祖母が腰を痛めて入院。
その間、義父が我が家に来た。
義父は女子大の元教授で、かなりの昔気質。
そして昔ながらのインテリのイメージ通り、漫画を全く受け付けない人だった。
趣味は人それぞれって理解しているから口には出さないけど、俺が漫画を読んでいると苦々しそうに見てきていたね。
そんなある日のこと。
リビングにあった、息子が俺の本棚から取っていった1〜5冊の漫画。
なぜか第一巻が抜かれている!
ピンと来たね。
「犯人は義父だ」ってw
前日、俺がその漫画の話を息子としていて、義父が珍しくツッコミをたくさん入れていたんだ。
自衛隊の護衛艦が、WW?時代にタイムスリップするっていう内容の漫画なんだけど、義父が歴史モノ大好き人間だったからね。(分野は理系だったけど)
そーっと客間を覗いてみたら案の定、義父が漫画相手に苦戦していた。
漫画を手にした事ないものだから、首をかしげながらも長い時間かけてゆっくりページをめくっている。
何とも見てて歯痒くて、読み方のコツを教えたい! って思ったけど、こっそり漫画を読んでるんだし邪魔するのも無粋だろ?
だから、心のなかで「がんばれ・・・がんばれ・・・」って応援した。
でも頭が良い人だから、次に覗いた時には読み方マスターして軽快に読んでいた
背筋を真っすぐ伸ばして正座、老眼鏡かけてしかめ面で読んでいると、まるで経本を読んでいるみたいで妙に面白かった。
気付くと、一巻戻されて次の巻が抜かれ、そしてまた次が入れ替わって、と続き、とうとう5巻読み終わった。
その日の晩、義父の通常運転でしかめ面しながらも息子をチラチラと見ていて「あ、漫画の話をしたいんだろうなー」ってニヤニヤした。
そしてまた次の日、息子には悪いけど、漫画を回収して5〜10巻をリビングに持っていき、俺は5巻をコタツの中で読んでみた。
漫画読んでいる事をカミングアウトするかなーと思ったけど、早かった。
失敗したね。
「大黒柱がなまっちょろい物を読むんじゃない」
と怒られた。
けど、上記したように口に出して叱るのはこれまでなかった。
だから謝りつつ6〜10巻のみ置きっぱなしで自室に退散。
その後、覗いてみたら・・・読んでたwww
そして現在、家にある40巻すべてをこっそり読破。
だけど完結まで残り3冊を俺は持っていない。
一昨日、息子に話すつもりで
「あの漫画、完結しているんだっけ」
「してるみたいだね。お父さん持ってないの?」
という話をしたら、
昨日、義父が
「暇だから小説を買ってきてくれないか。君も好きなの買っていい」
と一万くれた。
ツンデレ義父、尊敬してますが面白いです。
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