僧侶「私たち、3人でずっと旅をしてきて実力もありますしっ、
勇者さんのお役に絶対お役にたてるとおもうんですっ」

戦士「お、おいらっ、オイラ達っ、レベルもさ、さ、30超えてるしっ!」

武道家「まあ、戦士はちょっと頭のレベルは3くらいだけどなっ、なんつってww」

戦士「こ、こ、こいつうっ!!」

僧侶「あははっ、もう勇者さんの前でいつものそういうノリ、やめなってば、あんたたちっw
ってことで勇者さん私たちも一緒に魔王退治に…」

勇者「あ、あーー、あのその…、わ、わたし朝とか弱いし、いろいろ冒険で
寄り道したりして予定とか、あわないだろうから…」

勇者「遠慮、しときます」



戦士・僧侶・武道家「え?」

勇者「そ、それじゃ…わたしはこれで」

……

武道家「え?え?どういうこと?もしかして、俺ら、振られちゃったw?」

戦士「お、お、おいらたち、レベル30…超えてるのに…」

僧侶「どうしたのかしら、けど、あのよそよそしい感じ、私なんか
ちょっとムカつくかも。ちょっと可愛いからって」

武道家「おいおい、なんだよ、嫉妬かあ?まあ、いいさ、また見かけたら
誘ってみようぜっ!一人でなんて、俺たちがいねーと、この先やっていけねーだろうからなっ」

………

賢者「………」

賢者「(はん…バカパーティどもが…、あの人見知り勇者相手にあんなコンタクトとって
うまくいくわけないじゃない…お手本をみせてやるわ)」

勇者「…ええと、今日は東の集落近くのフィールドのモンスターを退治して…」ぶつぶつ

賢者「勇者さん」

勇者「えっ…、」

賢者「私ですよ私、ほら、何回かこの町でお会いしてますよね」

勇者「あ、ああ…、あなたでしたか、そのごきげんよう」

賢者「町から出るんですよね、私も別の場所に行く用事があるんで、
町の出口までご一緒しませんか、町の出口まで、ね?」

勇者「え、ええ、そですね。わかりました」

賢者「今日はどちらまで行かれるんですか?」

勇者「あ、あの東の集落のモンスターを倒しに…、野良作業を邪魔して困ってるらしいから…」

賢者「へえ、そうですか…、ふーん…、」

賢者「(相変わらず、陰キャまるだしで、マニアックな場所ばっかり攻めるなあ…、
この子とパーティしたら、なんとか言いくるめて一気に中ボスとか四天王のダンジョン攻めて
手柄立てることにしよ)」

賢者「(けど、そのためにはなんとかこの勇者と親密にならないと、何か仲良くなる話題は…)」

賢者「そういえば、勇者さん、休みの日とか何してるんですか?」

勇者「えっ…」

勇者「休みは…その、フィールドの毒の沼地めぐりして浄化して回ったり、
幸せの草探したり…、小さなダンジョンめぐりしたり、集落の人の野良作業手伝ったり…」

賢者「へえ…そうですか…へえ…」

賢者「(ええ…くっそ陰キャやん…どうしよう会話の糸口がみつからないんだけど…ええと)」

賢者「楽しそうですねえ…、わたしもフィールドめぐるの好きだし、良かったら
今度一緒にそのダンジョンめぐりに」

勇者「えっ…」びくっ

賢者「あ…」

賢者「いや、ええっと、機会があったらっ、機会があったらでいいんですけどねっ」

勇者「う、うん、そうですね、あっ、あー、それじゃわたしこっちですから、これで」

賢者「え、ええ」

……

その夜 酒場

賢者「あーくそ、くっそ陰キャ勇者め…、賢者である私の誘いを拒絶するなんて何様なのかしら…」

賢者「てかわたし、レベル107なんですけど…、どーせあの勇者は見た目的に
レベル15かそこら。私、あんたなんかよりはるかに格上なんですけど…」

賢者「けどあんな陰キャでも、かつての勇者の子孫であることは間違いないみたい
だし、一緒に冒険して魔王倒せば、私の株もあがるってもんよ」

賢者「なんとかして、あの勇者と仲良くならないと…」

それからも賢者は、勇者をストーキングし、ことあるごとに勇者に接触をこころみた

賢者「奇遇ですね、勇者さん。わたしです。今日はどちらへ」

勇者「あ、ああ、こんにちは。あの今日は、東の集落近くのダンジョンのモンスターを」

賢者「(って、まだ東の集落界隈を攻略してるんかいっ)」

賢者「そ、そうなんですね、あの、知ってます勇者さん。この大陸は四天王の一人
マギラスが支配してて、そいつがこの大陸の親玉なんです。一気にそいつを倒すのを
目標にしては…」

