ウチは所謂老舗と呼ばれる料亭。
お母さんは地元の有力者の2号さん。
お父さんは度々ウチに来たけれど、正妻やその子どもには1度もあったことはなかった。
正妻はウチの存在を知っていたけど、まあそう言う時代と言うこともあり黙認していたらしい。
大学生の頃に、当時付き合っていた彼氏の実家に招待され、その両親と食事することになった。
彼のお父さんは私のお父さんだった。
彼と私は異母兄妹だった。
お父さんと彼のお母さんと私は困惑。
結婚前提でのお付き合いをしていたこともあり、彼は大号泣。
当然、婚約は破綻。
その後、彼がストーカーになってイタズラしてきたり、それをウチのお母さんが薙刀で撃退したり、お父さんが彼を出家させたり色々あった。
驚いたのは事あるごとの彼のお母さんのウチへの対応だった。
異母兄妹だと判明した時は
「こちらの配慮が足らなかった。申し訳ありません」
と頭を下げられ
ストーカーされた時は慰謝料を持ってきたりと妾の子だと言うのに
何か知らないけど大事にされた。
彼のお母さん曰く、女の子も欲しかったけど出来なかったから。らしい。
今では私にとっては第二のお母さんのような人。
お父さんの葬式の時も、ウチのお母さん、私、私の子どもの出席を許してくれた。
それも親族席を与えられた。
その後も色々と目をかけてもらい、今も私は順風満帆な生活を送っている
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