勇者「は…はぁ…」
娘「いつもいつも、ご迷惑をおかけして本当にすいませんでした」
勇者「あの…ところでどちら様ですか?」
娘「あ…すいません!私、魔王の娘の…」
勇者「え?今なんて?」
娘「えっと…」
勇者「誰の娘だって?」
娘「ま…魔王ですけど…」
勇者「魔王って…あの世界征服しようとしてた魔王だよね?」
娘「…す…すいません…その魔王です」
勇者「えぇええええええ!」
勇者「本当に?全然似てないけど」
娘「母似だとよくいわれます」
勇者(あいつ結婚してたのかよ…娘さんがこんだけ美人ってことは奥さんも……)
娘「あの…えっと…」
勇者「くっそぉおおおおおお!」
勇者(俺だってまだなのに…魔王討伐の旅なんてしてたばっかりに…頼みのつなのお姫様だって……くそっ…)
勇者「なんで、この国王子しかいねぇえええんだよぉおおおお!」
娘「あのぉ…」
勇者(はっ!?まてよ…魔王の娘ってことは、つまりお姫様なんだよな…)
勇者「なにかな?」キリッ
娘「やっぱり父のこと…ゆるせないですよね…当たり前です、あれだけ酷いことをしてたんですから」
勇者「いやいや、そんなのまったく無問題さ!あっはっはっは」
娘「本当ですかっ!」
勇者「当たり前さっ、過去のことは水に流そう大切なのは未来さ」
勇者(そう、大切なのは未来。俺とこの子の未来…)
娘「で…でも…勇者様、父の放った魔物達のせいでお父様とお母様を…」
勇者「いいんだ、過去のことさ」
勇者(親父…お袋…アデュオス!)
娘「絶対にゆるしてもらえることじゃないはずなのに……ありがとうございますっ!」
勇者「何を言ってるんだ。それに親父とお袋の仇は魔王を全殺しにしたことで……あっ!?」
勇者(やべぇ…魔王…つまりはこの子のお父さん殺しちゃってるじゃん)
勇者「ご…ごめん…俺こそ君のお父さんを…」
娘「あ、それなら大丈夫ですよ。父は何度でも蘇りますから」
勇者「なんだ、よかった…」
勇者(……ってよくねぇよ!復活したらまた国がやべぇじゃん!)
娘「あ、でも大丈夫ですよ。完全に元の力を取り戻すのには数百年の月日をようしますから」
勇者「なんだ、それなら俺が心配する必要はないってことか」
娘「はい、もし力を取り戻しても私のほうからちゃんと言っておきますので」
勇者「まぁ、もしまた襲ってきたとしても、それは俺の子孫の時代の話だろうしな」
娘「そうなりますね」
勇者(と、なると…子孫は確実に残しとかないと…)
娘「どうしました?」
勇者「いや…ところで君結婚とかしてないよね?」
娘「え?ま、まだですけど…」
勇者(よっし!よし!このチャンス、ものにしなければ! そう、これは世界のためなんだ!)
勇者「ところで…君、一人みたいだけど護衛の兵とかはいないのかな?」
娘「はい、護衛となると必然的に魔物を連れてくることになりますから」
勇者(たしかに…この子ならぱっと見魔物とは思われないしな。魔王の娘とわかったときは本当に驚いたよ)
勇者「だけどさ…女の子一人は危ないよね」
娘「大丈夫です。これでも一応魔王の娘ですから」
勇者「いや、それでも今日はもう遅いし。あ、そうだ!今日はうちに泊まっていきなよ」
娘「そ…そんな…ご迷惑になりますし…」
勇者「そんなこと全然ないから、泊まっていきなよ」
村人「お、べっぴんさんつれてどうしたんだ?」
勇者「おう、じつはな…」
村人「な…なにぃ…彼女だと…」
勇者「ふっ…世界を救った勇者には自然と女が集まるものなのさ」
村人「…いや、いままでまったくというほど相手にされてなかったみたいだけど」
勇者「く…くそっ…なんでこの国の王子あんなにイケメンなんだよクソッ!クソッ!」
娘「あの…何の話をしてるのですか?」
勇者「なんでもないなんでもない」
勇者「ここが我が城さ」
娘「…城ですか」
勇者「あ、例えだからね」
勇者(くそっ…あのクソ王め、魔王討伐してやったってのに、報酬があんだけとか…)
娘「小さくて可愛らしいお家ですね」
勇者「ありがとう」
勇者(ふっ、ここが俺と君の愛の巣となるのさ)
勇者「まぁ、汚いとこだけどくつろいでいってよ」
娘「おじゃまします」
勇者(ふっ、いつ女の子がきてもいいように掃除だけは小まめにしておいたのさ)
勇者「あ、そうだ。何か飲む?」
娘「あ、いえ、お気遣いなく」
勇者「遠慮しないで、お茶でいい?」
娘「すいません」
台所
勇者(ちっくしょぉ…こんなことなら、あの怪しい露店商から怪しい薬買っておくべきだった…)
勇者「はい、どうぞ」
娘「ありがとうございます」
勇者「ところでさ、本当に魔族には見えないんだけど、本当に魔王の娘なの?」
娘「あはは…よく言われます…でも本当なんですよ。母も人間に近い姿の種族だったので」
勇者「へぇ」
娘「あ、そうだ」
勇者「どうしたの?」
娘「せっかくなんで勇者様に私の手料理をご馳走したいのですが」
勇者「え?まじで?」
娘「はい、何から何まで勇者様にお世話になりっぱなしではいけないと思いまして」
勇者「別に気をつかわなくてもいいよ」
娘「いえ、ぜひやらせてください」
勇者「じゃあせっかくだから…」
娘「はい、では早速材料を…」
勇者「それなら村の市場を利用すれば…」
娘「狩ってきますね」
勇者「狩って……?」
勇者「遅いなぁ…」
勇者「狩ってくるとか言ってたけど大丈夫なのかな…」
ガチャ
娘「すいません、遅くなりました」
勇者「心配し……え?」
ズリッ…ズリッ…
娘「本当に大きな猪ですよね。きっとあの山の主ですよ」
勇者「へ…へぇ…それは凄いね…」
娘「さてと…」
勇者(大丈夫かな…猪まるまる料理とか…まず解体しないといけないし…)
勇者「あ、解体なら俺がしようか? 旅の途中で何回かやったことあるし」
勇者(さすがにここまで大きいのは初めてだけど)
娘「あ、それなら大丈夫です。丸焼きにしますから」
勇者「ああ、なんだ…って丸焼き!?」
娘「はい、父の大好物です」
勇者「そ…そうなんだ…」
勇者(丸焼きって…こんな大きいの中まで火が通らないって…いや、あの魔王ならむしろ生でも食いそうだけど…)
勇者「あ…あの…丸焼き以外の料理はないのかな?」
娘「…すいません。他の料理は苦手で」
勇者(まぁ、お姫様だからな……って丸焼きできるの凄いなおい!」
勇者「そうだ、鍋にしようか。旅の途中によく猪を鍋に食ったんだよ。それが美味くってさ」
娘「…鍋ですか?」
勇者「お姫様だと鍋をあんまり食べる機会なんてないと思うからさ、まぁもの試しだとおもって」
娘「…でも、鍋の作り方なんて」
勇者「作り方って言うほど難しくないから、俺も手伝うから一緒に作ろうよ」
勇者「まずは血抜き、そして皮をはがないとな」
娘「首をかっ切って逆さにつるすんでしたっけ?」
勇者(…なんか凄い絵が浮かんだ)
娘「毛皮は力まかせにひきちぎれば…」
勇者(…そうか、この子魔族だったっけ)
勇者「…と、とりあえずそこは俺にまかせといてよ」
娘「…美味しそうなお肉ですね」
勇者「いや…まだ生だからね」
勇者(…なんで見目おしとやかそうなのに、ところどころ血生臭いんだ)
娘「あの…少し味見しても…」
勇者「駄目!お腹壊すよ!」
勇者(絵的にヤバすぎる…)
勇者「まぁ、鍋っていっても、旅の途中で作ってたものだからね。とにかく色んな物をぶちこんだものになるんだよね」
娘「そうなんですか」
勇者「えっと、まず肉を入れて煮込んで野菜、とってきた山菜…」
娘「…いい匂いですね」
勇者「うん、ダシもいい感じ。完成かな」
娘「美味しそうです」
勇者「よし、じゃあ食べようか」
娘「はい」
食事中
勇者(最初は魔物だからガツガツかぶりつくのかと思ったけど、やっぱりお姫様なんだな。食べ方がきれいだよ)
娘「本当に美味しいですね」
勇者「あ…ああ…うん」
勇者(ただ…量が…量が…)
娘「あ、もうお肉なくなっちゃいましたね…やっぱり二人であの量は少なかったみたいです」
勇者(いや…俺はほとんど食べてないんだけど…くぅ…結婚後の食費が問題だなぁ…」
娘「勇者様は今何をされているんですか?」
勇者「え?ああ…魔王退治の旅も終わっちゃったからね。今は畑を耕したりかな」
娘「勇者様なのにですか?」
勇者「うーん、城に士官しようかとも考えたんだけど、親父の畑もあるし、やっぱ生まれ故郷にいたいかなって」
娘「そうなんですか」
勇者「まぁ、王様からもらった金で家も建て替えたし、不十分はないよ」
娘「あとはお嫁さんをもらうだけですね」
勇者「そうだね、ははは…」
勇者(さて、君がその候補なわけなんだかね)
勇者「さて、お風呂でも沸かすかな。君先に入っていいよ」
娘「あ、いえ…」
勇者「いいよいいよ、お客様なんだから」
娘「では、お言葉に甘えて…」
勇者「じゃあ火、いれてくるから」
勇者(さて…覗くか…)
勇者「湯加減どう?」
娘「はい、いいお湯加減です」
勇者「そうか」
勇者「さて、ばれないようにこっそりと…」
娘「ふんふふんふーん♪」
勇者(うん、これは魔族の体が人間とどう違うのかを調べるためなんだ。決してエロス目的ではないんだ。うん)
勇者(お…おお!)
