魔王「忌々しい勇者め、今日はどこまで進むつもりだ・・」

副官「あの、魔王様・・毎日水晶玉を覗きこむのは結構なのですが・・」

魔王「ん?なんだ?」

副官「なんというか、あの勇者(10)が旅に出てから物凄く楽しそうですね・・」

魔王「貴様!我は真面目に奴を監視しておるのだ!ふざけた事をぬかすな!!」

副官「ヒィ!も、申し訳ありません・・!あ、あの・・お食事のご用意ができたのですが・・」

魔王「ドアの前に置いておけ!しばらく部屋に入ってくるな!!」


副官「ハァ・・・せっかく美人なのにこれでは・・・・」

魔王「何か言ったか?」

副官「イエ!ナンデモアリマセン!」


〜会議室〜

将軍「グハハ、人間どもの軍は非力で相手にならんな」

ドゴォォォオ!!!

将軍「な、なんだこの衝撃は!!敵襲か!?各員戦闘準備・・」

副官「ああ違います。紛らわしくてごめんなさい」

将軍「何?」

副官「あれ魔王様が床殴って私を呼んでるんですよ。ちょっと行ってきます」

将軍「」

魔王「おい副官!なんだこの魔物の配置は!?」

副官「と、おっしゃいますと?」

魔王「今勇者はキアリー覚えてないんだぞ!何で毒モンスターばかり配置しとるのじゃ!」

副官「は?それを考慮しての配置なのですが・・」

魔王「卑怯!卑怯だ!魔王軍の名にドロを塗る気か!正々堂々やらんか!!!」

副官「魔王様、前に人間の軍隊に疫病ばらまいてませんでしたっけ?」

魔王「うるさい!我が駄目と言ったら駄目なんじゃ!もうちょい害が無い奴を配置しろ!!」

副官「」

魔王「む、忌々しい勇者め・・酒場で仲間を集める気か・・」

魔王「お、おい!なんで女剣士なんだ!なんだそのビギニアーマー女は!!」

魔王「胸・・デカイな・・」

チラッ

魔王「我だって胸くらい・・・」

ペタペタ

魔王「」

ガチャッ

副官「魔王様、会議の時間でございます」

魔王「胸がなんだ脳筋があああ!!どうせあれだろ!MP殆どないんだろ!!頭もカラッポなんだろおお!!!」

魔王「我なんかMP殆ど∞だからな!都市の2,3個軽く消し飛ばせるんだからなぁぁぁぁl!!!」

副官「魔王様、何で泣いてるんですか?」

副官「魔王様、国境付近を進行中の我軍が勇者によって敗退致しました」

魔王「・・・」

副官「魔王様、お怒りでしょうが・・どうか配下の者への処罰は軽く・・」

魔王「・・・おい」

副官「ハ、ハイ!」

魔王「今あの村娘、勇者の頬にキスしなかったか・・?」

副官「え?ええ、そうですね・・・」

バキバキバキバベキベキ!!

魔王「ああああああああぁぁぁぁぁぁl!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

副官「魔王様?何で第二段階になってるですか?」

魔王「勇者たる者、古来より清廉潔白、色恋沙汰とは無縁で無骨な感じでなくてはならんのだ」

副官「魔王様」

魔王「それをなんだ、最近の奴らは、恋愛?お色気?可愛さを取り入れる事に何の意味もなかろう」

副官「魔王様」

魔王「そういうのは世界を救ってからにする物だろ?しいていうなら救った時側にいた女性とだな・・」

副官「おいショタコン」

ガシッ

魔王「口の中で国一つ消し飛ばす爆発が起きたらどうなると思う?」

副官「ホガァァl!もうじわけありませんん!!おゆるじお!!!」

ポイッ

魔王「で、何だ?」

副官「は、反乱です!魔王軍の半数近くを従えて将軍が反乱を起こしました!!」

バーン!

将軍「ガハハ!魔王は腑抜けた!!もう魔王軍を率いる器ではないわ!!」

魔王「参考までに聞くが、我に成り代わって何をする気だ?」

将軍「決まっている!人間どもを根絶やしにし!魔族だけの世界にするのよ!」

魔王「良い心がけだな」

将軍「まずは手始めに勇者を八つ裂きにし骨まで食らって・・」

バスッ

将軍「?・・・・・あれ、俺の腕が・・・無い?」

バスバスバスバスバスッ!!

