衝撃って言うのとは少し違うかも知れないけど驚いた話。
もう20年ぐらい前になるけど柴犬を飼ってた。
すごく愛想のいい、とても番犬には向かないような大人しい犬で
門扉の横にある柵からいつも首を出して、通勤通学途中の大人から子供まで頭を撫でて貰って
巻いた尻尾をフルフル振ってるような犬だった。
ある日の早朝、散歩に連れていこうと近寄ったら犬の首輪の後の部分に
矢文のように何かが括りつけられてて、ほどいてみたら1万円札!
ビックリして、これをどうしていいものかと悩んだ。
警察に届けるのが筋なんだろうけど、明らかに落とし物ではない感じだし
何か意味ありげだしと思って、その日の夜、柵に手紙を貼り付けておいた。
「昨晩うちの犬にプレゼントを下さった方へ」
って。
“プレゼント”としたのは、さすがにお金と書くのは物騒だったから。
中の手紙には
「頂いたものの意味が分からなくて困惑しています。
お返ししたいと思いますので、お声を掛けていただけませんか?
一週間以内に何もなければ警察に届けさせていただきます」
みたいな文面にしたと思う。
そしたら翌朝その手紙が無くなってて、さらに翌朝ポストに手紙が入っていた。
そこに書かれていたのは
「ここ数年苦しいことが続いたが、この子の姿を毎朝見て救われてきた。
ようやく乗り越えることが出来て、近々この地を離れることになったので
最後にお礼をしたかった。どうかこの子の為に使ってやってください」
と言うふうに書かれていた。
それで、犬の為にちゃんと使ったことが見える形にしようと思い
それまで木箱を改造した犬小屋だったのを
カッコいい犬小屋に買い替えた。
その人がそれを見てから引越ししたと思いたい。
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