娘「はぁ…気持ちいい…」
勇者(湯舟に使っているせいで全部は見えないが…うん、スレンダーなボデーは俺の好みだ)
娘「勇者様…とっても良い人だなぁ…」
勇者「………」
娘「本当なら、私なんて斬られてもしょうがないのに…」
勇者「………」
娘「あの人なら信用できる…私達と人間との掛橋になってくれるかも…」
勇者「くっ……もう寝る準備をしないと…」
勇者「…あ、その部屋自由に使っていいからね」
娘「ありがとうございます」
勇者「…いや、じゃあ俺ももう寝るから」
娘「おやすみなさい」
勇者「うん…おやすみ…」
娘「勇者様…どうしのかな? 元気無かったみたい…」
娘「…やっぱり完全に私達のことをゆるしてもらえるわけないよね。当たり前だもん…」
勇者「…く…くそ…俺は俺はぁあああああああ!」
娘「あの…起きてください」
ユサユサ
勇者「あと…少し…」
娘「村長さんが呼んでるらしいんですけど…」
勇者「…ん?村長?よいしょっと。何の用なの?」
娘「すいません、それはうかがってないんです」
勇者「そうか、とりあえず村長の家に行ってみないとな」
勇者「ごめんね、留守の間頼むよ」
娘「はい、いってらっしゃいませ」
勇者(まさか…夢にまでみた女の子に朝起こしてもらう→見送りコンボが完成するとは…これで随所にキスがあれば俺はもう思い残すことは無いんだが…)
娘「…あの、どうかしましたか?」
勇者「ああ、なんでもないよ。気にしないで」
村長「おお勇者よ」
勇者「どうかしたんですか?俺を呼ぶなんて珍しい」
村長「いやな…今この村が危機に陥っているのだ」
勇者「危機?農作物が不作とかですか?」
村長「そんなもんじゃない。実はなうちの息子が病で倒れてな」
勇者「風邪ですか?体力自慢のあいつにしては珍しいですね」
村長「ただの病ではないのだよ。疫病だ…」
勇者「え…それ大変じゃないですか!」
村長「一応隔離はしているんだがな…完全には不可能だろう。蔓延が防げるかどうか…」
勇者「で、何故俺を呼んだんですか? 病気なら医者を呼んだほうが」
村長「もう呼んださ。しかし薬が足りないのだ」
勇者「なるほど、でとってこいと」
村長「すまんな、薬の原料となる薬草はこの村の裏にある山にあるのだが…」
勇者「…ああ、魔物の住家でしたね。あそこ」
村長「縄張りさえ侵さなければ大人しい奴らなのだが…今はそうも言ってられぬ。行ってくれるか?」
勇者「何言ってるんですか。行くに決まってるじゃないですか。この村は俺が生まれ育った場所なんですよ」
村長「すまないな…」
勇者「今は田畑を耕してるだけですけど一応勇者なんです。気にしないでくださいよ」
勇者「またこの鎧を着ることになるとは」
勇者「剣の手入れもちゃんとやっといてよかったよホント」
娘「あ…あの…どうかされたんですか?」
勇者「ちょっと仕事にね」
娘「どこに行かれるんですか?」
勇者「裏にある山なんだけど」
娘「え?あそこは魔物たちの住家のはずですけど」
勇者「いや…あそこにしか無いものを取りに行かないといけないんだ」
娘「…それは、絶対に必要なものなんですか?」
勇者「無いとこの村がヤバイんだよ」
娘「…そうですか」
勇者「うん、だから行かなきゃ」
娘「でしたら…」
勇者「ん?」
娘「私も行きます」
勇者「……え?」
勇者「いや…だってあそこには魔物が…」
勇者(ってそういえば魔王の娘さんだっけ…)
娘「それに…私でも何かの約に立てるかもしれませんし」
勇者「確かに…あの辺りの地理はよくわからないし…何より君がいれば魔物とぶつかる必要もない」
娘「はい、なんとかしてみます」
勇者(それに、一緒にいれるとなると俺が嬉しい)
勇者「大丈夫?結構道が険しくなってきたげど」
娘「はい、なんとか」
勇者(…すごいな)
勇者「こんなとこ、よく登れるね」
娘「あ、いえ、お城の周りも似たようなところばっかりですし、子供のころはよく遊び場所に使ってたんで」
勇者(…ずいぶんパワフルな幼少期だな)
勇者「しっかし…薬草なんてどこにあるんだよ」
娘「どこにあるかは知らないんですか?」
勇者「ん?ああ、この山に人が入ることなんてまず無いからね」
娘「…そうですか」
勇者「だいたい、崖とかにはえてそうな感じが…」
娘「すいませーん!みなさー!」
勇者「!?」
勇者「な…なに?」
娘「ちょっとみんなにも手伝ってもらおうと思いまして」
ガサガサ
勇者「うお、草むらから魔物が…」
バサッ、バサッ
勇者「空からも…」
ボコッ
勇者「ち…地中から?」
魔物「姫さま、今日はどのようなご要で?」
勇者「お、面識はあるのか」
娘「あ、はい、昨日も来てたんですよ」
勇者(昨日って…あの巨大猪を捕まえたのって、ここだったのか…)
娘「はい、実はお願いがあるんです」
魔物「そのお願いというのは…その人間を消せと…」
娘「違います!」
魔物「え…違うんですか…」
娘「当たり前です!それにこの方は勇者様ですよ」
魔物「…ゆ…勇者…」
娘「あの父を倒した方を貴方がたで倒せると思いますか?」
魔物「……無理です」
娘「実は、ある薬草をさがしているんですが」
魔物「薬草?」
勇者「ああ、実は、この下にある村で疫病に発生したんだ。まだ広まってるわけじゃないんだけど、だからこそ、早めに手を打っておかないと」
魔物「…人間のために」
娘「人間魔物は関係ありません。困っているときは互いに助けあうべきです」
勇者「ありがとう。君のおかげですぐ見つかりそうだよ」
娘「…私のおかげじゃありません。ここの皆の力です」
勇者「いや、君がいなかったら。力を貸してもらうどころじゃなかったからさ」
娘「それに…」
勇者「ん?」
娘「勇者様には、父の暴走を止めていただいたご恩がありますから」
勇者「あ…いや…」
娘「あのままでは、全面戦争に発展してたかもしれません。本当にありがとうございます」
勇者「いや、そんな立派なもんじゃないんだよ…あのときは私怨もあったしね」
娘「お父様とお母様のことですか…」
勇者「あ、気にしないで、もう終わったことだから…大事なのはこれからだと思うんだ。これからは、人間と魔物も、共に手をとりあっていけそうな気がするんだ」
娘「とっても素敵なことだと思います」
勇者「こんな発想、正直君と出会うまで考えもしなかったんだ。君を見て、魔物や魔族も俺達と変わらないんだって思ったんだ。」
娘「私ですか?」
勇者「うん」
娘「…少し、照れちゃいます」
勇者「それでさ…ちょっと聞いてもらいたいことが…」
娘「あっ!?」
勇者「どうしたの?」
娘「もしかして、さがしてる薬草ってあれじゃないんですか?」
勇者「あ、そうだ!たぶんあれだ」
勇者「だけど、ずいぶんとまた、険しい崖の途中にはえてるもんだな…」
娘「私がとってきます」
勇者「え?危ないよ。俺がいくよ」
娘「勇者様は鎧を着ているじゃないですか。私なら大丈夫です。子供のころからこういう所で遊んでいたので」
勇者「本当に大丈夫?」
娘「大丈夫です。たいした高さじゃないですし、それに…」
勇者「それに?」
娘「私はあの魔王の娘なんですから」
娘「あと…ちょっと…」
勇者「気をつけてねー!」
娘「はい、よいしょっ…ふう、ついた…」
勇者(見てるこっちもハラハラする…)
娘「よしっ、後はこの薬草を」
勇者「気をつけてね」
娘「はい、大丈夫です。ほっ、やっ…やった、とれまし…あっ…」ガラッ
勇者「危ない!」
ドンッ
勇者「あぐっ…大丈夫?ケガは?」
娘「…ゆ、勇者様」
勇者「いや、なんとか間に合ってよかったよ」
娘「す、すいません!」
娘「…勇者様、ありがとうございます」
勇者「いいよ、気にしないで。体の丈夫さには自信あるしさ。それより薬草が手に入ったんだ。」
娘「そうですね」
魔物「おい」
勇者「うわっ!」
魔物「姫様に変なことしてないだろうな」
勇者「当たり前だろう!」
魔物「それより、約束のものを持ってきたぞ」
ドサッ
勇者「お………」
娘「ありがとうございます。こんなに沢山見つけて下さったんですね」
魔物「当たり前です。我等にかかればこんなものです」
勇者「これだけあれば申し分ないだろ。よし、帰ろう」
村長「まさにお前は勇者だ。この村の危機を救うとは」
勇者「いえ、今回は俺ではなく、この娘、そしてあの山の魔物たちのおかげなんです」
村長「…魔物?まさか、そんなわけ」
勇者「いえ、それが事実なんです」
村長「かりに本当だとして、どうやってそんなことを…」
勇者「それこそ、この娘のおかげなんです」
娘「は…はじめまして…」
村長「その娘がどうかしたのか?」
勇者「実は、あの魔王の娘さんなんです」
村長「…ああ、なんだか聞き間違いをしたみたいなんだが、なんと言ったんだ?」
勇者「魔王の娘です」
村長「…魔王とはどの魔王のことかな?」
勇者「俺が倒した魔王です」
村長「ああそうか、あの魔お……魔王だとっ!?」
娘「ど…どうも…」ペコリ
村長「………」
勇者「まさか、こんな子が魔王の娘だとはって思いましたよね? 俺もそうでした」
村長「ただちに…その娘を捕らえろ…」
勇者「……は?今なんて言った?」
村長「魔王の娘とわかった以上、放っておくわけにはいかない」
勇者「なぜです?この子には関係のないことですよ」
村長「勇者よ、魔王にたいする思いはお前が一番強いはずだ。なんせ父と母を…」
勇者「だから言ってるでしょ?この子には関係ないって」
勇者「どうしても意見は曲げてくれませんか」
村長「………」
勇者「それなら、それでいいです。でも、彼らがそれをゆるしてくれるかはわかりませんよ」
ギャギャッ
魔物「………」
村長「な…なぜ魔物がこの村に…」
勇者「言ったじゃないですか。今回は彼らのおかげで薬草をみつけられたって」
魔物「貴様…よくも姫様を…」
勇者「待てって!何のためにここまで来たんだよ」
娘「私は気にしていませんから、大丈夫です」
魔物「…姫様がそういうのなら」
村長「勇者よ、これはどういうことだ…」
勇者「彼らは和解をしに来たんです」
村長「和解?」
村長「魔物の和解?そんな馬鹿なことが…」
勇者「本当に馬鹿なことでしょうか? 今回、村が救われたのは彼らのおかげです」
村長「………」
勇者「人間とは、命の恩人の言うことも信じられない生き物なんでしょうか?」
村長「………」
娘「私のほうからもお願いします」
村長「…少し考えさせてくれ」
娘「大丈夫でしょうか…」
勇者「たぶん大丈夫さ、あのお固い村長が考えているんだ。」
娘「そうなんですか…」
勇者「あとは俺に任せろ…と言いたい所なんだけど…」
娘「なんでしょうか?」
勇者「あの、よかったらでいいんだ、よかったらで。君の力を貸してほしいんだ…」
娘「え?いいですよ」
勇者「できれば、ずっとこの村にいてほしい」
娘「いい村ですからね、ここに住むのもいいかもしれませんね」
勇者「…そうじゃなくて…もう…結婚してくれっ!」
娘「結婚って…誰と誰がですか?」
勇者「俺と君が」
娘「そ…そんな…急に言われても…それに、私は人間じゃありませんし」
勇者「そんなね関係ないって君も言ってたじゃないか。人間だろうと魔族だろうと…」
娘「それは…その…」
勇者「嫌なら嫌でかまわない。それで諦めるから」
娘「…い…嫌ではないですよ」
勇者「…嫌じゃないの?」
娘「あ…はい…勇者様は素敵な人だと思いますし…その…」
勇者「よ…よし…式をあげよう…」
娘「え?そ…そんな…いきなりなんですか!?」
勇者「うん、善は急げってね」
娘「そ、そういうのはもっとゆっくり進めていくものじゃ…」
勇者「まずは教会にいって…日取りを決めないとな」
娘「話を聞いてくださいよー!」
勇者と魔王の娘のお話はここいらで終わります。
魔物と人間の和解、結婚式の日取りと、
いろいろな問題が残っていますが。
この二人ならなんとかしてくれるはずです。
終わり
↓
勇者「いいからいいから」
娘「勇者さまぁ・・・」
娘「・・・話を聞けない人が、わかりあえると思いますか?」
勇者「ぐっ!」
娘「・・・今何よりしなければいけないのは、村長様に納得してもらえることではないですか?」
勇者「・・・そうだね。俺が間違ってたよ。・・・もう一度、村長の所に行こう」
娘「勇者様・・・」
勇者「村長・・・いますか?」
村長「・・・もう少し、考えさせてくれないか?」
勇者「何を考えることがあるのですか!魔物と私たちがいがみあうのは何のためですか?種族の違いのためですか?否違う!」
勇者「確かに彼女は魔王の娘。そして魔王は世界を征服しようとした。だけど魔王は魔王だし、娘は娘じゃないですか!だからこそ!」
村長「・・・うむぅ」
勇者「病めるときもー健やかなるときもー彼女を妻として愛することを誓いますぅぅぅぅ」
村長・娘「えええええええええ!?」
それから数日後・・・場面は変わり
中ボス「もう罠も仕掛けおわっちまったし、暇だなー。今日あたり中ボス娘に会いに帰るか」
ザコA「そーしてくださいよ!今日はもう俺らでやっとくんで、たまには帰ってくださいよ!」
ザコB「ソッス!最近中ボス叫び声がアンパンマンマーチにしかきこえねっす!少し休んだほうがいっすよ!」
中ボス「かなぁ、いつまでたっても勇者こねーしな。・・・こんなふがいない上司でオマエらには不憫な思いをさせるなぁ」
ザコA「本当です。今度パフパフカフェにでも連れてってもらわないと割りにアワネッす!」
中ボス「クククッ、はっきり言うなぁ、オマイらも」
中ボス「じゃ、わりいけど、今日は早退させてもらうとするよ。なんかあったらすぐ携帯に電話してくれよ」
ザコB「勇者なんて、俺がギガストラッシュで瞬殺っすよwwwうぇwwwうぇwww」
中ボス「頼んだぞ。・・・ちょっと魔王様に早退の報告だけするわ」
Trrrrrr.Trrrrrr.
