会社の寮で嫌な先輩を懲らしめた話。
以前の会社が新入社員は一年目が寮生活だった。
やはりそういう所なので「御山の大将」「ジャイアン」状態の先輩がいた。
寮は一年目は補助金で寮費が格段に安く、2・3年目で寮の補助金の割合が減っていき、4年目で補助金打ち切り、その頃は周辺のアパートの方が安くなるシステム。
そういう所に8年もいるって事はよほど居心地が良いんでしょうね。
でも寮生とすれば
「あんな先輩と付き合いたくない」
とどんどん自分でアパート探して寮から逃げて行ってた。
ある日、
「お前***って車買うのか、センスねぇなやめろ!###にしろ」
と言ってきた。
その車は社会人になったら買おうとしていた車、新車は売ってなかったので中古で探し、安い買い物ではなかったのでネットで調べては実物を確認し、その評価を日記にまとめはじめた頃だった。
俺は同僚や先輩にその車を買う事は一言も言ってない。
会社では誰も知らないはずだ。
っとなるとこの日記を先輩が読んでる、と思い始めた。
もちろん各部屋の鍵は自分で管理していて原則他人が入る事はないのだが、以前から同僚の部屋のタバコや雑誌・お菓子や小物がなくなってる事があり、皆先輩が怪しいと思っていた所だった。
そして部屋に壁掛け時計にカメラを仕込んでみたら、皆が勤務中と思われる時間に先輩が部屋に入ってきて冷蔵庫や本棚等あちこち探り、その中にあの日記も!
そして日記を見て失笑する先輩の姿が映し出されていた。
案の定その日の夜、
「まだ***さがしてるのかwやめろよw」
と言い始め、
「何故知ってるんです?」
と聞くと
「おめぇの目を見りゃわかるんだよ」
と言われた。
日記の事を口に出そうと思ったけど、ちょっと懲らしめてやることにした。
そして数日後、勤務中に先輩からの電話。
「今すぐ寮に来い」
と言うので、総務課の方に連絡して事情を説明して一緒に寮に向かった。
寮には先輩はおらずカメラを回収、そして総務課の人と共にその場でカメラの映像を見た。
そこには部屋に入って物色し日記に手を出す先輩の姿、しかし読み始めて少ししたら日記を放り投げて部屋から逃げて行き、俺が部屋に戻ってカメラを回収する所までが写ってた。
日記には普通の内容の後に
「ところで先輩、その姿カメラに写ってますよ、気が付きました?」
と書いておいた。
それを見て先輩は俺を呼び出したのだろうけど、総務課の人と一緒なのを見て逃げたようだった。
しかし靴が残っている事から寮からは出ていない様子。
あちこち探しトイレに隠れている先輩が総務の人に見つかった。
〇鍵は寮母さんから借りていた。
〇日帰り出張と称して寮に戻ってカラ出張中。
〇一連のコソ泥は全て先輩が犯人。
〇鍵を貸したのは寮母も食費をくすねてる事を先輩から脅されていたから。
その後、寮母はクビ。
うわさが会社中に広まった先輩は会社にも寮にも居場所が無くなり、自分から辞めてしまった。
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