勇者「う、うん。けどマギラスも大事だけど、周辺の小さな村とか集落に悪さしてる
モンスターもなんとかしないと」

賢者「ま、まあそれもそうですねー(くっそスケールちいさいなあ…)」

賢者「あ、そういえば、勇者さん。実はわたし、魔法でいろいろな場所に
ひとっとびできる能力もってまして。勇者さんが行きたいところにも今度、その魔法で」

勇者「あ、わ、わたし今日は、こっちですから、ごめんなさいっ、それじゃあ」

賢者「あ、は、はいそれじゃ…」

賢者「(くっそっ!)」


数週間後

賢者「勇者さん、今日はどちらへ?」

勇者「今日は、西の漁村近くのモンスターを」

賢者「あーあそこ毒モンスターいますし、わたし、毒消せる魔法使えるんで
よかったら」

勇者「あ、わたしこっちですからそろそろ行きますねっ」


また数週間後

賢者「今日は大荷物ですね」

勇者「近くの山村でモンスターが用水路を壊したらしいの、だからそのモンスターを
退治するついでに、水路を直す手伝いを」

賢者「…四天王のもとへはいつ?」

勇者「うん、おいおい」

賢者「あのですね、良かったら、四天王がいる城まで私が魔法で移動して」

勇者「あ、ごめんなさい、わたし、こっちだから」

賢者「……」


その後もその後も

賢者「勇者さん、奇遇ですね」
勇者「あ、ごめんなさい、これからいくとこが」

……

賢者「今日はどちらへ」
勇者「ごめんなさい、いそいでて…」

賢者「勇者さんっ、今日は」
勇者「北の集落のモンスターを倒しに、ごめんね、急いでるからそれじゃっ」

……


ある日の朝
とある宿屋前

賢者「おはようございます、勇者さん」

勇者「えっ」

賢者「いやあ、ひどいなあ…、そんな泣きそうな顔しないでくださいよ…、
宿泊中の宿屋の前で待ち伏せしてたくらいでそんな…もう何回もあってるじゃないですか?」

賢者「勇者さん、今日はどちらに?」

勇者「あ、あの…今日は…、北の集落の近くのダンジョンを退治しに」

賢者「はあ…、あのですねえ…、あなた王家の血を引く勇者でしょ?なんで
そんな小さなダンジョンとかしょぼい敵ばっかに相手にしてるんですから?」

勇者「え?いや…それは…、大きいとか小さいとかじゃなくて…、みんなが…困ってるから…ひっ」ドンっ

賢者「そんな小さな敵ばっか相手にして…、目の前の強敵から目をそらしてたらダメなんじゃ
ないですか…ねえ?」

勇者「あ、あの…わたしは…その…」

賢者「勇者さん、私を仲間にいれてください」

勇者「え…」

賢者「勇者さん、実は私、職業は賢者で…、レベルも107なんですよね」

賢者「正直、一人でも四天王とか魔王とか倒せてもおかしくないレベルなんですけど…、
それだけじゃ、成り上がるのにパンチ弱いから、王家の血を引くあなたとパーティ組んで
魔王討伐したいんです」