魔王「うぇい」
中ボス「あ、お疲れ様です。中ボスです。本日早退させていただいてもよろしいでしょうか?」
魔王「早退?・・・あーごめんごめん、通達流してなかったっけ、俺この前勇者に負けてよぉ、今ふっかつのじゅもん唱えてんだよ。回復するまで数百年かかるから、数百年おまいら休暇やるわ。うぇっうぇっ」
中ボス「え!??数百年の休暇?」
アッタマテッカーテーカーハーゲテピッカーピーカー
ザコB「お、メールだ」
ザコA「お?誰だよ誰だよ」
ザコB「・・誰にも言うなよ?魔王女様(魔王の娘)だよ」
ザコA「ちょ、オメ、すげくね?すげくね?VIPじゃねVIP」
ザコB「おうよwwwVipperよwww・・・うぇ?」
ザコA「・・・ん?どしたよ?」
ザコB「・・・勇者と・・・魔王女様が・・・結婚した・・・だと!?」
魔王「ぬぁぁぁにぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!わしのところにはなにもきてないぞぉぉぉぉぉ!!!!」
中ボス「いてえす!いてえす!声でけえす!どうしたんですか?」
魔王「おまえのとこのザコが、わしの娘が勇者と結婚をしただのと抜かしておるじゃまいか!どういうことだ!」
中ボス「どういうことだ、といわれても・・・うーん。まあ、いんじゃないっすか?」
魔王「なんだと!?」
中ボス「魔王様は魔王女様に全く頭があがりませんよね?目に入れても痛くないぐらいかわいいでしょう?」
魔王「当たり前だ!!あいつのためなら死んだっていい!」
中ボス「孫はもっとかわいいんじゃないですか」
魔王「・・・」
中ボス「そろそろ、わしらの時代も終わらせてもいいんじゃねえか、なあ、魔王。同期で朝まで飲み明かした、あの時代に戻ろうぜ、な。」
魔王「・・・中ボス・・おまえ・・・」
中ボス「孫、男の子と女の子どっちがいい?」
魔王「どっちでもええわい♪」
リンゴーンリンゴーン
村人「おめでとう!勇者!」
勇者「おお、ありがとう。そんな複雑な顔すんなよー、村長よー」
村長「そりゃ複雑じゃわい。・・・少なくとも王様には報告できん」
勇者「まだいいだろ?あとあと自分でいくさ。納得しないようなら」
(みなごろしにしてやる。世界を救ったのにまともな褒美もよこさなかったくそ王め。せめて女ぐらいはいい思いをさせてくれ)
娘「勇者様、なにをしてらっしゃるんですか?みんなと一緒に騒ぎましょうよ!」
勇者「うん、いまいくよ。」
勇者(しかしこの生肉をむさぼる姿はいつか見慣れるのだろうか?)
・・・のちに二人の間には男の子が出来る。その子が中ボス娘と結婚するのはまだ先の話・・・・
その夜・・・
二人は新婚初夜を迎える・・・
勇者「じゃあ、はりきって、僕らの子供を作ろうか!」
娘「勇者様ったら!・・・ちょっとまってくださいね。準備しますから」
勇者「準備?いいよすぐに言っただっきまs;gぇr@kぽkq@!!」
娘「ハアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」
勇者「・・・な、なんだこの気は!!!かつての魔王以上じゃないか!!」
娘「をををををお、うげええろおえぷっ」
ドンッ
娘「・・・はい、準備できましたよ♪」
勇者「・・・そ、それはいったい?そしてきみは・・・?」
娘「もちろん卵ですよ!子供作るならあたりまえじゃないですか?」
勇者「・・・なんて戦闘力だ・・・こいつ、卵のくせに魔王以上の気を感じる・・・」
娘「お父様の戦闘力は1万8000、私の戦闘力が53万ですからね。卵でもお父様よりは強いかもしれません。うふっ。さあ勇者様、思う存分ぶっかけてください♪」
勇者「え?」
娘「女の子に言わせないでくださいよぉ、勇者様のオニンニンからぴゅっとこの子にかけてくださればいいですから・・・」
勇者「えええええええ?????」
それから5年後、勇者は魔法使いになり、さらにその後妖精になったそうな。
ごめんなんか変な終わり方になった。すまん。おしまい
終わり?
↓別パターン
勇者「…嫌じゃないの?」
娘「あ…はい…勇者様は素敵な人だと思いますし…その…」
勇者「よ…よし…式をあげよう…」
娘「え?そ…そんな…いきなりなんですか!?」
勇者「うん、善は急げってね」
娘「そ、そういうのはもっとゆっくり進めていくものじゃ…」
勇者「まずは教会にいって…日取りを決めないとな」
娘「話を聞いてくださいよー!」
娘「勇者様!聞いてくださいちゃんと…」
勇者「お、おう…」
娘「私は勇者様のこと嫌いとかじゃないです。ただまだ残ってる障害とかあります。それは例えば、人間と魔族の関係や、今この状況…それらが片付く限り私はお返事できません」
勇者「そう…だよな…ごめんな、先走って」
勇者(真剣な顔してる娘かぁぃぃよぅあう〜)
娘「謝ることはないですよ!勇者さん」
ギャギャッ
魔物「あのー俺たち忘れてイチャつかないでくれません?」
村長「待たせたな…」
勇者「考えはまとまりましたか?」
村長「あぁ、村の者たちを集め話し合ったよ」
勇者「それで?」
村長「皆の者!敵は少数!武器を取れぃ!」
娘「え!?」
勇者「村長!本気ですか!?」
魔物「ギャーーー!」
ドサッ
娘「弓!?それに、村の皆さんみんな武器を持ってこちらに…」
村長「勇者よ、いや、逆賊よ…少し前までは皆魔物の力に恐怖していたが今は違う…武器の発達、そして防具の進化、魔法を封じ込めたアイテム…これにより、ある程度の戦を乗り越えられる力を我々は手に入れたのだよ…人間と魔物の和解!?笑止!!いつの時代でも魔物、魔族は忌むべき存在、魔王無き今こそ、魔族を駆逐する時なのだよ…」
勇者「客観的に物を見れないからそんな事しか言えないんだ!」←娘に惚れただけ
魔物「もういい、勇者よ…向こうから銀の矢の挨拶は受けたぞ…お返事しなくっちゃ、なぁ!!!」
ギャーギャーギギギ
娘「ダメ…こんなの…まただわ…また命が血で…」
村人A「うおおおおおおおお!」
魔物「がああああああああ!」
娘「嫌…!」
勇者「ちくしょおおおお!俺は皆を切りたくは無い!魔族だって!この村の人たちだって!」
村人B「剣を取り戦えよ!逆賊!」
娘「嫌…!」
村人C「今まで散々魔王に苦しめられてきたんだ!魔王の娘!その首いただくぜええええ!」
娘「いやあああああああああああああああああ!!」
ザクッ カラン…
勇者「これで本当に逆賊になっちまったな…」
娘「勇者様…」
村人D「シゲル!っよくもー!」(村人Cはシゲルだった様です)
勇者「困るんだよね…脇役如きが名前手に入れちゃさ」
ザクッ
村人D「お…俺の…な、ま…」
勇者「…るぞ…」
娘「え?」
勇者「逃げるぞ!魔物達にも退却するように言って!」
娘「あ!はい!」
勇者「薬草を取りに行った所まで行こう!そこならさすがにすぐには登って来れないから!」
娘「わかりました!ギルメゾバルガファーブルスコモルスァ」
勇者(え、今モルスァって言った///)
魔物「王女からの撤退命令だ!お前ら!退くぞ!!」
勇者「家によって財布とアイテム確保してから行く!(鍋の残りで作ったおじや食べたいし)」
娘「はい!わかりました!」
魔物「すぐに追いついてこいよ!お前がいない間、姫様は私が守るさ」
勇者「よろしく」
勇者「俺の家の周り誰もいなくてよかった…」
勇者「さて、財布と一人へそくり持ったし、アイテムも一通り持っただろ?」
勇者「あ、ユーキャンでもらったボールペンもっていこ」
勇者「くそ!おじや残ってなかった!もういいや、反逆者らしく家に火でも点けていくか…」
勇者「これで戻る場所もなくなった…行くか…」
娘「皆さん大丈夫ですか?」
魔物「4匹ほど仲間が人間達にやられましたが…それほど被害はありません…」
娘「4人の戦士達に安らぎある眠りを…」
魔物「姫様にそう祈られればきっと救われます」
勇者「お待たせ…」
娘「勇者様!」
魔物達「……」
勇者「皆、すまない…恩を仇で返すなんてことしてしまって…」
魔物「あんたが悪い訳じゃねーさ」
魔物「そうだ…まぁ人間達とわかりあえるなんて思ってなかったがね…」
勇者「…」
娘「魔族と人間達が分かり合える日が来ると思っていたのに…」
勇者「早くて今日にでもうちのバカ王の所に話しがいくだろうな、そしたら本格的に魔物狩りが始まる事になりそうだ」
娘「魔物狩り!?」
勇者「あぁ、最近そんな話しを聞いた、なんでも魔王がいない今こそ、魔族を根絶やしにするチャンスとか言ってバカ王が準備していたみたいだ、きっとすぐにでも始めようとするだろうな」
