昔、実家の近くに花粉症の時期だけ大繁盛してる病院があり、
病院の裏手は空き地があり花粉症の時期になると
空き地は色んな地域のナンバーの車でいっぱいだった。
中学の時、登校中にその空き地に前日の雨でぬかるんで、
車のタイヤが空回りしてる他地域ナンバーの車が一台だけいた。
ちょうど降りてきた運転手(20歳ぐらいの男の人)に
「大丈夫ですか?」
と聞いたら
「後ろから車押してもらいたい」
と言われ、押したけどビクともせず
近くに放置された看板があったからタイヤの下に敷いて
何度かチャレンジしたら車は抜け出したけど、私の靴は泥だらけになった。
お礼を言われて
「家まで送るから靴を履き替えよう。その後学校まで送る」
と言われたけど足首まで泥だらけだし、二十歳ぐらいの男の人と何話していいかも分からなかったから、断ってダッシュで家に帰った。
それから大学を出て県庁所在地に就職して1年目に、いいな〜と思ってた先輩と数人で飲みに行く機会があって、
「実家はどこ?」
と聞かれたから
「田舎ですよ、○○です」
と言ったら
「あ〜!××病院があるよね?俺、大学の時に親に頼まれて、花粉症の薬を取りに行ったら車が空き地のぬかるみにハマっちゃってさ〜」
と言われた。
「え?どうやって出れたんですか?」
って聞いたら
「中学生の女の子が車の後ろ押してくれたんだよ」
と言ったから
「看板をタイヤの下に敷きました?」
って聞いたら
「そうそう!中学生がコレ、タイヤの下に敷いてみましょう!って言ってくれて、それで出られたんだ!」
って。
「その中学生、私です!」
って言ったら、周りも大盛り上がり。
覚えてる限りの先輩の特徴(赤のナイキのパーカー、黒のハッチバック)を言ったら
「絶対俺だー!あの時はありがとう!」
って、周りの冷やかしもあり後日お礼ご飯に連れて行って貰ったのがきっかけで、付き合って先月結婚した。
平凡な人生だけど、この出会いだけはほんと衝撃的だった。
あの時の看板さんも、右足の靴さんもありがとう。
結婚式で会社の人がセーラー服と赤いパーカー着て、これを劇にしてくれ、客観的に見れて本当に面白かったです。
運転手の旦那は車内だから、あんまり汚れてないのに手伝った私が靴下まで泥だらけになって、旦那も「悪い事したな」と、ずっと覚えてたらしい。
発覚した時は先輩たちが
「それは酷いw今からでもお礼すべきw」
と囃し立ててくれて、ご飯に誘ってもらえる事になったので、本当に会社の方たちにも感謝です。
お爺ちゃん先生と看護師さん2.3人の内科で花粉症の時期以外は、お年寄りが憩いの場にしてるような病院でした。
思い出の場所だけど残念ながら、お爺ちゃんが先生が亡くなって閉院してしまいました。
花粉症の薬が液体の飲み薬だった不思議な病院でした。
「ぬかるみの女」
ググってしまったw
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