将軍「ギャアアアアアアアアアアアアア!!!」

魔王「どうだ?自分の四肢が一瞬で消し飛ぶ感覚は?」

将軍「貴様あああ何をしたあああ!!!」

魔王「ただのデコピンだが・・」

魔王「軍の半数と言ったな、今城の前に並んでるのがそうか」

ビガッ
ボボボボボボガガッ!!!!!

魔王「よし、一匹残らず消し飛んだな」

副官「」

副官「反乱も収まりましたな。魔王様、将軍まだ生きているようですが・・」

魔王「そうだなぁ・・こいつ勇者と戦わせたらいい勝負になるんじゃないか?経験値的に」

副官「あの、四肢がもげて瀕死に見えるんですけど・・」

魔王「ハンデだ、魔王軍の将たるものこの程度苦でもあるまい」

魔王「勝ったら全て許す、行け!ゴー!」

将軍「」

魔王「おお!勇者一気にレベルが10も上がったぞ!凄い強さだ!!」

副官「いや、突然降ってきた瀕死男が勝手に死んだように見えたんですけど・・ホイミかけてましたよね勇者」

魔王「これは気合を入れて魔物を配置せんとな!おい副官!」

副官「ハハ!」

魔王「我軍の魔物のステータスと経験値表を用意しろ」

副官「ハ!かしこまりましハイ?」

魔王「順調に強くなっているようだな・・うん」

副官「あの、どうせなら強いのぶつけて倒したほうが楽なんじゃ・・・」

魔王「卑怯者!卑怯者がいるぞ!!そんなの魔王軍としての威厳に関わるだろ!」

副官「以前攻めてきた国を30倍の戦力で潰しませんでしたっけ?」

魔王「そんな事は問題ではないのだ。今の問題は・・」

チラッ

魔王「クソッ!何でパーティーメンバーが女ばっかりなのだ・・」

魔王「女剣士、女僧侶、女武道家、女魔法使い・・・男勇者」

副官「羨ましい限りでs」

ボキャッ

副官「グェア!」

魔王「おい副官!いい作戦が浮かんだぞ!!」

副官「と、おっしゃいますと?」

魔王「急に強敵が現れ勇者のみ分断、残されたパーティーは全員致命傷を負い
    ギリギリの所で勇者と合流、強敵の攻撃が勇者を襲い仲間たちが全員で
    盾となりそのスキに勇者が敵を撃退、仲間たちは勇者のせいではないと
    言い残し氏亡、それまで取得した経験値が全て勇者に還元され再度一人
    での旅を始めるのであった作戦だ!!!」

副官「あなたって地味に陰険ですよね」

魔王「うるさい!さっさと支度に移れ!!!」

副官「ハァ・・・」

副官「ちなみに強敵はどの魔物を用意致しましょうか。ドラゴン辺りが妥当かと思うのですが・・」

魔王「我がやる」

副官「え?」

魔王「こんな大役他の者に任せられんからな。しばし留守を頼むぞ」

副官「え?あ、はい・・・」

魔王「ちょっと戦支度をする、しばらく部屋に入るな」

副官「ハァ・・全く、まぁ勇者パーティーに大打撃を与えられるならいいか・・・」

ガチャッ

魔王「またせたな」

キラァァァァアア!!

副官「うわ眩し!!ま、魔王様!!何でドレス着て全身宝石だらけなんですか!!」

副官「あと何で髪の毛がソフトクリームみたいに盛り上がってるんですか・・」

魔王「ふん!無知な奴め!これが人間界で今ナウイとされている格好なのだ!!」

バサッ

副官「何か落ちましたよ・・ん?ageha?何ですかこの雑誌は・・」

魔王「あ!コラ!そ、それは小悪魔が前にくれた物で・・・」

副官「」

魔王「と、とにかく出陣じゃー!勇者かくごー!」

バシュン

副官「ああ、行ってしまわれた・・そういえば魔王様城から出るの何十年ぶりだろうか」

副官「毎日部屋に引きこもっては床を殴って食事の催促しかしていなかったしなぁ」

副官「鏡なんて除くお姿は本当に久々だった、喜ぶべきなんだろうか・・」

副官「とりあえずご武運を・・」

ヒューーン
ドガァ!!!