娘「そんな…あんまりです…」
勇者「ましてや、俺がこっち側にいるんだ、焦るだろうよ」
娘「え…?」
勇者「だから、俺がこっち側にいるって」
娘「そんな!ダメですよ!これ以上私達にかかわったら本当に勇者様は裏切り者になってしまいます!」
勇者「君を守ったあの時から、俺は覚悟出来てるよ」
娘「勇者様…」
魔物「あのー俺たち忘れてイチャつかないでくれません?」
魔物「ちょっと待ってくれ、さっきからバカ王などと言っているがどれ程バカなのだ?」
勇者「俺が体験した話しをするなら、16歳になったってだけで勇者とか言って持ち上げ始めただろ? それと、引き算は得意だが足し算は出来ない。あと、椅子にずっと座ってるが実は立ってる」
魔物「よくわからんな」
魔物「そんなことより、あっちの兵力はどれくらいだろうな」
勇者「この山の魔族はどのくらいいるんだ?」
魔物「ざっと100前後ってところだな」
勇者「そうか、たぶん向こうは国を挙げての作戦だ、仕官もしていたと思う、きっと1000人は下らないだろうな」
娘「そんなに!?」
勇者「まぁずっとここにいれば間違いなく終わりだろうな、でも魔族は何匹いるんだ?」
勇者「それに忘れたか?俺は最強の人間だぜ?」無駄にキラキラした絵をご想像ください
娘「勇者様が居てくれるならとても心強いです」
魔物「じゃあこれからどうするんだ?」
勇者「まぁまぁ、まだすぐに敵が来るわけでもない、飯にしようぜ」
魔物「そーくるとおもって用意しておいたでげすよー」
娘「わー豚の丸焼き♪それもこんな沢山!大好物なんです私」
勇者(あぶない…普通に話してて忘れてた…この娘魔族でしたね…)
勇者「ありがとう、焼いてあるなら俺も食べれるからな…」
魔物「今日は宴だ!呑むぞー!」
勇者「酒あんの!?」
娘「魔族が飲むのは酒か、人間の血ですよ♪」ニッコリ
魔族「安心しな勇者さん!今日は酒だよー!ほら呑め呑め!」
こうして、歴史的に大きな変革をもたらした日は暮れていった
娘「勇者様!起きてください!」
勇者「ほへ〜もう呑めない…ムニャ」
娘「そんなありきたりな寝ぼけかたしないでください!」
zzzz
娘「仕方ないですね…」
娘「(耳元で)心臓えぐっちゃいますよ…♪」
ガバッ!
勇者「おはようござござごいます!!!」
娘「冗談ですよ♪今日はどうするんです?」
勇者「ん〜たぶんそろそろ向こうも動き出していると思うからな、どこかに移動してこっちも兵力蓄えて…ふぁぁ〜…城にでも篭るかい?」
娘「城…ですか?」
勇者「そう、城」
娘「でしたら、私のお城なんてどうです?」
勇者「君のお城って事は…」
娘「お父様が…魔王が君臨していた場所です」
勇者「なるほど、そいつはいいな!よし、二人の新居はそこに決定!」
娘「私にとっては新居じゃないですけどね」
勇者「はっ!俺が婿みたいな形になってしまう
勇者「はっ!俺が婿みたいな形になってしまう!いや!というかまんまマ○オさん状態!」
娘「ん? ○リオさん?」
勇者「惜しい、あいつも彼女の方がいい家住んでるけど違う!」
勇者「じゃあ今日は山を降りて城を目指すか、魔族の皆にも伝えておいてくれ」
娘「はい!」
勇者一向は山を降り、森の中を歩いていくのであった(水戸黄門的ナレーションで)
勇者「どうだ?森の中の魔物達にも声かけて力になってくれそうか?」
魔物「はい、多くは力になると言ってこの大名行列のように長い列に参加してくれています」
魔物「しかしーやっぱ中にはー人間にー従ってるみたいでーマジいやなんですけどーって魔物もいるしー、家族のため山や森を離れられないってやつはー来てないっす」
勇者「そうか、まぁそれは仕方ないな」
魔物「私は勇者殿を慕い、いい結果になると思っていますよ」
娘「いつの間にかリーダーって感じですね」アララウフフ
勇者「別に俺はそんなつもりはないんだけどな…それにここまでみんな協力的なのは君のおかげだと思うよ?はっきり言ってみんな君を慕ってるんだよ、俺もその一人さ」
娘「そんな///慕ってるなんてやめてください…私の方こそ勇者様に…」
魔物「まーた始まった」
勇者「リーダーっていうか!ほら、あくまで一時的な助っ人みたいなもんだよ! 君がいなかったらみんな力になってくれないしね!」
娘「でも…私がいなかったら…勇者様を巻き込んでこんなことなんかに…」
勇者「そんなこと言ったら、病気の人間なんていなければ…やめようぜ」
娘「そうですね…」
魔物「敵だ!かなりの数だ!」
勇者「早いな!もう来たか!おい、魔王女を頼んだぞ!」
魔物「了解っす」
魔物「はいはーい!」
娘「気をつけてくださいね!」
勇者「数は!?」
魔物「ざっとー200ってーかんじーっすかね」
勇者「もっと少数の部隊で動いてると思ったら以外に多いな…」
兵士A「小隊長!魔物の群れを発見しました!」
兵士B「その横に裏切り者、勇者の姿も発見!」
小隊長「くくく、運がいいな…こんなに早く見つけられるとは…」
魔物「勇者さん、今森の仲間に聞いたんですけど、どうやら敵はこいつらの隊のみそして、森の仲間はこいつらの進軍によってかなり殺されたと…っ!」
勇者「…」
小隊長「聞こえるかー!元勇者よ!」
勇者「なんだー?銀色鉄仮面!」
小隊長「そんな変な呼び方をするなー!私の名m」
勇者「おっと!そこまでだー!それ以上言ったらお前の寿命がマッハだぞ!」
小隊長「訳のわからん事を…!」
勇者(向こうが200人か…こっちは100に毛が生えた程度…逃げるか…?それとも…)
勇者「おい…耳をかせ」
魔物「なんですか?」
ごにょごにょ
魔物「それは、面白いですねw」
勇者「実際やったことないからわからんが賭けだ、たぶんこれが両軍共に犠牲が少ないだろう」
小隊長「なんだ?相談か?こそこそと」
勇者「いいや、もう終わったさ」
小隊長「ならば行くぞ!魔族ども!駆逐してくれる!」
兵士達「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
魔物達「がああああああああああああ!!」
勇者(よし…いい感じだ…)
勇者「もっと囲め!やつらを一箇所に固めろ!」
兵士B「何を企んでるか知らんが死ね!逆賊!」
勇者「しまった!後ろか!」
ジャキンッ
魔物「すげー痛いんですけどー…」
勇者「え!?お前…く!はあああ!」
グサッ!
兵士B「無念…」バタリ
勇者「おい!なんで俺をかばったんだ!」
魔物「だってー…お…れーバカだけどーマジ勇者さんきてくれてーマジうれしかったんすもん…最…最後…までーついてーいきたかったすねー…王女…頼んだ…っすよ?」
勇者「くっ…お前達を糧に力をつけてきた俺をこんなに信じてくれるなんて…」
勇者「ならば宣誓しよう、私勇者は魔族の力をかって国王軍に勝つと…」
魔物「マジ…感謝っす…さぁーおれはー…もういいっす…作戦…すいこうーしてー・・・」
勇者「しからば!」
魔物「勇者殿!敵は大体一箇所に固まりましたよ!」
勇者「了解した!」
小隊長「これ!バカ共!なんで俺にこんなくっつきながら戦ってるんだ!動きにくいだろ!」
兵士C「こっちもぎゅーぎゅーでうごけないっすよー!」
勇者「そんな固まってちゃあ、あんたら自由に動けないでしょ?」
小隊長「お、の、れー!」
勇者「そんなに固まってちゃあ、一気に死んじゃうよ?」
小隊長「な、何をする気だ!おい!やめろ!」
勇者「バイバイ」
兵士達「うわあああ!」
小隊長「おたすけーーーーーー!!」
勇者「ルーラ!」
ビューーン!
勇者「国に帰って負け戦でも報告してな…」
勇者「なんとか勝ったな・・・」
魔物「えぇ・・・勇者殿のおかげです」
勇者「ルーラで飛ばし切れなかった兵士は殺すなよ?」
魔物「わかっています、彼らも戦う気など無く逃げていきましたから」
勇者「それならよかった。さ、お姫さま所に合流だ」
娘「あ!勇者様!」
勇者「ただいま」
娘「お怪我はありませんか?」
勇者「あぁ…俺はな…仲間は失ったが…」
娘「…」
勇者「行こう…追っ手はきっと沢山くるだろうから」
娘「はい!」
かくして、勇者一向は森を抜け次なる地へと向かった。果たして!この先どうなる勇者!(ドラゴンボール的ナレーションで
勇者「ここからだと城までどれくらいだっけな」
娘「そうですねー私に聞かれましても…」
勇者「え?俺の村まで歩いて来たもんだと思ってたけど」
娘「飛べる魔物に送ってもらったんですよ。だから地理はさっぱりです」
勇者「そうなのか…」
娘「それに元々箱入り娘って感じでしたからね♪」
勇者(自分で言うか?)
