母親が長男教
兄の弁当は作ってくれたが、私には
「昨日の夕飯の残りがあるでしょ。あれ自分でつめなさい。女の子なんだからこれくらいやりなさい」
と一切作らなかった
また食事の用意も兄基準で、部活から帰ってくるまで夕飯はいつもおあずけ状態
「お腹すいたから食べたい」
と訴えても
「兄君が帰ってきてから!」
と取り合わなかった
そんな兄は母親が上げ膳据え膳至れり尽くせりするのが当たり前になっていて、高校まで自分でご飯もよそった事がなかった
母親がご飯を入れてテーブルに並べるまで、兄は椅子に座って準備されるのを待っているだけ
食べ終わってからも母親が片付けていたので、兄は食べ終わるとさっさと自分の部屋に戻っていくだけで
私はその様子を「親が餌を運んでくるまで待っている雛鳥」と名付けて呆れていた
ちなみに私は
「女の子なんだから手伝いなさい!」
と手伝わされおり、なんか腑に落ちなかった
ある日「同じ子供なのになんでアイツ(兄)だけ何もしなくていいの?おかしくない?」と思い
母親に
「今の時代男の子とか女の子とか関係ない!食事を用意してもらって片付けすらしないなんておかしい!」
抗議したが
「何言ってるの。兄君はやる必要がない。将来結婚したら嫁さんがやってくれるから、余計にやる必要がない」
と言われた
だが私はあきらめず
「結婚できなかったら?いい大人になっても一人でご飯も作れないし洗濯もできない人間になってもいいの?」
「大人なのに一人で何もできませんって言う人に嫁ができる訳がない」
と何度も繰り返し抗議
母親はしぶしぶ折れ、兄はとりあえず片づけはできるようになった
実家を出る数年前までは、出先の母親から
「兄君にご飯あげてね。おかずはレンジで温めてあげるのよ?」
とアホな電話がきた事もある
私は
「アホか。もう大人なんだから腹が減れば自分で食べるわ」
と呆れたが
「何言ってるの!一人でご飯食べさせちゃかわいそうでしょ!」
と逆切れされる始末
いい加減その長男教な脳みそをどうにかしたほうがいい
父は子育てには基本ノータッチで、自分の気分が向いた時だけ、遊ぶような親だった
昔あるテレビ番組で、大学生の男が「母親にやってもらってます」みたいな事を言ってるのを見て
「それはいかんなあ。もう大人なんだから一人でできるようにならないと」
と言っていたが
自身も何もしない・できないくせに何言ってるんだと思った
父もまた母が至れり尽くせりでなんでもするものだから、自分の服がタンスのどこにあるかさえ知らない
そういう親を見て育った私は、結婚に対して何の憧れも興味もわくはずもなく
親から
「彼氏は?」
「結婚は?」
「せめて子供だけでも産んでおきなさい」
と言われてもピンとこない
もう家を出たけど、時折母親から
「兄君が深夜になっても帰って来ない!」
と大騒ぎした電話がくるのだが
私が実家にいた時、私が飲んだくれて夜明けに帰ってきても心配しなかったのに
弟が深夜0時までに帰宅しないだけでこんなに大騒ぎするから、本当に長男教って脳みそ腐ってやがるなと思う
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