勇者「う、うわー!なんだー!」

魔王「フハハハ!!よくぞここまで辿り着いたな勇者よ・・・!!」

キラァァァァァアア!!

女剣士「うわ眩し!!なんだこのキンピカの化け物は!?」

女僧侶「なんですのこの方は!踊る宝石の親戚ですか!?」

女魔法使い「ケッバ!」

女武道家「大量にゴールド持ってるのは確かね」

魔王「わははー分断してやるぞー仲間がピンチだぞー」

シュバッ

勇者「うわ!なんだよこれ体が飛ばされ・・・!!」

魔王「よし、大分飛ばしたな。一本道だし迷うことはないだろう・・」

魔王「さて・・」

ギラリ

魔王「貴様ら勇者とはどういう関係なのかね・・」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

女剣士「なんだこの威圧感、魔王クラスだぞ・・!」

女剣士「嫁だ!」

女僧侶「嫁ですけど?」

女魔法使い「嫁」

女武道家「嫁よ!」

魔王「え?・・・・・え?」

女剣士「何言ってんだお前ら!アタイは毎日風呂で背中流してやってるんだぞ!!」

女僧侶「私は毎日彼が昼寝する時に膝枕してますわ」

女魔法使い「毎日食事を作ってアーンで食べさせてますが?」

女武道家「着替えも歯磨きも私が全部やってるわよ」

魔王「」

魔王「こ、このショタコンどもがああああああああああああ!!!」

魔王「貴様ら!は、犯罪!犯罪者!!幼子を毒牙にかける外道が!!!」

女剣士「お前が勇者の何知ってるんだよ」

女僧侶「そうですわ、そんなダッサイ格好で何言っても不審者の戯言ですわ」

女魔法使い「ウッザ」

女武道家「部外者は口を出さないでもらおうか」

魔王「」

魔王「う・・うぐぅ・・ぐうう!!」

女剣士「え?なんで泣きだしてんだコイツ・・気持ち悪」

ブチィ

女僧侶「うわ、メイクが涙で落ちて凄く気持ち悪」

ブチィ

女魔法使い「キモッ」

ブチィ

女武道家「もう少しまともな格好しなよ、気持ち悪」

プツ・・ン

魔王「ガン4絵0あghん49gん@49あg;4んp:!!!!!!!!!」

副官「・・・・」

魔王「」

副官「あの・・・」

魔王「」

副官「いかん、完全に放心しておられる」

副官「帰路に点在する街が全て焼土となっている所を見ると、相当お怒りだったんだろうが・・」

副官「勇者パーティー全員無傷だな・・一体何が・・」

魔王「」

副官「記録班、作成時の映像を見せろ」

部下「ハハッ!こちらです!」

副官「・・・・」

副官「・・・あー・・・」

ガチャッ

副官「失礼します。状況は把握致しました」

副官「意気揚々と現れ勇者を分断したが仲間たちに色々見せつけられた上、ご自身の
    外見をボロクソに貶され言い返す事もできず、かと言ってそのまま殺したら何かに
    負ける気がして怒りを周辺に撒き散らしながらご帰還されたわけですね?」

ガシッ

魔王「黙れ」

魔王「分かってたんだよ、あの格好はなんか違うって薄々分かってたんだよ・・」

副官「私は最初からハッキリ分かってました」

ボゴォ!

副官「グェア!!」

魔王「どうせ勇者も笑ってる・・馬鹿にしてるに違いない・・水晶玉で見てみるか・・」

パァァァ

勇者『すっごい綺麗な人だったね!ビックリしちゃったよ!!』

勇者『顔ちょっとだけ見えたけどお化粧落としたら凄い美人だと思うよ』

ブワァ

魔王「う・・うああ・・ええ子や・・・この子ええ子やで・・・」

女剣士『おいおい、あれはケバイって言うんだぜ』

魔王「おい黙れ雌豚!!バラバラに切り裂いて消滅させるぞゴラァァァ!!」

副官「何一人で騒いでるんですか魔王様・・・」

副官「あの魔王様?一つご提案があるのですが・・・」

魔王「なんだ?」

副官「人間どもを完全に征服し、勇者を奴隷にすれば解決するのでは?」

魔王「なに?」

副官「魔王様は勇者を御所望との事ですので、奴隷として捉えれば生かすも殺すも魔王様次第・・」

ガシッ

副官「ホガッ!」

魔王「奴隷なんかにしてあの純粋な目が濁ったらどうしてくれる貴様責任とれるのか人にも魔物にも
    あんな澄んだ目をした者は一人もおらんのだぞそれを貴様奴隷だとどれだけ心が腐っている
    んだ我が生きてきた中であんなに無垢な生き物は一匹もいなかったんだぞそれを(略」

