数年前、新しくパートで入った会社。
就業規則はそこそこ細かいのにタイムカードがない。
そして絶対に時間内に仕事が終わらない。
毎回終業時間から20〜25分くらいの残業。
長い時で1時間近く残業。
これちゃんと残業代つくのかな…と思い、先輩にきいたら
「30分単位でつくらしいよ」
とのこと。
30分過ぎたら残業になるけど、29分未満は残業にならないらしい。
しかもその確認方法が曖昧で、上司いわく
「ちゃんと時計見てつけてるから大丈夫」
あやしい。
「でもこの前30分以上残っても残業代出てなかったよ」という証言もあり。
身内が多い職場だからユルいらしく、大して気にしてない人がほとんどみたいだったけど、私は絶対にサビ残したくないので必死でネットで色々調べた。
残業代は1分単位で計算しなければいけないこと、そして請求のためには証拠固めが必要だと知った。
とりあえず毎回終わった時間をメモして、帰り際に職場の時計を携帯で撮影した。
日付+24時間表示の時計なので、この時間に撮影された=まだ会社にいたと証明できる(多分)。
そして数ヶ月後、私は匿名で社長あてに手紙を書いた。
「ちゃんと分単位で残業代出してください。でなければこの証拠を労働基準監督署に送ります」
プリントアウトした時計の写真つき。
無視されるかもな…と思ったけど、意外なことに効果は劇的だった。
翌週にはタイムカードが導入され、パートは少しでも残業してると
「帰れ」
と言われるようになった。
残った仕事を少ない人数で片付けてる社員の人はちょっと可哀想だけど、
残業代ケチってパートを残さない会社が悪いから仕方ない。
仕事自体は辞めたくなかったので、最初の数カ月分の残業代についてはあきらめた。
請求したら脅迫状?書いたのが私だってバレるだろうし。
でもサービス残業を撲滅できたし、苦虫噛み潰した顔で
「今日からタイムカードつけてね」
と言ってきた上司の表情が面白かったので満足。
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