勇者「確か近くに大きい街があったな」
娘「寄りますか?もしあれなら魔物達には近くで待機してもらって」
魔物「私達はかまいませんよ。それに、もう夜も遅い、姫様に野宿させるのも気が引けますからね」
勇者「そうか、どうする?俺は野宿は慣れてるけど、やっぱお風呂とか入りたいっしょ?」
勇者(俺は一緒に入りたいけどね///)
娘「ではお言葉に甘えて、街に一回立ち寄りましょうか」
勇者「じゃあお前達はここで待機していてくれ明日の早朝には必ず戻る」
魔物「わかりました」
娘「行ってきますね」
娘「少し街から離れてるのに街の光がここからでもわかりますね」
勇者「あの街はこの辺りでも結構でかいところだからな」
娘「あんな沢山の光を見ると、人間達はなんて活気ある生き物なんだろうと思えます」
勇者「確かに、魔族の世界とは違う発展をしているもんな」
娘「魔族と人間が共存し、お互いの技術を発展させられれば幸せなんですがね…」
勇者「まぁそう簡単にはやっぱ行かないな、世界を動かしてるのは頭の固いじじい達ばっかだバカ王だって、あの村長だってな…変えなくちゃな」
娘「うふふ、何をですか?」
勇者「世界を!」
娘「あらあら、何だかお父様みたいですね」
勇者「え?…そうかな」
宿屋「いらっしゃい、何名様でしょうか?」
勇者「二人です」
宿屋「か、かしこまりました、すぐにお部屋をご用意いたします」
勇者「少し街見て行きたいんだけどいいかな?」
宿屋「え、えぇどうぞ、204号室をご用意しておきますので、帰って来られたらこちらの鍵で中にどうぞ」
勇者「まだ時間あるし街の中歩かない?」
娘「あ、はい!」
宿屋「兵隊さん!勇者です!勇者が来ました!」
兵士「なに?勇者ってあの手配書の出ている?」
宿屋「えぇ、今街の中に…」
兵士「わかった、情報感謝する!」
娘「わー!勇者様!なんですかーこれ!」
勇者「それはカラーひよこだよ」
娘「緑がとってもおいしそう!」
勇者(何も言えないわ…)
街兵士A「こちらA…勇者はおにゃのこそれもかなりかわいい子とイチャついてますどうぞ」
街兵士B「こちらB…こちらからも確認できます!すごくかわいくてなんで俺こんなことしてるんだろうと悲しくなってきましたどうぞ」
街兵士A「あ!転びそうになったおにゃのこを優しく抱きとめましたどうぞ!」
街兵士B「勇者の顔が手配書の3倍伸びてます!どうぞ!」
街兵士C「おまえら糸電話で何遊んでんの?」
街兵士A「ぶたなくても…」
街兵士C「いいか?敵は二人!しかも一人は…うわ本当にかわいいな…女の子だ!」
街兵士B「かわいいだろ?」
街兵士C「ごほん…こっちは三人!こそこそしなくても全然大丈夫!勝てる!」
街兵士A「てかなんで三人しかいないんだよ…」
街兵士C「そこはどーでもいいでしょう!ほら!勝てるよ!全然気持ち伝わってこないよ!」
街兵士A「すいません…」
街兵士C「いいか?戦を征するのは数だ!1.5対3 ほら、どっちが強い!」
街兵士A「3…ですかね?」
街兵士C「はい決まった!そうでしょー!?なら臆するな!わかtt」
街兵士B「あ、今パンツ見えそうだった」
兵士A、C「!!」
街兵士B「見えなかったからってぶたなくても…」
街兵士C「よし、いいか!我々街兵士隊の誇りに懸けて!勇者をとっ捕まえるぞ!」
兵士A、B「おー^^」
勇者「なんかさっきから後ろの方騒がしいな…」
街兵士A「で、作戦は?」
街兵士C「一人が女の子を捕まえ、二人がかりで勇者を仕留める!」
街兵士A「なるほど…巧妙な作戦だ」
街兵士C「だろ?いくら歴戦の勇者であろうとも我らを二人同時相手なんてこと出来はしない!」
街兵士A「あぁまったくだ…」
街兵士C「では役割を決めるぞ、俺が女の子捕まえるからお前ら勇者の相手ね」
街兵士B「おい!今まで黙って聞いてたが!そうは行かないぞ!」
街兵士A「お前だけいい思い…あ、やさしく後ろから捕まえたら偶然!もう本当偶然おっぱい触っちゃったなんて事考えてるんじゃねーだろうな!」
街兵士C「おいおいそんな邪な考えな訳ないだろう?俺よりもお前らの方が強いからさ…」
街兵士A「嘘を付け嘘を!」
街兵士C「あーわかりましたよ!そうですよー楽な方もとい、ぷにゅっとな方を選びましたよー」
街兵士B「何開き直ってるんだ!」
街兵士C「じゃあわかりましたよ!じゃんけん!じゃんけんでいいっすよね?」
街兵士A「臨むところだ!」
街兵士B「いいよいいよー」
街兵士C「よーしいくぞー!じゃんけん!
兵士ABC「ほい!」
「おっしゃーーーーーー!」
娘「この街は夜でも本当ににぎやかですね♪」
勇者「どっちかって言うとうるさいがな…てかそのカラーひよこどうすんだ…?」
娘「え?うふふ」
勇者(まぶしい笑顔が怖いよ…)
街兵士A「よーし!お前らがんばるぞー!」←勝者(もとい後の犠牲者)
街兵士B、C「おー…」
街兵士A「では!作戦通り一気に勇者達を襲う!俺は…どぅふ!どぅふふふh!」
街兵士B「へいへい…」
街兵士C「もういくよ〜せーの!」
娘「きゃ!」
街兵士A「捕まえた!!!(ポケモ○ゲットだぜ!)」
街兵士B「動くなよ勇者!」
街兵士C「かわいい彼女が痛い目見るぜ!?」
勇者「わーひきょうなー」
街兵士A「なんだその反応は!この娘がどうなってもいいのか!」
勇者「たすけてー」
娘「勇者様!二人がかりで勇者様を!許せないわ!うおおおおおおお!」
街兵士A「ひょ!?」
娘「いつまで抱きついてるのよ!変態兵士!」
街兵士A「あれ…地面が離れてく…浮いていく…」
娘「でやああああああああ!」
ドヒューン☆
街兵士C「そんな報告いらない!見ればわk
バーン☆
娘「大丈夫ですか!?勇者様!?」
勇者「あぁ…助かったよ(鎧着た大の男をあそこまで投げ飛ばすとは…)」
娘「もう!なんなんですかね!あの人達!ぷんぷん」
勇者(ぷんぷんって言ってる子初めて見た///)
勇者「はい、カラーひよこ。俺が持っててよかったね」
娘「本当ですね!じゃあ宿屋に戻りましょうか♪」
街兵士A「あ!?大きな星が点いたり消えたりしている。はははは、大きい。彗星かなあ。いや、違うなあ。彗星はもっと、バーっと動くもんな。暑っ苦しいなあ、ここ。ふう、出られないかなあ。おーい、出してくださいよ、ねえ」
宿屋「お、おかえりなさいませお客様!」
勇者「おう、娘、先にお風呂入ってきなさい?」
娘「はーい!」
テケテケテケーン
勇者「おやじ」
宿屋「は、はい!」
勇者「楽しいイベントありがとう」
宿屋「ももももも申し訳ございません!お代は結構ですので!命だけは!」
勇者「あっそ、いやー助かるなーありがと」
娘「さぁぴよちゃん(カラーひよこ)一緒にお風呂入りましょうね〜」
ぴよこ「ぴよぴよ」
娘「そろそろ上がりますよー」
勇者「ほーい、俺も入る準備しよ」
娘「気持ちよかったです」
勇者(あ、カラーひよこ黄色くなってる)
勇者「じゃあ先寝ててもいいからね?」
娘「わかりましたー!」
濡れ場いる?
宿屋「昨晩はお楽しみでしたね」
勇者「は、はぁ」
娘「//////」
勇者(なんで赤くなる!)
勇者「お待たせみんな」
魔物「無事でしたか」
勇者「変なのには巻き込まれたがなw」
娘「楽しかったですよ★」
勇者「よーし城に向けていくぞー」
みんな「おー^^」
兵士「小隊長殿!本当に勇者達はここを通るんでしょうか?」
小隊長「こないだおめおめと逃げ帰ってきた部隊の話しによるとこっちの方角に向かっているらしい」
兵士「はぁ」
小隊長「ならば絶対にこの谷を通るはずだ、アレの準備できているか?」
兵士「えぇしっかりと」
小隊長「そうか、ふふふ、綺麗に飾りつけろよ」
兵士「はっ!」
勇者「なんとなく思い出したぞ」
娘「何がです?」
勇者「君のお城への行き方だよ、確か二つ連なっている山の谷を抜けるんだ」
娘「ふたご島と呼ばれる山ですね?あそこには伝説の[ピーーーー]が眠ってると言われ…」
魔物「姫様、それは迷信でございます」
勇者「ごほん…んで、谷を抜ければすぐだったよ」
娘「そうでしたね!お城からも山が見えましたから」
勇者「谷の入り口が見えてきたぞ」
娘「ずいぶん険しい道ですね…」
魔物「勇者殿、辺りの魔物に協力要請をしたんですがなにやら数も少ないですし様子も変です…」
勇者「様子が変?…王国の者が先回りしているのか?」
魔物「いや、詳しくはわからないのですが、最近魔物の数が減っているらしく消息不明なのだとか」
勇者「みんな、気を付けろよ…」
魔物「はっ!」
娘「もし、あれでしたら、様子を見てきてもらえますか?」
魔物「了解です!私は飛べますからね、敵が居てもすぐに飛んで帰ってこれます」
勇者「そうか、頼んだぞ」
娘「だいぶ…歩きましたね…」
勇者「そうですね…疲れましたか?」
娘「いえ…大丈夫ですよ…これくらい…」
勇者(汗ばんでる娘かぁぃぃ!お持ち帰り〜…あ、家もうねーや)
勇者「そういえばあいつ遅いな…」
魔物「あの方なら大丈夫ですよ。なんたってかなりの兵ですからね!」
勇者「確かにあの種族には俺も苦しめられたからなー」
娘「アストロン?」
勇者「それは時間稼ぎです^^」
娘「あ、お花畑が見えますよ」
勇者「あぁ懐かしいな…俺もここに来たときはこの花達に迎えられ感動したっけ…」
娘「勇者様…なんですか?あれ?」
勇者「ん?なんかあるな…かなりの数だ…行こう」
娘「はい…(なんだか嫌な胸騒ぎが…)」
勇者「これは!?」
娘「うぅ…」
そこには無残に切り刻まれ、貼り付けにされた魔物達の姿があった…
娘「ひどい…ひどいわ…」
そして、偵察の為に飛び立っていった”仲間”もまだ血の乾かぬまま矢で射抜かれ貼り付けられていた
勇者「くそ!帰りが遅いからもしやと思ったが…これが!これが人間のすることか!」
???「そー これが人間のする事なんだよ〜 元勇者くぅん」
勇者「誰だ!」
小隊長「覚えてるかな〜覚えてないよね〜僕は見たことあるけど〜前はお城の門番やってたんだ〜」
勇者「門番?はっそんなんどうだっていい!やったのはお前か!」
小隊長「まぁ聞いてくれよ〜僕は出世したんだよ〜君に話しかけられたこともある。下っ端の僕は「ここがお城です」なんて事しか言う権利もらえなかったからね。おしゃべりがだ〜い好きなんだよ〜」
小隊長「そう〜出世した話しなんだけどね〜魔王が倒されただろ〜? そのときに城にうす汚い魔物が攻め込んで来たんだ〜もちろん門番の僕が一番最初に戦うよね〜そのとき僕はみ〜んなやってけたんだ。槍で射殺し!汚い魔物の血を浴びながら!僕は必死に戦ったんだ! 見事〜城には誰も入れなかった〜そのご褒美♪今回この隊の小隊長さ〜」
勇者「……」
小隊長「それでね〜せっかくまた勇者くぅんと会えると思って綺麗にきれ〜に飾りつけしてんだよ〜気に入ってくれたかい〜?あは!あは!あはっはっはっはっは!」
勇者「腐ってやがる」
小隊長「腐ってる!?誰が!?僕が!?勇者くぅん…君だって魔物の血を浴び強くなったろ〜同属嫌悪じゃないのかな〜え?違うかい〜?」
勇者「違う」
小隊長「あはは…どこが?ど〜こ〜が〜?」
勇者「背負ってる物が違うんだよ!」
小隊長「あはは〜熱くなってくれたかな〜感じてくれた〜?あははははははははほら行くよ!お前たち!魔物狩りだ!逆賊と魔物を狩れ!血を浴び!肉踊れ!!」
勇者「娘…下がってろ…」
娘「…はい…」
魔物「王女様こちらへ…」
魔物達も猛っていた…卑劣な人間の言葉に怒りを…
勇者「…」
勇者は剣を抜き剣を水平に構えた
勇者「この剣より先に出るな…」
小隊長「魔物達を制止してるのか〜い?この人数を一人でど〜するの〜?あは!あっはっはがが!!!」
スゥー
大きく息を吸い呼吸を整える
勇者「ギガ…デイン!」
激しい稲妻が兵士達を撃つ!
