に、仕事があるので自宅に帰っていた母が連絡を受けて駆けつけたんだけど
その時に母が紺色のストライプの大きなトートバッグを持ってて
それを見た時にフラッシュバックのように突然思い出したことがあった。
山を下りてくる時に、その前方に首吊りを見つけたとき
その更に向うに水色のストライプのシャツを着た人が下りていくのが見えたんだった。
それを母に話したら、そっからまた警察がきて色々聞かれて
まぁ聞かれたところで下りていく後姿が見えただけだから男か女かもわからない。
でもたぶん元々不審なところがあったんだろう。
そのあと自殺にみせかけた他殺ということで犯人が捕まったらしい。
当時は子供だったから詳しいことまで聞かせて貰えなかったけど
大人になってから聞いたのは、妊娠して結婚をせまられて頃しちゃったらしい。
殺されちゃった女性の方が村の娘で、不倫の末というありきたり?な事件。
子供過ぎたせいか、怖いとかなんとかより凄い体験をしたということで興奮しちゃって
2学期が始まって図工の時間に「夏休みの思い出」を描けって言われたから
首吊りの絵を描いたら先生に
「私ちゃん、これはやめようね^^」
って却下されたのは思い出のオマケ。
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先日実家の事業が破産して、実家の差し押さえに伴う整理で久しぶりに家族が集まった時に、ふとその事を思いだして「そういや幼稚園の時にあそこの駅でこんな事あったよなぁ」って話したら、一緒に見てた姉が「いや、それ違うよ。自分たちが見たのはタンカにシーツをかぶせて運ばれてた人」で「シーツから手だけがはみ出して、だらーんとぶらぶら揺れてた」って状況だったらしい。子供なりの防衛本能が記憶を書き替えたのかねぇ
同じことをして、理不尽に怒られた奴もいる。
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