俺の修羅場は3つある
一つは前にここに書いたことなんだけど、母の心臓が止まって心肺蘇生したこと
それと父が転んで脳震盪起こしたこと
最後は俺の左腕がなくなった(と勘違いした)こと
父の脳震盪から書いていく
高校2年の時に母が倒れて割と数日後のことだった
元気な両親ももう60手前で、大病でもしたらコロッと死ぬかもしれないことを初めて自覚した
部屋でくつろいでいると、下の部屋から
「ドッスーン!」
とすごい音が聞こえた
その瞬間は
「ああなんか棚の上のものでも落としたかな?」
とのんきに考えてた
で、
「誰かな?お母さん台所だし、お父さんかな?そういや俺の部屋の下脱衣所」
と頭に浮かんだ時に、母のすんごい焦った声で
「お父さん!!お父さん!!」
ってのが聞こえた
もう脱衣所・お父さん・転んだ・お母さん焦るほどヤバいってのが揃った瞬間
「あ、お父さん死んだ」
と思った
この間母に心肺蘇生したあと、もう一回応急措置や心肺蘇生の勉強したから大丈夫だ!という自信と共に部屋を駆け出した。
そして階段で最上段から盛大に転んだ
転んだ瞬間は本当にスローモーションで、落ちながら足を2回付き、勢いを殺せず階段の上の方から飛んだ
飛んでる最中両手を横に広げて、手すりとか壁とかに触れたためか床に頭から飛び込むんじゃなくて、途中から転げ落ちるようになったのを覚えてる
バカみたいに痛かったけど「お父さん死んじゃう!」って必死に脱衣所まで跳ねた
たぶんここが母の修羅場ね
夫はなんか知らんが倒れて意識朦朧だし、息子はすごい音を立てて階段から落ちるしで
で父は目は開いてるんだけど焦点は合わないし、小刻みに痙攣してるしで死んじゃうかと思った
その後揺すらないように声かけたりしたら割とすぐ意識も戻って、病院に行ったけど異常はなかったよ。
そこは安心した
単に滑って転んだだけで、卒中とかじゃなかった
ちなみにこの日一番デカい怪我したのは俺
夏場で裸足と短いズボンだったので、両足すり傷だらけ
左手が親指を引っ掛けて捻挫みたいになった上手首も痛めた
なんか父の脳震盪というより俺が階段から落ちただけの話だ
で俺の左腕がなくなった(と勘違いした)話をする
時期は詳しく覚えてないんだけども、中学生か高校生の時、夢で化け物に左腕を引きちぎられる夢を見ていつもより早く起きた朝のこと
俺はいつも起きあがるとき、左手で上体を起こしながら右手を伸ばしてメガネと携帯取って弄るんだけど、なぜか起き上がれなかった
どんなに左手に力をいれても布団に肘をつくことはおろか、動かすことも出来なかった
ビックリして右手を左肩や脇腹の近くに「メガネメガネ・・・」って探す感じで伸ばしても掠りもしなかった
この時は夢のこともあったし、寝起きだったから腕が本当になくなったと勘違いしてパニックになった
仰向けのまま左上の方をみると、ちゃんと左腕は肩についてて
「あった!左腕あった!俺の左腕ちゃんとくっついてる!」
とか口走ってた。
思い返すと本当に焦ってたんだなって思う
だけどそれならどうして腕が動かないんだって怖くなった。
腕切り落とすのかなって頭によぎった
右手で左腕を触っても、左腕にはなんも感じるものはないしなんか冷たいし、布団に座って上半身起こしたらただ肩にゴムの塊がぶら下がってるみたいで気持ち悪かった
手首を持って離すとプラ〜ンってするだけでちっとも動かない。
肘とか持っても手首や指先が重力だけに従って、自分の意志が通じない異物感がすごかった
だけど、強く握ると微かに握られていることが分かったから、必死にさすったりして温めた
すると少しずつ血の気が通ってきて一安心した・・・のだが強烈な痺れがきて、さっきまでとは180°違う「切り落としたい!今すぐこの左腕を切り落としてぐあああああ!!」となった
痺れも引いてしばらくしたら、動かせるし皮膚の感覚もあるし握力も戻ったし、特に何事もなかったかみたいになった
腕なくなって俺どう生きていくんだ、って考えた時は本当に怖修羅場だったよ
あとで耳にしたんだけど、サタデーナイト症候群とかハネムーン症候群っていうのがあって、腕枕するときに腕の神経が圧迫されて手が動かなくなりするらしいね
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