小隊長「おほ〜怖いね〜怖いね〜!祭りだよ!フェスティバルだ!!!」
勇者「バギクロス!」
小隊長「これは避けないとね〜ほら!お前盾になれよ!しっかりさ〜!」
兵士「しょ、小隊長殿!掴まないでください!くるぅううううわ!わあああああああああ」
小隊長「あはっはっはがが!むごいね〜むごいね〜!あははっはっはがが!」
勇者「お前ほどじゃないよ…」
小隊長(なに!?もう後ろに…!)
勇者「魔人斬り!!」
小隊長「くが!痛みだ!痛い!いたいね〜!死ね!」
勇者「お前の剣じゃ痛みは感じないな…さよならだ」
勇者「ギガスラッシュ!」
小隊長「…ま…じん…斬り…なんてなんでしたんだ〜い…」
勇者「心の…心の表れじゃねーか?」
小隊長「そ〜か…そ〜か…」ドサッ
娘「勇者様…」
勇者「城はすぐそこだ…行くぞ」
娘「はい!」
娘「その前にいいですか?」
勇者「ここ綺麗にしないとな…」
娘「はい…」
勇者「息のある人間は逃がせ、あとは埋葬を手伝ってくれ」
魔物達「はい!」
娘「花…散っちゃっいましたね…」
勇者「また生えてくるさ…」
娘「でも…散った花とは似ているけど違う花ですね…」
勇者「……」
勇者「結構かかったな…」
娘「そうですね、谷があんなに長いとは…」
勇者「なんか素直に懐かしいって思えちゃうよこの城も」
娘「私もです…たった数日の間離れてただけなのに…」
魔物「王女様!おかえりなさいませ!お話しは伺っております!どうぞ女王の下へ!女王がお待ちです」
娘「お出迎えありがとう」
勇者(あ、すっかり忘れてたけどお母さんも美人なんだろうなー)
勇者(やべーなんか緊張してきた///)
魔物「こちらです」
勇者「……」
女王「お帰りなさい、娘よ」
勇者(すんげー美人がそこにいた!)
娘「ただいま!お母様!」
女王「勇者よ…まずは娘を守ってくれてありがとう」
勇者「い、いえ…」
女王「固くならないで、どうぞお掛けになってください」
勇者「はい…」
女王「さて、あなたには今選択肢があります…ここで暮らすか…ここで死ぬか…」
勇者「あはっは…死にたくはないですね…」
女王「でも、私は殺す理由はあるわ。夫を殺され、他にもかわいい魔族の仲間が殺された…」
娘「お母様!」
女王「しかし、下からの報告を聞く限りじゃ、今回は私達の為に戦ってくれているみたいね? どうします?死ぬか…私達と共に生きるか…」
勇者「それならもう決まってます。俺、娘と結婚したいですから」
娘「!」
女王「娘よ…貴女はどう思っているのかしら?」
娘「私は……」
娘「私は、勇者様が好きです!お父様が殺されて憎んだりもしました!でも、今は違う! 純粋にあなたともっと、ずっと一緒に…いたいです///」
勇者「娘…」
女王「決まりみたいね…でも、貴方に人間が殺せるかしら?」
勇者「そんな迷いがあったら結婚なんて出来ませんよ…それに…本当に忌むべき者は人間なのかも知れません自分勝手で、いつも優劣ばかり気にして、勝ち負けで物事を判断し、殺し、妬みもううんざりです…」
ファサ
女王「貴方の物よ…」
勇者「これは…魔王のマント…」
女王「これは先祖代々受け継がれるマント…消して燃えたり切れたりしないマント…」
勇者「俺が?俺が魔王
勇者「俺が?俺が魔王…!?」
女王「お気に召しませんか?」
勇者「えっと…事態が飲み込めないというか…」
女王「あら?娘と結婚する気なんですわよね? そうしたら王女の婿様=次の魔王誕生ですわ♪」
勇者(そんな全世界が揺らぐ重大発表を楽しそうに言われても…)
娘「勇者さm…ううん…私の魔王様かしら♪」
勇者「そうだな…あぁ…世界を変えてやるよ…この汚い世界を!今日から魔王だ!」
その後圧倒的な勢力で王国軍を蹴散らし、最強で最悪の魔王は寿命を迎えるまで君臨し続けていた…
魔王「あれれ〜僕の復活はまだなの〜?」
おしまい
終わりです
お粗末様でした
途中でカラーひよこの存在忘れてましたw
勇者「ふっふふ〜ん♪娘ちゃーん一緒に入りましょ〜♪…なんて言えない…」
娘「きゃーー!」
勇者「どうした!」
娘「ぴよちゃんが!ぴよちゃんが!」
勇者「まさか!」
娘「緑から黄色に!」
勇者「真実を知ってしまったんだね…」
↓「昨晩のお楽しみ」を描写して欲しい
勇者「ふぅ〜うちのお風呂より広かったな…勇者よりいい風呂とは生意気だぞ!」
勇者(…寝ちゃったかな?)
娘「むにゃ…むにゃ…」
zzz
勇者(さすがに眠り方は普通の女の子か)
勇者(かわいいな…やっぱり魔王の娘とは思えん…)
勇者(どうしよっか…)
勇者「ふゎ〜眠くなってきちゃったな…」
娘「ふわぁ〜あれ?寝ちゃいました…」
勇者「あら、起きちゃった?」
勇者(そんなに殺気だった視線送ってたのか俺…)
娘「ベッドふわふわですぐ寝ちゃいましたよ〜」
勇者「しかし、なんでこの部屋ベッド1つしかないんだ?」
娘「…///」
勇者(赤くなるなよ…)
娘「勇者様…寝ないんですか?」
勇者(そんなベッドの上から上目使いで…やべ…俺の皆殺しの剣が…)
勇者「いや…寝るけど…ソファで寝ようかな…」
娘「ソファじゃきっと寒いですよ?…一緒じゃ嫌ですか?」
勇者(そんなことないやないか〜い!)
勇者「い、いやいや!そんな事ないよ!なんていうか…一緒に寝たら…何するかわかんないよ?」
勇者(まぁ俺童貞だけど…)
娘「大丈夫ですよ♪もしなんかあったら振りほどいちゃいますから☆」
勇者(あの街兵士みたいにはなりたくないな…俺のがひのき棒にまでランクダウンした…)
勇者「冗談だよ…でも本当、隣りいっていい?」
娘「いいですよ………勇者様なら…」
勇者(ちくしょー!なんだ!これはあれか!魔王の罠なのか!)
勇者「し、失礼しまーす…」
勇者「な、なんでそんなに近いのかな?…かな?」
娘「人肌って温かいじゃないですか〜私魔族ですけど〜ぬくぬく」
勇者(一番熱い場所知ってる?それはね!それは!)
娘「不思議ですね…」
勇者「え?」
勇者「不思議って?」
娘「私は魔族、魔物です…勇者様は人間…しかも、私のお父様と殺し合いまでした…」
勇者「…」
娘「でも…そんなのどうでもよくなっちゃうくらい安心するんです…」
勇者「安心?」
娘「勇者様といると…安心するの…」
勇者「娘…」
娘「……」
勇者(このタイミングってキスしていいのか…?でも、唇が自然と近づいてく…)
娘「ん…」
勇者(柔らかい…魔物の肉ってこんなに柔らかいのか…?頭がぼーっとしてくる。キスってこんなにエロい行為なんだ…)
娘「…糸引いてます…口と口を伝って…」
勇者(もう何も考えられん!今この封印されし者の肉棒を開放しなくては!)
娘「きゃ!…」
娘(押し倒されちゃった…勇者様…息が荒い…)
勇者「振りほどかないの・・・?」
勇者(ただ小さく頷く娘がかわいくて堪らなかった、そしてまた小さくキスをした)
勇者「脱がしてもいい…?」
娘「いちいちそんなこと聞かないでください///」
勇者「ご、ごめん…」
娘「謝らないでください///」
勇者(ゆっくりと脱がしていくとそこには双子山部屋が俺の入門を待っていた…)
勇者「以外に…でかいんだね…」
娘「そういうことも言わないでください///」
勇者「恥ずかしがってる顔、すごくかわいいよ…」
娘「…むぅ〜///」
勇者(恐る恐る手を伸ばし、たわわと実った果実を丁寧に味わう…美味なり…)
娘「はぅ〜なんか変です…すごく変です…」
勇者「俺のルビスの剣もすごく変です…」
娘「ルビスの剣…?」
勇者「なんでもない!ただの妄言だ!」
娘「ルビスの剣ってこれですか…?」
勇者(細く白い腕が俺の急所に会心の一撃!そんなソフトにタッチしないでくれ!)
