ドラえもん「君はどうしてそうなんだ。いつものことながら、今日と言う今日はあきれ果てた」
ドラえもん「セックスするのにゴムを忘れ、挙句中に出すだなんて。無責任にもほどがある!」
のび太「しょうがないじゃないか! 気持ちよくって、外に出すのを忘れちゃったんだから!」
ドラえもん「忘れていいことと悪いことがある! 相手が妊娠したらどうするつもりなのさ!」
のび太「分かってるよ! そのぐらい……。心の底から反省してるんだ。ねえ、お願いだから緊急避妊ピル出して〜」
ドラえもん「無い! そんなもの無いったら無い! もしもの時は、諦めて責任を取るんだね」
のび太「うわ〜ん! 小学生には責任が重すぎるよ〜! 避妊させないとおしまいだぁ〜!」
ドラえもん「のび太くん、君は順番を間違えてるんだよ。口を開けば『避妊』『避妊』って言うけどね」
ドラえもん「まずは自分の誠意をきちんと相手に伝えるべきなんだ。相手の女性にはきちんと謝った?」
のび太「ううん……思わず逃げちゃった」
ドラえもん「ほら。だったら今すぐ謝りに行こう。そして相手の言い分をきちんと聞かなくちゃ。僕も一緒に行くから」
のび太「うん……」
ドラえもん「まったく。それで、相手って誰? しずかちゃん?」
のび太「実は……その……ミーちゃんなんだけど……」
ドラえもん「そう。じゃあ、はやくミーちゃんに…………………………なんだって!? ミーちゃん!?!?!?!?!?」
ドラえもん「き、き、き、君は、ミミミミーちゃんと、ヤ、ヤ、ヤ、ヤ、ヤ」
のび太「うん。ヤったよ。さっき空き地の土管でね。ミーちゃんの中、すっごくイイんだぁ」
のび太「何というか、こう、キツくって、温かくって。それに毛むくじゃらなのがまた独特で」
のび太「最初はほんの遊びのつもりだったんだけど。中に挿れて、腰を動かすだろ?」
のび太「そしたらもう、すっかり虜になっちゃうんだよ。今までにないくらい気持ちよくなっちゃったもの」
のび太「……」
のび太「ねえ、ドラえもん。聞いてるの? ……ねえ。ねえったら!」
ドラえもん「許さない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
のび太「うわっ! きゅ、急にどうしたの?」
ドラえもん「き、君はよくも、よくもミーちゃんの、しょ、しょ、しょ、処女を……!」
ドラえもん「アレは僕が予約済みだったんだぞ!!! それを君は、僕の許可なくヤったのか!!!」
のび太「だ、だって、ミーちゃんが暇そうにしてたから」
ドラえもん「返せ! さあ返せ! ミーちゃんの処女を今すぐ返せ!」
のび太「わー! 待った待った! 落ち着いて!」
ドラえもん「おしまいだぁ……ミーちゃんが中古になった今、僕に生きる希望は無い……よよよよよ……」シクシク
のび太「ねえドラえもん。ごめんったら。謝るよ」
ドラえもん「君が謝ったってミーちゃんの処女は戻ってこない!」
ドラえもん「ミーちゃんの身体は精液で汚されてしまったんだ! 考えただけでおぞましい!」
のび太「おぞましいとはなんだ! 僕の精液だぞ!」
ドラえもん「他人の精液の触れたマンコだなんて! 考えただけでもゾッとするんだ!」
のび太「なんだいなんだい! 終わったことをいつまでもウジウジと! 男らしくない!」
ドラえもん「なんだと!」
のび太「ヤっちゃんたんだから仕方ないだろ! だいたい、ドラえもんが僕よりも先に犯せば良かったんじゃないか!」
のび太「何をグズグズしていたんだよ! 付き合ってからもうだいぶ経つのに!」
ドラえもん「そ、それは……色々と準備がいるから……」
のび太「準備?」
ドラえもん「僕に精子を生成する機能は無いから、精子バンクから良さそうなモノを慎重に選んで……それに、心の準備も……」
のび太「なんだい、屁理屈ばっかり。結局は、勇気が出なかっただけじゃないか」
ドラえもん「……!」
のび太「ミーちゃんに拒まれるのが怖かったんだ! 前へ進もうとせず、そうやって足踏みばかりしているから――」
のび太「こうして、僕に寝とられるなんてコトになったんじゃないか!」
のび太「ひょっとして君は、ショックを受けたフリをして、ミーちゃんを犯す機会が奪われたことで安心しているんじゃないか!?」
ガーン
ドラえもん「たしかに、君の言うとおりかもしれない……」
ドラえもん「僕はなにかと言い訳をして逃げていた。でもそれじゃダメだ。一歩を踏み出さなくちゃ」
のび太「エライ! そうだ! その意気だ!」
ドラえもん「よーし……タイムマシンで過去へ行ってミーちゃんを犯そう!」
