俺の嫁さんは古いものが好きだけど、新たに物を増やす時は持っていたものをちゃんと手放す。
ある日、働き盛りの父親がポックリなくなってしまい隠し財産を弁護士が持ってきた。
土地と金を親戚だけで分けるとキレイに分割できるが、俺たちもとなると難しかった・・・。
俺と周囲が嫁の顔色をうかがうと、
「嫁いだばかりのものが出しゃばるなんて出来ませんわ。
ただ、いつでも優しいお義父さんを思い出せるように、あの花瓶を下さいな・・・。
それからお恥ずかしいのですが、うちには来客用の湯飲みもなくて。
あの箱に入ったままの湯飲みセットを頂けないでしょうか。」
ホコリだらけのペン立てと化したままの花瓶と、汚い箱に入った湯飲みセットを指差した。
弁護士は目録を作って、「きっちり分けました」という書類を作成。
みんなでサインして万事解決のはずが・・・親戚に詐欺だと訴えられた。
嫁が持っていった花瓶は800万、湯飲みセットは50万はするもの名品だった!!
俺が悪者になってるけど・・・やっぱりちゃんと聞かなかった俺が悪いのかな。
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