後輩が上司と結婚した。
数年前、私よりも2つ年下の後輩女性Aが新卒で入社。
ハキハキしてて可愛いし、頑張り屋なのでみんなから可愛がられてた。
ただ、唯一責任者であるBとは反りがまるで合わない。
Aは色々質問したり積極性があるんだけど、Bからしてみると
「質問だなんて甘ったれてる」
という意味不明なことを言っていた。
Bはネチネチした性格でみんなからあまりよく思われてなかったので、Aはそれで凹むことなく頑張っていた。
1年くらい経った時Aは欠員の出た別エリアに異動となった。
そちらの責任者は優しいと評判の上司だったので、Aの異動1週間前なんか
「Bはウザイがあと少しの辛抱だ!」
とみんな笑いながら励ましていた。
流石のBも異動の時は
「Aさんに何か贈らなくてはね」
とお菓子の詰め合わせとボールペンを買ってきて贈り、更に飲み会も開いてやってはいた。
それでも
「君が失敗したら僕が恥をかくからやめてよ。もう関係ない君のせいで嫌な思いしたくないんだよ、わかるよね」
と説教するので、他の人が
「気持ちよく送り出せないんですか」
とキレてしまった。
その後、Aはちゃんと仕事をこなしていると異動先の責任者Cが会議に来た時話があった。
Cに誘われて昼ご飯を一緒に食べていると、
「AさんってもしかしたらBさんのこと、好きかもしれない」
と言い出した。
異動先で前の店舗の話をする時、ほぼBの話題しか出さず、
「いつもお叱りを受けるので申し訳なかった」
「ご気分を害さないようにしようとしても上手くいかず、Bさんを苛立たせた」
「機嫌がいいと笑って下さった」
みたいなことを色々話していたらしい。
「普通そんな扱い受けたら嫌じゃん?でもAさんは自分が悪いって思ってんだよねー。それってBさんが好きってことじゃん。あとなんか、話してる時のテンション?割と楽しそうに話すんだよね」
というので
「いやいやいやいやいやいや」
とずーっと否定し続けていた。
むしろ(そんなふうに自分を責めて可哀想)と思っていた。
が、先月Aが
「私、Bさんと結婚するんです。お付き合いして1年くらいなんです」
と言ってきて全員本気で絶叫した後恋バナになった。
Aは何を思ったか文通を始めていた。
最近の文通って、住所本名を開示しなくても出来るサービスがあるんだって。
それで複数人とやり取りしていたのだけれど、中でも特に達筆な男性が居て、その人とは話がすごくあったらしい。
常に文香という手紙の中に入れられるお香が入っており、花が好きだと手紙に書けば手紙にはドライフラワーをシーリングスタンプで綴じたような美しい手紙が贈られてきたりした。
数カ月して、その男性から時々情熱的な口説き文句のようなものが入ってきて、「会いたい」と言われて思い切って待ち合わせ場所にいったら居たのが上司Bでしたというオチ。
Bも驚いてしまったそうだけど、休み1日割いてくれてる部下に帰れとも言えず、ランチしたり公園で2人でおしゃべりして、そこからスタートした。
みんなで
「で!?お付き合いしてどんな感じだった!?」
「嫌味言われてない?」
と聞くと、拍子抜けするほど優しかったらしい。
嫌味などひとつも言わないし、体調崩した時は飛んできて看病してくれたりすると言われてまたびっくり。
仕事についても、結局自分の手元を離れた元部下の話だからなのか笑って聞いてくれるとのこと。
流石に部下と付き合うわけだから、Cにだけはこっそり根回しして結婚まで漕ぎ着けたらしい。
Cは社長から好かれているので、Cからその旨社長に報告し、祝ってやって欲しいと頼んだんだそうだ。
私はと言うとAと仲が良いので色々写真を見せてもらったけど、こんなに笑うんだ…というくらいBがニコニコしている画像がたくさん。
実はB、正にAと付き合い始めた頃からとても優しくなっていて、人が変わったと言われていた。
原因これかー!!とみんな納得。
それにしてもあんだけ嫌味だった上司とよく付き合えたなとみんなびっくりしている。
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