キィィィィン!!

副官「わかりまじだぁぁ!!とめで!!その光とめでくださいいい!!!」

副官「で、では少し趣向を変えまして・・人間どもに勇者を迫害させ我等で保護するというのは如何でしょう?」

ブチィ

魔王「迫害させるだと・・・」

副官「も、もちろん軽くです!軽く!そこへ魔王様が現れ我軍に引きこむのです」

副官「魔王軍の勝利は確実なものとなり、魔王様の願いも成就されます」

副官「そうですね、姉という名目で引き取っては如何でしょうか?」

魔王「姉・・だと・・・」

   お姉ちゃーん!お姉ちゃーん!お姉ちゃーん
   膝枕してー!ご飯食べさせてー!歯磨きさせてー!
   一緒にお風呂入ってー!一緒のお布団で寝よー!
   お姉ちゃーん大好きー!

魔王「ブフハァァァァァッァ!!!!」

副官「魔王さまぁぁぁ!!医療班!!魔王様が吐血なされた!!急げえええ!!!」

魔王「あ、姉などとそんなば、馬鹿な事を・・・」

副官「目と耳と鼻と口から血を吹く生き物は初めて見ました」

魔王「姉だと・・・姉だと・・・姉じゃあ・・・」

副官「何か問題でも?」

魔王「肉体関係になれないじゃないかぁ・・・」

副官「モジモジしながら言ってますけどかなりゲスいですよ魔王様」

副官「しかしそろそろ真面目に魔王をやらないとまた反乱が起きないとも限りません」

副官「魔王様のお力なら人間共の殲滅でも征服でも簡単ですよね」

副官「魔王様御自ら戦わないのは【めんどくさい】が理由で、魔王軍もその為に用意された物」

副官「ちなみに魔王様、本気になるとどれ程能力が上がるのですか?」

魔王「月まで6分位で行ける」

副官「魔王様、私は真面目な話をしております」

魔王「え?」

副官「え?」

副官「・・・あの、ちなみに魔王様は勇者以外の男に体を許す気はないのですか?」

ボグシャァ!

副官「グフェエエエ!!」

魔王「ばばば馬鹿を申すな!魔王に生まれて早2300年、我は純潔を保ってきたのだぞ!!」

副官「え?純潔?・・・え?」

魔王「なんだ!おかしいか!!魔の王が生娘でおかしいかあああああ!!!」

ガシッ!

副官「ピギィ!!お、おがじくなどありませんあ!!!」

副官「そ、そうか・・・ずっと引き篭もってたから今期を思いっきり逃して・・・」

魔王「我に見合う男がこの世にいなかっただけじゃ・・・」

キィィィィイイン!

