多分10年くらい前の出来事
場所は朝の電車内
いつも通りの満員電車でウンザリ立ってたら近くの中年のオジサンの様子がおかしい事に気付いた
すぐ隣の若い女の人をマジマジと見たりソワソワ体を揺らしたりいかにも挙動不審
なんだこの人と思いつつ見てたら、そのマジマジ見ていた女の人に
「あのー…」
と小声で話しかけた
その途端女の人はおじさんをギンッ!と睨みつけて
「やめてください!」
って
すわ痴漢かと車内騒然
怒鳴り声におじさんが驚いてる隙に続けてまだまだ叫ぶものだから周りはもう捕まえる気満々に
場所は朝の電車内
いつも通りの満員電車でウンザリ立ってたら近くの中年のオジサンの様子がおかしい事に気付いた
すぐ隣の若い女の人をマジマジと見たりソワソワ体を揺らしたりいかにも挙動不審
なんだこの人と思いつつ見てたら、そのマジマジ見ていた女の人に
「あのー…」
と小声で話しかけた
その途端女の人はおじさんをギンッ!と睨みつけて
「やめてください!」
って
すわ痴漢かと車内騒然
怒鳴り声におじさんが驚いてる隙に続けてまだまだ叫ぶものだから周りはもう捕まえる気満々に
でも俺見てたから分かってたんだけどそのおじさん指一本触れてないんよ
これで逮捕されたりしたら気の毒だと思ってその人触ったりしてないよと証言したら、おじさんもこのままじゃマズイと気付いたのかハッとした感じで言い返した
「違う!そういうんじゃなくて、肩!」
肩?
肩ってなんだ?
とおじさんが指差す女の人の肩を見たら、毛虫がチョコンと乗っかってんの
最初に周りが気付いて、一拍置いて本人が気付いて…
「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
めっちゃ虫苦手だったんだろうね
その場でグルングルン体回して腕振り回して大暴れ
虫はきもいわ叩かれて痛いわで一瞬でスペース空いたわ
女の人はそのスペース使って目一杯毛虫が居る方の腕を伸ばして、さらに服を引っ張って体から離そうとした
でも服を掴んだ指が滑ったみたいで離しちゃって、伸びた服が反動で戻って、毛虫が顔にバチンッて…
言語化できない悲鳴なんて初めて聞いたよ
その後も凄かった
パニックが頂点に達したのか恐ろしい声量で叫びながらすっ転んで電車の床をのたうち回ってた
発狂っていう言葉が本当にピッタリ
で、最終的には痴漢を疑われたおじさんが
「大丈夫!取るからね!今取るからね!動かないでね!」
となんとか説得してハンカチで毛虫捕まえてた
毛虫ってああ見えて結構抵抗するのな
ハンカチの中でグイッ!グイッ!と体ウネウネさせて暴れてた
おじさんの
「意外に力強い…」
っていう明らかに今すぐ放り出したい感満載の震えた声が印象的だった
女の人は床から立ち上がれないままだったけど一応おじさんに謝ってた
おじさんはそれに
「いいよいいよ、紛らわしかったよね、こっちこそごめんね」
って返してた
つまんだ毛虫をメチャクチャ気にして顔色悪くしながらよ
今まで俺が遭遇した中で一番性格の良い人だったんじゃないかなとたまに思う
冬が明けて道端で毛虫を見るようになると毎年思い出すわ
これで逮捕されたりしたら気の毒だと思ってその人触ったりしてないよと証言したら、おじさんもこのままじゃマズイと気付いたのかハッとした感じで言い返した
「違う!そういうんじゃなくて、肩!」
肩?
肩ってなんだ?
とおじさんが指差す女の人の肩を見たら、毛虫がチョコンと乗っかってんの
最初に周りが気付いて、一拍置いて本人が気付いて…
「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
めっちゃ虫苦手だったんだろうね
その場でグルングルン体回して腕振り回して大暴れ
虫はきもいわ叩かれて痛いわで一瞬でスペース空いたわ
女の人はそのスペース使って目一杯毛虫が居る方の腕を伸ばして、さらに服を引っ張って体から離そうとした
でも服を掴んだ指が滑ったみたいで離しちゃって、伸びた服が反動で戻って、毛虫が顔にバチンッて…
言語化できない悲鳴なんて初めて聞いたよ
その後も凄かった
パニックが頂点に達したのか恐ろしい声量で叫びながらすっ転んで電車の床をのたうち回ってた
発狂っていう言葉が本当にピッタリ
で、最終的には痴漢を疑われたおじさんが
「大丈夫!取るからね!今取るからね!動かないでね!」
となんとか説得してハンカチで毛虫捕まえてた
毛虫ってああ見えて結構抵抗するのな
ハンカチの中でグイッ!グイッ!と体ウネウネさせて暴れてた
おじさんの
「意外に力強い…」
っていう明らかに今すぐ放り出したい感満載の震えた声が印象的だった
女の人は床から立ち上がれないままだったけど一応おじさんに謝ってた
おじさんはそれに
「いいよいいよ、紛らわしかったよね、こっちこそごめんね」
って返してた
つまんだ毛虫をメチャクチャ気にして顔色悪くしながらよ
今まで俺が遭遇した中で一番性格の良い人だったんじゃないかなとたまに思う
冬が明けて道端で毛虫を見るようになると毎年思い出すわ
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