この前親戚のばあちゃんが90過ぎの大往生で亡くなった
葬式はコロナの影響もあって近い身内だけで済ませたらしい
特にこれといった関わりはなかったんだが、一度だけ子供の頃に法事で集まったとき何故か二人きりになった瞬間があった
たぶん法事に飽きてしまったのを一番手の空いてたばあちゃんが連れ出してくれたとかそういうのだと思う
前後の会話は全然覚えていないけど、
ばあちゃんが分けてくれたみかんを食べながら、
「おばあちゃんは墓まで持っていく話ってある?」
って聞いた
今思えばだいぶアレなんだが、テレビかなんかで知った「墓まで持っていく話」ってワードを
子供だったし法事だったしで使いたかったんだと思う
ばあちゃんは
「そりゃあこの歳になればその手の話のひとつやふたつあるよ」
って言ってて
聞きたい!教えて!ってせがんだら
「墓まで持っていくんだから言えないよ」
って笑われた
そのあとフッと目だけが真顔になって
「話せないんだから墓まで持っていくんだから」
って言ってて
あ、これは聞いたらダメなやつだって子供ながらに理解したのをすごく覚えてる
そっから何十年も経ったわけだけど、「穏やかで優しい人だった」と言われるあのばあちゃんの冥福を祈りつつ
あの急に光が消えた目を思い出して、何を墓まで持っていったのかがほんの少しだけ気になる
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