賢者「どうです?これ以上ない人材でしょ?小さいころから、賢者のおじいさんに
すっげーしごかれて、魔法も剣術もすごい感じですから、だから勇者さんっ、わたしを…」

勇者「あ、あのっ…わ、わたし…っ」

勇者「ひ、一人が…、すき…だからっ…だから、…ごめん、なさい…」

賢者「」


その晩 酒場

賢者「いやなんだよ、あいつはっ!!」

賢者「もーいいわ、分かったわっ!アイツただの陰キャだわっ、マニアックな村とか
集落とか、ちっさいダンジョンとかめぐるの好きな冒険マニアじゃんっ!」

賢者「ていうか一人が好きってなんなわけっ!賢者である私が!
パーティに入れてくれっ言ってんのにっ!それ断るってどゆことよっ!ぐすっぐすっ…」

賢者「てか…あれ…なんでわたし泣いてんの…、なんであんな陰キャに断られたくらいで
ないてんだろ…はは…わけわかんない…」

賢者「まあいいか…、あんな勇者、どうせ魔王を倒す気なんてないんでしょ?だったら
もう私一人で、魔王軍討伐して成り上がって見せるわっ」

賢者「マスターっ、もう一杯っ!はやくしなさいよっ!」

……

……

王様「ふーん、で?魔王に挑んで、負けておめおめ帰ってきちゃったんだ?」

勇者「……はい」

王様「仲間の、戦士とか武道家とか、僧侶はどうしちゃったの?」

勇者「あの……、しに…ました。全員」

王様「あーあ…」

王様「魔王さ、君たちが倒した四天王とか中ボスとか何から、魔法で
復活させたらしいわ。振りだしだね」

勇者「……はい」

王様「それとさ、君ら、小さい集落とか村とかの襲ってるモンスター
無視して冒険してたでしょ?
勇者なのに、ああいうのは目に映らないのかな?もしかして敵も有名どこだけ倒せばいいと思ってる?」

勇者「ち、ちがっ…そんなことはっ…」

王様「あと、殺された3人の仲間の遺族、すっげー君のこと恨んでるから。
けど、仕方ないよね。勇者なのに、3人を犬死させて1人だけおめおめ戻って
きたわけだから?」

勇者「………はい」

王様「で、どうすんの?これから?」

勇者「………、も、もう一回…はじめから…がんばり…ます」

勇者「今度は…、一人で…」

………


とある宿屋

勇者「はあ…はあ…」

勇者「……あ、あー…、もう…。またあの時の夢…」

勇者「勘弁してよ、もう…」

……


そのころ…、とある酒場

武道家「なあ、戦士に僧侶さあ、俺、ひらめいちゃったんだけどさあ」

僧侶「何よ、どうしたのよ」

武道家「あれから何回も、あの勇者さんの仲間になろうと近づいたけど、断られたじゃん?
だからもう良くね?」

戦士「い、いい、って何が…?」

武道家「だからさ、もう勇者さんとパーティになるのは諦めてさ、俺たちだけで成り上がろうぜ?
つまりさ、俺たちだけで倒しにいかねえ?この大陸のボスモンスター、四天王マギラスをさあ…」