娘「鉄のように固いですね…」
勇者「あの、俺もう…」
勇者(枕で半分顔を隠しながら娘は小さく頷いた・・・テレレッテッテッテーン♪硬さ+2 膨張+3 すばやさ+4あがった)
勇者(ゆっくりと娘の最後の砦を脱がしていく…画像でも見たことの無い部位が目の前に現れた)
勇者(娘の○○○は合体しさそうな目でこちらを見ている…目があったら怖いな…)
娘「きて…ください…」
勇者「あぁ…」
勇者(もうなにも考えられなかった。目の前にご馳走を出されれば何も疑わずに食べる。目の前に蹴りやすい石があれば蹴る。もうこれは無意識の行動に近かった。俺はゆっくりと娘へと腰を落として行く…)
娘「ぁぁ…」
勇者(俺は魔界の入り口へと進んだ。中は暗闇、しかし、暖かさと快楽しか感じられなかった)
娘「痛いと思いましたけど…そうでもないですね…」
勇者「え!?初めてだったの…」
娘「そういうの聞かないでください///」
勇者(そう言うと、白い体と赤い顔の間を枕で隠す…やべ…いきそ…)
勇者(膝ががくがくしてきた…魔界の蜜はとろりとし、魔界の道は快楽へと誘う…)
娘「ゆうしゃしゃま…そんな激しく…動かないでくらさいぁ、、ん」
勇者「な、なぁ…魔族と人間の混血って生まれるのかな…?」
娘「!…ためして…みます?」
勇者(え?なにこれ?なんてエロゲ?…もうどうにでもな〜れ♪)
娘「いっぱいですね…伝わってきます…」
勇者「なんか早漏でごめん…」
娘「そんなことないですよ!全然!」
勇者「でも俺!はやぶさの剣だから!!!」
娘「きゃ!」
おしまい
エロ…死にたい…
あえぎ声とか書くとこっちが恥ずかしい…
てか娘にはそんなに喘がせたくない…
枕を噛んで我慢している感じがええ
魔王の娘「…いつも父がすいません」
勇者「は、はあ…」
娘「何じゃその態度は! 余がしおらしく父の無礼を詫びているというのだぞ!?」
勇者「はいはいわかったわかった。で、今日は何壊したんだ?」
娘「武器屋の主人の家じゃ」
勇者「そのちっこい体でよくやるよなぁ。こないだは塔のじじいがムカつくからって島ごと沈めたよな」
勇者「とりあえず、言い訳を聞こうか」
娘「しゅ、主人が悪いんじゃ。勇者が父を倒せたのは自分の武器があったから。つまりそれは俺が魔王を倒したなどと余に言いふらしてな。
勇者「で、派手にやらかしたと。俺への迷惑も考えずに」
娘「…ごめんなさい」
勇者「またバカ国王に怒られるのか。参るなぁ」
娘「だ、だから謝っておるだろう!」
勇者「いや、俺にじゃなくて武器屋のオヤジに謝れ。むしろこれからお前に代わって怒られに行く俺に敬意を…」
ごす
勇者(オレ、なんで蹴られるんだ?)
娘「いいから早く怒られて来い! 衛兵が待っておる!」
勇者「ただいまー」
娘「おお、待ちわびておったぞ。して、事の運びはいかに?」
勇者「お前国外追放」
娘「え…。それは、つまり、どういうことじゃ?」
勇者「迷惑だから出てけって事。今すぐ出てかないならオレごと処刑だとさ」
娘「そ、そんな! やったのは余だぞ! なぜそなたが処刑されねばならん!? まことの賢王ならば余だけを討伐せよと命すべきではないのか!?」
勇者「でも陛下のご命令だしー」
娘「う……いくら住処を失ったとはいえ、断りも無く居候されるのはやはり迷惑だったのか?」
勇者「さぁ?」
娘「そなたの態度からして、これ以上謝ってどうなるものではないのだろう。それに、余を追い出せば事が済むのも確か。でも、どうにかならぬのか? また一人になるのだけは嫌じゃ…」
娘「それに、余は暴君の娘。そなたのように受け入れてくれる場所がどこにある? なにか、出て行かずに済む方法は無いのか?」
勇者「わかってる。人のいる所で暮らしたいんだろ。ちゃんと言い負かしてきたから泣くな」
娘「へ?」
勇者「これだけの力のある魔物を野に放てば次の日には魔王化して世界はおしまいだ。それでもいいのかってな。バカ王のビビり具合は見物だったぜ」
娘「じゃ、じゃあ…、出て行かなくてもいいのか? ここにいてもいいのか?」
勇者「うん」
娘「よ、よかった…。またあの生活に戻らなくてはならないと思うと、余は…」
勇者「つうか、お前みたいなちっこいの追い出せとか無理だってwwwwww」
娘「ちっ、ちっこいとか言うなー!」
勇者「魔王さんよ。アンタの娘は今日も元気だぜ…ぐふっ」
娘「なっ、ちょっ、死ぬな! 言ったそばから余をおいていくなー!」
勇者「ふぅ、死ぬかと思ったぜ」
娘「父の猛攻をあれだけ受けても倒れなかったというのに。そなた、鈍ったのではないか?」
勇者「いやあれは防具あったからだって。なかったら一撃で死んでるって」
娘「そうか。じゃあ次はあの鎧を投げつけるとするか」
勇者「いやいやいや。潰れて死ぬから圧死するから」
娘「そなた。なぜこうも毎日家の中でダラダラしておるのだ?」
勇者「んあー? だってやることねーし。魔物もお前を人質にされてると思ってるのか街にこねーしな」
娘「そなたの働きに惚れ込んでここまで来たというのに。こんな体たらくとは…」
娘「そうか。魔物にここまで救出に来るようウソを吹き込めばそなたは働かざるをえないわけか。ならば早速…」
勇者「ん? 娘、なにやってるんだ?」
娘「うむ。ちょいと手文をな。うう、字を書くとはこうも難しい事なのか…」
勇者「(とてもじゃねぇが読めねえ…)どれ、俺が書いてやるよ」
娘「おお、すまぬ。そなたの字ならば読めない者はおるまい」
勇者「ほめても何も出ねーぞ。で、なんて書くんだ?」
娘「『私は今人の手に囚われ昼夜問わず犯されております。大至急救援を』」
勇者「誰がんな事書くかーーーーー!」
勇者「お前の髪ぼさぼさだよなー。触るとさらさらなんだが…」
娘「親譲りじゃ。こればかりは仕方あるまい」
勇者「不潔にしてるように見られるし、すこし切るか」
娘「え? そなた、今なんと?」
勇者「っと、ハサミと櫛は…」
娘「なっ、何をする気じゃ!? やっ、やめっ」
勇者「俺はロングヘアーが萌えだった」
娘「はぁ」
勇者「俺が好きだったのは彼女ではなく、風になびくさらさらストレートだったんだ」
娘「そ、そうか…」
勇者「俺は今猛烈に感動している。ショートヘアがこんなにも…こんなにも萌えだったとは…!」
娘「そ、そうか。よかったな(余ではなく、髪型なんだな…)」
勇者「ああ、似合わないやつのショートは論外だぞ。似合ってるお前だからマジ萌えなんだ。勘違いすんなよ」
娘「……ふぇ?」
娘「なぜ人間は食物をゴテゴテと飾るのじゃ?」
娘「腹の足しになればそれでよかろう。丸焼きで十分じゃ」
娘「そもそも決まった時間に数回食うというのも解せん。まるで制限給餌されているかのようで気味が悪いわ」
勇者「どーだ、マズいだろう」
娘「そなたの作る料理に(ガツガツ)、マズいモノなど無いわ!(もぐもぐ)」
勇者「そーいえば、四天王にきわどいビキニのねーちゃんがいたよな」
娘「ああ、あれは腹違いの姉よ。それに水着ではない。ちゃんとした正装じゃ」
勇者「お前も持ってんの?」
娘「あんな助平ロリコン親父しか好かぬような悪趣味な衣装、とうの昔に焼き捨てたわ!」
勇者(やっぱアレ、恥ずかしいのか)
勇者「風呂沸いたぞー」
娘「なぁ、もうすこし広い風呂は用意できぬのか?」
勇者「どーせこの家俺一人しか居ないんだし。十分だろ」
娘「あれでは一緒に入りたくても入れないではないか」
勇者「……いいからさっさと入って来い。冷めちまうぞ」
娘「はーい」
勇者「もう俺一人の家じゃないんだよな、この家」
勇者「で、何で俺のほうに来るんだ?」
娘「寒いからじゃ」
勇者「こっちのほうがベッド狭いし布団固いんだけど?」
娘「そなたが居るから平気じゃ」
勇者「男と寝てどーにかなるとか思わないのかよ」
娘「ん、そなたなら何をされようと平気じゃ。明日は釣りとやらをするのであろう? はよう寝るぞ」
勇者「さらりととんでもない事言いやがって…。しかももう寝てるし」
娘「その洞窟でな、余は燃え盛る炎の巨人に向かっていたのじゃ」
娘「あやつはとても強大だったが、弱点を自分からへらへら言いふらした。それほど自信があったみたいだがの」
娘「結局、余の口車で外まで誘い出したところで、ちょうど良く雨が降って自滅してくれたのよ」
勇者「そして、目が覚めると寝小便してたわけか」
娘「……ごめんなさい」
娘「ん? このチラシは何ぞ?」
娘「むぅ……、なんと書いてあるのか読めん…」
娘「これは神官の女か? なぜ下半身を露にしてこのような体勢をとっているのだ????」
勇者「やべえ、戦士が昨日置いてったエロ本のチラシどこ行ったんだ…」
勇者「お前、魔法使った所見た事ないな」
娘「どういうわけか使えんのじゃ。おかげで父にも「クズ石」呼ばわりされてな」
娘「魔法至上主義で、魔力しか見れなかった父の欠点よ」
勇者「結局その強大な魔力は全滅して、不要だからって城に閉じ込めてたお前だけが生き残っちまったと」
娘「皮肉なものよの」
勇者「ま、終わった事だからいいじゃねーか。お前はこうやって平和な世の中で生活できてるんだし」
娘「……うん」
勇者「何これ」
娘「余を討伐するとかいう不届き者の兜じゃ。殺しはいかんというそなたとの約束どおり、首の代わりに持ってきたのだ」
娘「既に国王公認なのに余を悪と決め付けるとは、本当に頭の固いやつよの」
勇者「実はハゲの兵士長の兜じゃねーか。……あとで返しに行っておこう」
娘「人形遊びはよくしていたぞ」
娘「あれ、すこし力を入れるだけで中の「ふれーむ」が折れたり、腕や手足がもげたりしてな」
娘「そうそう壊れないという話だったが、すぐ壊れたり腐ったりで困ったものよ」
勇者「……それ、どれくらいの大きさだった?」
娘「ええと…、あそこで遊ぶ童女ぐらいだった」
窓の外には3歳ぐらいの幼女。
勇者「ひぃいいい」
