私の地元は田舎なもんで、ご近所さんと昔からそこそこ交流がある。
その日たまたま地元友人の結婚式のために帰省してて、お隣さん一行(嫁姑と子供)と鉢合わせした。
私が知り合いなのは姑さんで、この人が割とズケズケ言うタイプだったりする。
「しばらく見ない内に私さんスリムになったんじゃない〜?え?変わってない?小さいときもっと丸かったわよねえ」
「結婚式?自分のじゃないのよね?」
みたいなちょっと気に障るラインの話題を振ってくる人。
まあ、昔からそんな感じだし田舎でアラサー未婚はこの手の話当たり前なのでこれは別にいい。
笑って流してたとき、そんな会話に興味もなく早く帰りたいだろう孫君(5歳)がグズリ出した。
といっても、握ってるお母さん(嫁)の手をブンブン揺らしたり体の回りをグルグルする、よくある幼児の甘えん坊行動ね。
「お、かあ↑さあ〜↓↓ん」って不満気な声に微笑ましく思いつつこっちも(結構長く引き留めちゃったしなぁ)と話を切り上げようとした。
んだけど。
姑「んま〜、この子はもう、本当、嫁さんに似て落ち着きがないから困っちゃうわ!
元気が良すぎるのも困り者で心配なのよぉ聞いてくれる〜?」
と、私の方に更なる話題を振ってきた。
今思えば完全に孫の将来の心配<<<嫁イビリな言動なんだけど、その時の私は姑さんが言った「元気が良すぎる」の言葉にポン、と思い出したことがあってそのまんま口に出してた。
姑「この間もね…
私「ああ、大丈夫ですよ、夫さんも今や立派な大黒柱じゃないですか!」
姑「え?」
私「そっか〜、孫君は5歳?もうちょっと大きくなったら私の記憶にあるお父さんになるんだね〜、顔立ちもそっくりだ」
嫁「…夫と仲が良かったんですか?」
そこでこれまで困ったような顔でおとなしくしてたお嫁さんが子供をなでなでなだめつつ聞いてきた。
私「いやあ、4歳離れてるしあの頃の夫さん本当にやんちゃ坊主って感じで。
ちょうど私がこの孫君くらいの時なんて蛇つかまえて振り回す夫さんから泣いて逃げ回ってましたね〜」
嫁「へえ、そんなことが」
私「あ、近頃はこの辺も蛇がいなくなったってみんな言ってましたし、
毒のあるのも早々いないから孫君は大丈夫ですよ」
姑「…そ、そうね、」
そのあと元々おしゃべりな性分だったので、夫さんが蛙をロケット花火で飛ばして遊んでいた話や走っている車に雪玉をぶつけては逃げる遊びをしてた(※地元は雪国)ことを続けざまに話して
懐かしいなあ子供って凄まじいことしますよねえなんて言ってたら、いよいよ孫君が帰りたいモードになって、慌てて話すのをやめて謝って別れたんだよね。
その後は何事もなく結婚式に出てまた現住所に帰って日常を過ごしてたんだけど、先日同窓会でまた実家に帰って驚いた。
うちの母と近所のお嫁さん(&孫君)が仲良くなってて、家でお茶してた。
曰く、
嫁「私さんのお母さんには夫の小さい頃の話をたくさん教えてもらったし
畑の作物のお裾分けも頂けて本当にありがたいです」
母「私も懐かしい話ができて嬉しいわ〜。孫君も可愛いし。
あ、畑のは獲れ過ぎて困ってる分だから気にしないで」
とのこと。
後に母から詳しく聞くと、姑さんは普段から孫君がちょっと騒ぐと「嫁子に似て云々〜」と言って来てたんだって。
セットで「うちの息子ちゃん(=夫さん)は小さいときから優秀で〜」とも言ってたらしく、加えて事実、夫さんは今はもう真面目でしっかりした人だったため上手く言い返せず悔しい思いをしていたのだとか。
私から夫さんのやんちゃ話を聞いてから、姑の話との矛盾を確認すべく母に夫さんのことを聞いてきたらしい。
で、聞けば聞くほど夫さんの悪ガキっぷりが明らかになって大笑いしてたそうだ。
孫君は年相応に元気なだけでなにか問題起こすわけでもなくて、姑さんの「嫁子に似て〜」はいい意味で間違ってなかった訳だからね。
母「今の孫君はアタシがここに嫁に来たころの夫君とそっくりよ。外見だけね。孫君の方がずっと落ち着きがあるわ」母「夫君なんて近所の家の鉢植え全部BB弾の的にしていくつか割っちゃったり、
干してる洗濯物に水鉄砲してたこともあったねぇ」
母「あの家は大姑さんも大舅さんも厳しい人たちだったから姑さんだって色々言われたろうにね」
母「夫君が何か仕出かす度に頭下げて回って苦労したこと、二十数年もすると忘れちゃうのかなあ」
それからあのお嫁さんはしっかり姑さんに言い返せるようになったし姑さん自身も嫌みな言動が減ったんだとも話してたらしい。
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