……


数日後…

勇者「ふわあ…」

勇者「(最近は、昔のころの夢みて寝付きが悪くて、なんだかしんどいなあ…)」

村人A「いやあ、それにしても立派な若者もいるもんだ」

村人B「ああ、いまどき勇敢な3人だなっ」

勇者「(ひとだかり…、何を話しているんだろう)」

……
村人C「ああ、あの3人組、まさかこの大陸の覇者、四天王マギラスを倒しに向かうだなんて、
たいした連中だっ」

村人D「レベルも全員30以上の熟練パーティだし、こりゃあひょっとしたらひょっとするぞっ!」

村人E「ああ、実現すれば勲章ものだぞっ、そうなりゃ彼らが勇者といっても過言じゃあないだろうっ」

勇者「……え」

……

賢者「よし、準備も整ったし…、行くか」

賢者「は、もうあんな陰キャ勇者はどうでもいい。わたし一人で成り上がってみせるわ」

賢者「そうと決まれば、倒しに行くわ、私一人で、まずはこの大陸の四天王っ、マギラスを
倒しにっ!…ってきゃあああっ!」

勇者「いたっ!ここにいたっ!」

賢者「えっ!えっ!?ゆ、勇者さんっ、な、なんでここにっ、てか急に抱き着いてきてなにをっ」

勇者「お願いっ!あなた確か前に言ってたっ!大陸中を魔法でひとっとびだって」

賢者「えっ…ええっ…!?そうですけどそれがなにか…っ」

勇者「お願いっ、わたしをマギラスの城まで連れてって、早くっ!」

賢者「ええ…、地方のダンジョンや村めぐりしてた勇者がきゅ、急に一体なにを…」

勇者「レベル30やそこらのパーティじゃ殺されちゃうっ、だから早く連れてってっ!」

賢者「は、話がみえないんだけどっ、て、ていうかアンタ、あれだけ私の誘いを断っておいて
急に都合がよすぎっ…」

勇者「お願いっ!!あなたの力が必要なのっ!!」

賢者「……っ」

賢者「(あれ…なにこれ……、この勇者にこんなこと言われて…、
…、くっっそうれしいんだけど…泣きそうなんだけど)」

…そのころ


マギラスの城

戦士「ぐあああっ」

武道家「ぎゃああっ」

僧侶「せ、戦士っ、武道家っ」

四天王マギラス「ふはははっ!レベル30らそこらで私に挑んでくるとは
みのほど知らずがっ、貴様が最後だなっ、死ねえっ!」

僧侶「ひいいっ!」

ガギィ!

マギラス「な、なに…、わが攻撃を受け止めただと…一体だれが…え?」

勇者「よかった、間に合ったっ、ありがとう賢者さんっ」

賢者「ま、まあ、別にあそこまで頼まれたさあ…まあ、仕方ないというかさあ…」

僧侶「ゆ、勇者さんっ、た、助けに来てくれたのっ!」

勇者「ええ、はやく負傷した武道家さんと戦士さんを連れて下がってっ!」

僧侶「は、はいっ」

賢者「そーそーレベル30そこらのザコは下がってなさいよ、
ふふ、こいつが四天王のマギラスか…、
仕方ないわね、レベル107の私がコイツをぶちのめして」

勇者「あーうん、あのね、ごめんね、賢者さん。あなたも下がっててね」

賢者「え…?」

勇者「マギラスのレベルは315。ぶっちゃけ貴方も、同じようにされちゃうだけだから」

賢者「は、はああ!?さ、300って何言って…、それがホントなら、
そんな滅茶苦茶なレベルのモンスターにかなう奴なんて…え?」

マギラス「……え、ちょ…おま…な、なんでここに…、そんな…まだ…、
序盤でモタモタしてたはずじゃあ…」

勇者「ふーん、ホントに復活してたんだ。一度倒した相手ももう一度倒すこと
になるなんてね」

勇者「無数にある小さな村や集落付近を襲わせて、私のこと、足止めする
作戦だったみたいだったんでしょ?

勇者「まあ、私、一度あなたたちのこと攻略
してるわけだし、2度目の冒険はどういう順序で進めて行ってもいいわけなんだけど」

マギラス「ひ、ひええ…」

勇者「けどまあ、今度の冒険は、じっくり進めていくつもりだから。
前回はあせって冒険進めて、いろいろな人を犠牲に出しちゃったから…」

勇者「今度の冒険は、…人間に悪さする魔族を見過ごさないように、
ひとり残らずつぶしながら、一人でじっくり、進めていくから、、」

勇者「ちょっと時間かかるかもだけど、ちゃんと、たどり着いて、殺すから、
待っててって…伝えててね、魔王にさ…」

勇者「あ、そっか、けど…あなたにそれ頼んでもだめだった…
だって、あなたももう、ここで死んじゃうんだからさあっ!!」

マギラス「ひ、ひぎゃあああっ!!!」

ざしゅううっ!!!

