すごく間抜けな修羅場。
夫婦で地方から東京へ旅行に来て2日目、ピンヒールで歩き過ぎて、足がパンパンで痛いのなんの。
ヨチヨチ足で引きずるように一旦宿に戻った後、旦那が所用で一時間程別行動を取ることになった。
そこで、その間どこかで足のマッサージでも受けてれば?良さそうだったら後で俺も行くしという旦那からの提案が。
またヨチヨチ足で外に出て、一番近くにあったマッサージ店の様子をガラス戸越しにうかがっていたら、中から小さい子供がニコニコしながらガラス戸を開けてきて、否応なしに入店する羽目に。
奥から
「イラシャイマセー」
とお店の人が出てきて、あ、日本人じゃなかったか…とやや戸惑いながら靴を脱ぎ、足コース30分を依頼。
荷物を籠に入れ、足湯を少ししてもらい、身体にタオルケットと顔にタオルをかけてもらって施術スタート。
これ客私1人だし、こういうときに私みたいな田舎者が寝てる隙に現金抜かれちゃったりしちゃうんだろーなー。
やだなー、気になるから財布だけでも身につけておけば良かったなー。
等と今一つリラックスできない状態で足を揉まれに揉まれていた。
揉まれている最中、お店の奥の方から子供の声と、もう一人誰か大人の声がひそひそ何やら話している声が聞こえるけど、日本語じゃないから何言ってるか皆目わからない。
何言ってるかわからないひそひそ話って不安になる。
そうしているうちに、枕元のカーテンが少し捲れる気配がして、少しすると表のドアが開いて誰か外に出て行く音が。
しばらくするとまたドアが開いて誰か帰ってきたみたい。
そしてまたひそひそ話声。
落ち着かないまま時間が来てしまい、
「オチャドゾー」
とお茶を出してもらい、気になっていた荷物を開けると財布がないんだなこれが。
さあどうするどうするカーテンの気配と誰か外に出て行った音からやっぱり抜かれたか
しかし財布ごと抜かれちゃ困るよ現金だけだったら勉強代だと思って諦めるけどカードも入ってるし止めるのめんどうだし
あの財布お気に入りなんだいやホテルに忘れてきただけかも知れないしと色んなことが頭をめぐり心臓バクバク。
お店の人にとりあえず女一人と思われたらいけないと思い
「財布がない。ホテルに忘れてきたと思うので主人に持って来てもらっていいか。」
という旨を伝えたら
「マタナクテモ、アトデモッテクレバイイヨ。」
とやけにあっさり言う。
おいおい、そんなこと言って客にトンズラされたらどーすんだ。
やっぱり財布抜いた余裕からか。
追い出して店閉めるつもりか。
てかさっきから入口で見張っている男は何者だ。
旦那に電話して金を持ってくるように伝え、その上でメールで財布を抜かれたかもしれないからホテルに戻って財布がないか確認してから来るように伝えた。
待っている間
「ホントニイツデモイイヨー、マタデイイヨー。」と言ってくるのを
旅行に来ているのでまたの機会が中々ないと説明しながら
これは警察に言っても泣き寝入りかなー。
まいったなー。
とこれからの対策を考えているうちに旦那が来た。
財布はホテルにありました。
来たついでに旦那も施術を受けたいというので
座って待ちながらわかった。
カーテンを開ける気配は子供がいたずらに捲っていたこと。
ひそひそ話は子供にじっとするよう言い聞かせる声だったこと。
出入りの音は子供の退屈しのぎにコンビニへお菓子を買いに行っていた音だったこと。
外で見張っていたのは旦那らしき人を探していたためだったこと。
この人達はただの善良な人達だったこと。
待っている間、疑った自分が恥ずかしくて申し訳なくて目から汗が出て困った。
知らない土地で一人、知らない言葉、そして見えない状況で変な方向に妄想が膨らんでしまった。
本当に申し訳なくて今思い出しても心臓バクバクする。
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いい人ばかりだと思わないことだ。
※1 はげ〜ん(笑)
マッサージ店の看板ってなんで女が受けてる写真ばっかなんだ?って連れに言ったら、野郎じゃダメだろう…ってさ。妙に納得したよ。そんなオレはもちろんノンケだ。
相手に疑ってることを通達するのは悪いことだと思う。
今回はウソであれ「料金を支払わないまま店を出るという迷惑をかけるわけにはいかない」
という建前を通してたわけだから、問題はない。


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