副官「そうですよねー!魔王様ほどの美女なら仕方のない事ですよねー!光止めて!!」

ポイッ

魔王「その・・ちなみにだ、我と同時期に生まれた魔族は今子供を産んでたりするのか・・?」

副官「えーと、少なく見積もっても10世代先の孫までいるようですよ」

魔王「」

副官「もう・・魔王様、お見合いの話とか沢山来てたじゃないですか」

魔王「駄目じゃ駄目じゃ、どいつもこいつも我の遺産目当てばかり、話にならん」

魔王「知ってるか?結婚に必氏になる行為を人の世では【婚活】というらしいぞ」

副官「ええ存じております。女は相手の顔や資産だけしか見ていないとか、嘆かわしい限りです」

魔王「そう!嘆かわしい!そこまでして結婚したいのか!?ハッキリいって見苦しい!!」

副官「でも魔王様が結婚出来ないのは別問題ですよね」

ボスッ

副官「グァアア!」

魔王「いいんだ!我には勇者がいるんだからあぁぁぁ!!」

副官「でも魔王様、勇者は人間です。寿命的に考えてもすぐに氏にますよ」

魔王「氏なんよ」

副官「え?」

魔王「我が直接魔力を供給した生き物は老化が止まるからな」

副官「え?」

魔王「お前阿呆なのか?自分を鏡で見てみろ、歳など全く取っておらんだろうが」

副官「え?・・・・え?」

副官「そういえばシワとか全然増えないと思ったら・・・」

魔王「あとどんな傷も一瞬で修復するからな、殆ど不死だぞ」

ブワッ

副官「ま、魔王様・・!私をそんな大事に想ってくれていたのですか・・!!」

副官「お仕えして早2千年、こんなに幸せを感じたことは今まで・・」

魔王「いや、サンドバッグに丁度いいと思って・・」

副官「」

魔王「そんな瑣末な事より今は勇者だ!どこまで来ているんだ奴は・・!!」

副官「えーと・・あ」

魔王「ん、どうした?」

副官「この城のすぐ側まで来ています!レベルは・・各員60前後!危険です!!」

魔王「・・・」

副官「・・・魔王様?」

魔王「えっと・・早くないか?まだその・・心の準備とか・・・なぁ・?」

副官「」

副官「あの、魔王様が出れば一瞬で終わる気がするんですけど・・」

魔王「準備が必要なんだよ!魔王だもの!急には無理!!」

副官「で、ではどう致しますか?4天王を各フロアに配置致しましょうか」

魔王「4人じゃすぐやられるだろ!更に4倍して16天王に増やせ!!」

副官「そんな無茶な・・」

部下「報告!1階フロアに勇者が侵入!各魔物が迎撃に出ておりますが、長くは持ちません!!」

魔王「フハハハ!よく来たな勇者よ!たくましくなったではないか!それでこそ我が怨敵!!」

副官「報告ご苦労、今ちょっと練習中だからしばらく誰も入ってくるな」

魔王「フフ!強いではないか!だが私は後2回変身を残している・・この意味が解るか?」

副官「あの、魔王様・・そろそろ・・」

魔王「う・・うむ・・戦支度をしてくる・・」

副官「あの変な本は捨てましたからね、正装でお願いします」

バーン!

勇者「魔王かくごー!」

魔王「フ・・フヒィ!フハヒヒヒ!よ、よくききたブラァ!」

副官「まさかここまであがり症とは・・・」

勇者「・・・・」

ジャキン

副官「え?」

勇者「お前が魔王かー!!」

副官「え?」

副官「いや私は魔王様の側近の・・魔王様はあちらです」

勇者「うそをつくなー!こんな綺麗な人が魔王なわけないだろー!」

ブワァァァア!

魔王「・・う・ああ・・綺麗って・・今綺麗って・・・」

勇者「人質に取られてたんだな!どっかのお姫様だろ!今助けるぞー!」

魔王「・・・もう・・今日死んでもいい・・」

副官「」


〜3日後〜

副官「えー、魔王軍の皆さん、魔王様の代理の副官です」

副官「魔王様は勇者に色んな意味でやられてしまい、もうこの城におりません」

副官「大変勝手ながら、魔王様から少量の魔力を頂いた私が魔王代理人となりました」

副官「魔王様からの伝言で【しばらく大人しくしてろ暴れたら消し飛ばすぞ】と頂いております」

副官「と、いう訳で力を力で押さえつける超恐怖政治の開幕です」

副官「来るべき日まで不満と怒りを溜め込んでおいて下さい」

副官(これで良かったんですか・・魔王様・・)


〜城下町〜

勇者「学校いってきまーす!」

魔王「いってらっしゃーい!馬車には気をつけるんだぞー!」

勇者母「すみませんねぇ・・あの子の姉代わりになって頂いて・・マオさん・・」

魔王「いいんですよ、身寄りのない私を家族として迎え入れて頂いた御恩、一生かけてお返しします」

魔王「じゃ洗濯してきますねー、勇者が脱いだ下着はどこですかぁー」

魔王(ああ・・・幸せ・・・)

- 完 - 
 
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1 . 名無しさん  ID:BjJPEyCS0編集削除
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