娘「字を教えてくれ!」
勇者「何だ藪から棒に」
娘「そなたが熱心に読んでいるコレ、余も読みたい!」
手にはエロ本。
勇者「それはダメ!」
娘「お、おねがいっ! と、とって! 頭の上に何か居るうぅ」
勇者「って、ただのイモ虫じゃねーか。毒も何もないんだし、つかんで投げちまえよ」
娘「うあああああ、もこもこ動いてるぅ……いやぁあああ」
勇者「……なんか面白い。ちょっと放っとくか」
娘「誰か、誰かおらぬかーーー!」
娘「勇者どのが、勇者どのがピンチじゃーーーーー!」
娘「余は魔王の娘ぞ! 皆のもの、余の夫となる者を援護するのじゃーーーー!」
勇者「そういう事まで寝言で叫ばないで欲しいよなぁ」
勇者「あの四天王のビキニのねーちゃん、いい乳だった…」
勇者「出る所でて引っ込むとこは引っ込んでて……やべ、ヨダレでてきた」
娘「そなたの趣味も変わっておるな。向こうではブサイクの極みとまで言われておったのだぞ?」
勇者「マジで!?」
勇者「そんなとこでなにやってんだ?」
娘「この猫が下りられないというのだ。誰か人を呼んでからも良かったのだが、魔族相手では怖がるかもしれんのでな」
勇者「みんな慣れちまったし、関係ないだろーw」
娘「むぅ…。そ、それよりも、早く何とかして欲しいのだ。こ、このままでは落ち…ひっ」
勇者(運動神経いいし体も丈夫なんだから飛び降りればいいのに…)
娘「高いところは好かぬ! はよぅ助けてー!」
娘「むー……ええい! なぜ釣れんのじゃーー!」
勇者「いや、垂らしてすぐ釣れたらここまで苦労しないって」
娘「そなたもよくこんな退屈な事ができるよの。尊敬するぞ」
勇者「まー、慣れだな。お、娘、きてるぞ」
娘「え? あ、あああ、うあ、ん、わあああっ!」
どぼん
勇者「げ、アレ、キラーフィッシュじゃねーか。溺れてるし助けないとマズい…!」
娘「……ぅあ」
勇者「よぅ、生きてっか?」
娘「余は……?」
勇者「ちょっと前ならこの程度、素手でも倒せたんだけどなぁ」
でかい魚が黒焦げになって川岸に上がってる。
勇者「飛び上がったところに雷撃一閃よ。まぁ悪くはないだろ」
娘「っ! その傷!」
勇者「気にすんな。こんなのかすり傷だから」
娘「……こんなとき、治癒魔法のひとつでも唱えることができれば」
勇者「今月も生活費厳しいなぁ」
娘「そんなに困窮しているものなのか?」
勇者「ほら、俺国からの特別報奨だけで食ってるだろ? ケチくせーから一人分の最低限収入しか寄越さないんだよ」
娘「やはり、余が居るからか?」
勇者「ウチに来て無銭飲食してるバカのせいだ」
戦士「はっくしょん!」
戦士「今日こそ勝つ!」
娘「よかろう。どこからでもかかって来い!」
勇者(戦士は45戦43敗2引き分け。その2回は外部からのジャマ。懲りないよなぁ)
娘「どうした? もう終わりなのか? 力比べにもなっていないぞ?」
戦士「ギブギブ! ちょっやめ痛い痛い折れる折れるぎゃああああああ!」
勇者(取っ組み合いの夫婦喧嘩になったら、勝てる気がしない…)
娘「そなた、本来の職は無いのか?」
勇者「勇者」
娘「いや、それ以外で、ってこと」
無言で娘を抱きしめる勇者。
娘「わ、わわっ、何をするっ」
勇者「自宅警備員って、知ってるか?」
娘「帰ってこないな」
娘「今日は余の誕生日だというのに…、何をしておる」
娘「まさか…。いや、そんな報せなどいらぬ! 余は一緒に暮らせているだけで満足なのだ!」
娘「なぜ、帰ってこないのだ。早く帰ってきて……お願いだから」
勇者「戦士のやろー、賢者に振られたからってヤケ酒に俺まで巻き込みやがって…」
勇者「アイツの誕生日を俺が盛大に祝ってやろうって計画が台無しじゃねーか」
勇者「ただいまー」
娘「おそいおそいおそい! 今まで何をしていたのだ! 余は昼からなにも食べていないのだぞ!?」
娘「だいたい今日が何の日なのか忘れたわけではなかろうな!? このような特別な日にそなたは…」
勇者「ああ、ごめんな」
娘「謝ったところで……っ!」
勇者「聞かされたのが昨日だったからな、たいした物は用意できなかったけど…」
勇者の手でテーブルの上に置かれる小さい菓子屋の箱。
娘「あ……」
勇者「ありがちで悪いけど、誕生日おめでとう」
街の人「ヒキニート勇者ktkrwwwwwwwwwwwww」
娘「魔王を打ち倒しこの平和を呼び戻した男にその言い草はなかろう!」
勇者「いや、事実なんだからいいって」
娘「良くない! 平和が戻れば勇者など御伽話に過ぎんのか!? そなたの血のにじむような苦労が笑い話で片付いていいのか!?」
娘「誰もが過去の存在として忘れ去ったとしても、余は勇者であったそなたを忘れぬからな」
勇者「……ありがとな」
娘「そなたにだけ作らせるのには納得いかん!」
勇者「いや、別にどーでもいいし…」
娘「良くない! そなたは余の専属料理人ではないのだぞ!? たまには余にも作らせよ!」
勇者(そういえば、こいつ料理した事ないんだよなぁ。ま、俺が教えればなんとかなるか)
勇者(うーわー。思ったとおり無残な結果に…)
娘「すまぬ……、余がでしゃばったばかりに……」
勇者「いただきます」
娘「え……!?」
勇者「俺の為に作ってくれたんだろ? 食うしかねーじゃねーか」
勇者(料理ど下手な魔法使いに鍛えられた俺の胃袋をなめるな!)
勇者「魔王が居なくなっても魔物は残ってるんだな」
娘「異界から呼ばれたとはいえ、向こうも生物だからな。王の影響で自制がきかなくなるだけで、本来はこんなに大人しいものよ」
勇者「とか言って、こないだの魚はお前のとこ丸呑みにしようとしてたっけな」
娘「父は同族にも嫌われる王だったからな。その娘である余が憎まれても仕方なかろう」
勇者「オマエも、皆から嫌われてるとかいつも言ってるよなー」
娘「事実であろう? 人間の中に忌み嫌うべき魔族がいるのだ。変に思わぬほうがおかしい」
勇者「今現在、お前を罵倒するような奴がこの国にいるか?」
娘「口だけなら何とでもいえる。上辺だけの付き合いを誤解しては痛い目を見るぞ」
勇者「そう言われちゃ何の反論もできねーけどな」
勇者(あのビキニ姉御は向こうではブサイク…)
勇者(ってことは、こいつが成長したらどうなるんだ?)
娘「余も成長すれば「ビジン」とやらになれるものなのか?」
勇者「そっ、お前はそのままでいい! ああ変な誤解するなよ! 自然体でいいんだ自然体!」
盗賊「へっへー! 娘の命が惜しいんなら動くんじゃねーぞ」
勇者「うーん、なんと言うか…ねぇ」
娘「ふぅむ。どうしたらいいのかの?」
盗賊「あぁん? 何暢気にしゃべってんだよぉ! 金だせや、金!」
勇者「……構わん。やれ」
娘「承知したっ!」
次の日の掲示板『お手柄女の子。深夜の強盗を一人で撃退』
勇者「城の兵士からスカウト来てるって?」
娘「うむ。困ったものだ」
勇者「俺は一回断ったら来なくなったのになぁ」
娘「敵であった者の娘を配下に加えて驕り昂ぶりたいのであろうな。その手に乗るほど落ちぶれてはおらん」
勇者「……仕事、か」
娘「だー☆」
勇者「どうした。とうとう頭がいかれたか? それとも熱でもあるのか?」
娘「なっ、ちがっ!」
勇者「む、ちょっと熱っぽいか。今日は早めに寝るか」
娘「うぅ……」
娘「ふはははー! 我輩が大魔王でR!」
勇者(読めるようになったのがうれしいのはわかる。でも音読はちょっとなぁ…)
娘「娘の躰は魔物達の唾液で艶めかしく光を放ち…」
勇者「まてええええええええ!」
娘「今まで世話になった。礼を言おう」
娘「余はこれから新たな魔王として魔族を率いねばならぬ」
娘「そなたと暮らしたこの○年。楽しかったぞ。次に会うときも味方であって欲しいが、とても叶いそうにはないな」
勇者「ま、まて! いきなりそんな…!」
娘「すー……」
勇者「……夢か」
おばちゃん「ここだけの話だけどさ、娘ちゃんと勇者ってデキてるの?」
娘「?? デキてるとはどういうことだ?」
おばちゃん「あらあらぁ、かわいいわねぇ。勇者、泣かすんじゃないわよっ!」
勇者(おばちゃん、こいつは素でわかってない。頼むから変な噂流さないでくれ)
娘「デキテル? 何ができてるというのだ?」
娘「そなた、何をしておるのだ?」
勇者「ああ、旅準備だ。魔物は大人しいけど盗賊とかはヤバいからな」
娘「……そっか。いつごろ帰るんだ?」
勇者「こっちに戻るのは1年ぐらいかかるかなぁ」
娘「一年か。本当に戻ってくるのであろうな?」
勇者「帰る家もあるし、な」
娘「……なら、余が言う事はない。はよう行くが良い」
勇者「って、何で掃除も洗濯も料理もできないお前が留守番するんだwwww」
娘「へ……?」
勇者「ほら何ぼけっとしてる。戸締りしないといけないんだから手伝ってくれよ」
娘「そなた……、余も連れて行くと言うのか?」
勇者「当たり前だろ」
娘「料理も洗濯も掃除もできないのに? 治癒魔法ひとつ使えないのに?」
勇者「そんなお前を放置してぶらり一人旅なんてできるわけねーだろ」
勇者「言ってただろ。他の国も見てみたいって。俺の名前が忘れられる前に見てまわろーぜ」
娘「でも、余は……」
勇者「ヤバくなったらこの国に戻ってくりゃいいんだって。な?」
娘「余は父からもクズ石呼ばわりされて、皆からいらないとして見捨てられたのに……」
勇者「俺がいつ要らないって言った? あ、これはノーカウントな」
娘「……っ!」
勇者「お前が来なかったら俺は永遠のヒキニートだった。これでも、こうして来てくれたことに感謝してるんだぜ」
勇者「改めてこう言うのも恥ずかしいけど。俺はお前に居て欲しい。ロリだとかペドとか言われようが関係ねえ。俺はお前が好きだ」
勇者「だから一緒に行こうぜ。な、娘」
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