賢者「え…、えええ……」


……それから数日後

賢者「あの3人のパーティは、なんとか命はとりとめたそうです」

勇者「そっか、よかった…、それじゃ、わたしはこれで」

賢者「いやちょっとまってください」

勇者「あ、いやその…」

賢者「あれから勇者さんのことを調べて…、あなたの経歴は、それとなく
わかりました…要は、過去の冒険がトラウマになって、仲間を作りたくない、
そういうことですね」

勇者「ああ、いや…あの…」

賢者「まあ、気持ちはわかります。まさかあれほど、魔王軍の幹部クラスのレベルが
高いなんて…、あの四天王マギラスのレベルは300オーバー…」

賢者「私のカンでは、おそらくやつは四天王最強…、だが相場的には、ほかの四天王も
少なくともレベル100は超えていて、魔王のレベルはおそらく500オーバー」

賢者「そして、マギラスをあっさり倒した勇者さんのレベルは450程度でしょう」

勇者「あ、あの……、マギラスは四天王最弱で…、ほかの四天王はそれ以上のレベル…
…私のレベルは1305…」

勇者「ちなみに魔王のレベルは…、私と戦った時は1600で…」

賢者「………あ、ああもういいからっ、とにかくっ、勇者さんっ私をパーティに入れてくださいっ!!」

勇者「え、ちょ、ちょってまって!?話聞いてた!?貴方のレベルじゃあ
とても魔王の幹部クラスには…」

賢者「修行しますからっ、強くなりますからっ!それに今のままでも少しは
貴方の役にたったでしょ!?瞬間移動の魔法とかでっ!とにかく仲間にいれてくださいっ!」

勇者「ちょ、ちょっとまって!なんでそこまで私と冒険することにこだわるのっ!?
あなたは賢者だし…、レベルだって普通の冒険者のレベルだったら、上位だし…」

勇者「な、成り上がるって目標なら…、今のままでも、もう十分達成してると思うんだけど…」

賢者「え…、いや…、そう言われればそうだけど…、いや…けど…」

賢者「いや…けど…その…、とにかく…、あ、…あなたと…、一緒に…冒険したくて…」

勇者「………………」

賢者「(あれ…なんだろう…この気持ち…、すごく…ドキドキしてる…
もしかして…、わたし…勇者のこと…え?いや…まさか…)」

勇者「…賢者さん、あのね」

賢者「は、はいっ」

勇者「わたし、スキゾイドなの」

賢者「…あ?」

賢者「え…あ?なに…スキ…え?」

勇者「ええと…、スキゾイドっていうのはね、社会的関係の関心が薄かったり、
おとなしかったり、つかみどころなかったりとか…うん」

勇者「ぶっちゃけ一人が好きで」

勇者「過去に仲間を失ったトラウマとかそういうんじゃなくて、ぶっちゃけ
昔から一人でマニアックな遊びとかするの好きだったし」

勇者「小さい集落とか村とかのモンスターを倒してるのも、もともとマニアックな
地方行くのが好きな感じなとこもあって…うん」

勇者「なんていうか、無理やり仲良くしようとすると距離をとるあれなの」

賢者「……」

勇者「まあ、じゃ、ごめんね…、そういうわけだから…ひいっ」ドンっ

賢者「いやもういいからそういうの…、アンタが元々のパーソナルから
陰キャで根暗なことくらい今更だから…」

勇者「ちょ…やめ…、い、いっつも思うけどっ、ち、近い…近いからっ!
距離感がなんか近すぎるっ、あの3人パーティと一緒!…なんかわたし、そういうとこが苦手なのっ!」

賢者「に、苦…っ、……っ、わ、わかった…わかりましたっ…、そ、それじゃ
き、気をつけるからっ…、適度な距離感で接するからっ…だから、だからそのっ…」

賢者「まずは週1で…わたしをパーティにいれてくださいっ!」

………


それから…

ヒュンっ

勇者「ありがとう、やっぱり便利ね貴方の瞬間移動能力」

賢者「………、どーも…」

賢者「………」

勇者「……うん、」

………

勇者「それじゃわたし、こっちだから」

賢者「おい待て」

賢者「ひどいでしょっ、あれから何年もたってんのに、未だに移動要因で呼ばないでよっ!
今日は私も冒険に着いていくからっ」

勇者「だ、ダメだよ、今日は敵の強いところ行くのっ、レベル200やそこらじゃ
足手まといっ」

賢者「はっ、あれからさらに修行してわたしももうレベル300オーバーだからっ!
いい加減、ずっとパーティにしてくれたっていいでしょうがっ」

勇者「ええ…300らそこらでイキがらないでよ…そんなんじゃすぐ死んじゃうよ…
ザコちんじゃん…」

賢者「だれがザコよだれがっ!」

賢者「ああもう!いつまでもいつまでも、距離感とってんじゃないわよ、
出会って何年だと思ってんのよっ、ほら、今日は一緒にダンジョン討伐いくわよっ」

勇者「ええ〜、うそぉ…ついてくるの…、ええ……めんどくさいなあ…」

賢者「減らず口を…、ふん、けどまあ、昔みたいにお互い敬語じゃなくなって…
そうやって、悪態をつくようになってきたのも…、」

賢者「まあ…、私は、あなたと距離感埋まった感じで…ようやく対等になれたというか…
ちょっと…うれしいというか…なんかいうか…」ごにょごにょ

勇者「あ、ごめん、わたし、町の銀行でお金おろしてから行くから、先に」

賢者「いやだから逃げようとすんなっ!!」

おしまい 
 
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