ドラえもん「のび太くんより先にヤってしまえば、処女をもらうのは僕ってことになる!」
ドラえもん「そうと決まればあの道具を――」
ガラッ
ドラミ「こんにちは、お兄ちゃん。のび太さん」
のび太「あっ、ドラミちゃん」
ドラミ「お兄ちゃん。頼まれていた道具、持ってきたわよ。はいコレ」
ドラえもん「やあいいところに。さっそくソレを持って過去へ行こう」
ドラミ「過去? 何をしにいくの?」
ドラえもん「まだ清らかだったミーちゃんを犯すんだ。処女をヤるにはそれしかない」
バキッ ドカッ
ドラえもん「ま、待ってくれドラミ。落ち着いて話し合おう」ボロボロ
のび太「ドラミちゃんって、時に過激だなぁ」ブルブル
ドラミ「あきれた! そんなくだらないことのためにタイムマシンを使おうとするなんて!」
ドラえもん「くだらないって言うけどね。処女にはそれだけの価値があるんだ」
ドラミ「私そういう考えたかた嫌い」
ドラえもん「まいったなぁ。こうなるとドラミは頑固なんだ」
のび太「ねえドラミちゃん。さっき『頼まれてた道具』って言ってたけど……」
のび太「ドラえもんに頼まれてそれを持ってきたの? どういう道具?」
ドラミ「『医療用からだ粘土』よ。身体の一部を欠損してしまった人向けの、補助的な道具なの」
ドラミ「補助と言っても機能は本格的で、本物とほぼ変わらないんだけど……」
ドラミ「お兄ちゃん。この道具でミーちゃんを犯すつもりだったのね」
ドラえもん「い、いやそれは……」
のび太「どういうこと?」
ドラミ「この粘土でオチンチンをつくって、ミーちゃんとするつもりなのよ」
のび太「へー! チンコが無いのにどうやってヤるんだろうと思ったら、からだ粘土でつくるつもりだったのか」
ドラミ「そんなくだらない理由で使うなら、この道具は渡せないわ」
ドラえもん「そこをなんとか……」
ドラミ「だめっ!」
ドラえもん「ミーちゃんを犯すのにつかったりなんてしないからぁ」
ドラミ「そんなこと言って、私が未来に帰ったらオチンチンをつくるつもりでしょう?」
ドラえもん「しないったら! ねえドラミ。考えてもごらんよ」
ドラミ「?」
ドラえもん「だってほら、からだ粘土でつくったチンコからは精液が出ないじゃない」
ドラミ「たしかに、そうだけど……」
のび太「そうなの?」
ドラえもん「医療用からだ粘土でまかなえるのは、体内で生成された物質の排泄が限度なんだ」
ドラえもん「僕らロボットに精液をつくる機能はないから、チンコをつくって装着しても、ディルドにしかならないんだよ」
のび太「へぇー」
ドラえもん「ね? 僕が付けても射精できないのに、ミーちゃんを犯すなんてことすると思う?」
ドラえもん「しないよ! そんなこと。絶対にしない!」
ドラミ「…………本当に?」
ドラえもん「もちろん!」
ドラミ「それなら……わかったわ。はい」
ドラえもん「ありがとう! 恩に着るよ」
ドラミ「じゃあ私は帰るけど……お兄ちゃん、絶対にソレでミーちゃんを犯すなんてことしちゃダメだからね」
ドラえもん「わかってるって。もう、しつこいなぁ」
ドラえもん「……行った?」
のび太「ドラミちゃん? 行ったけど」
ドラえもん「しめしめ。これさえあればもうヤッたも同然だぞ」
のび太「え? その粘土だけじゃ射精できないんじゃないの?」
ドラえもん「粘土だけならね。さっきも言ったでしょう? 精子バンクから良さそうなのを選んでるって」
ドラえもん「ちゃんと僕のための精液は用意してあるんだ。正確には、精液もどきだけど……」ゴソゴソ
ピシャンピシャンピシャンピシャン テッテレテッテッテーテテー
ドラえもん「『僕の精液ぃ〜』」
ドラえもん「この人工精液には培養した精子を住まわせてるんだ。これを粘土に組み込めば射精することができる」
のび太「なんだ、結局ミーちゃんを犯すんじゃないか」
ドラえもん「もちろん。ここで諦めたら男じゃないもの」
ドラえもん「準備は整った。急いで過去へ行こう」
ガララッ
ドラえもん「……ん?」
ドラえもん「あっ! まずい!!!」ササッ
のび太「どうしたの?」
ドラえもん「時空間に監視ロボットがいるんだ……ドラミのやつ、残していったな……」
のび太「さすがドラミちゃん、ぬかりがないなぁ」
ドラえもん「これでタイムマシンはつかえなくなったぞ。さあ困った」
のび太「ねえ、思うんだけど。なにも僕らが過去へ行かなくても、ミーちゃんだけ過去の姿に戻ればそれでいいんじゃない?」
ドラえもん「そうか! タイムふろしきでミーちゃんを処女に戻せば……!」
のび太「我ながらいいアイデアだぞ。タイムふろしきさえあれば、いくらでも処女を犯せる。天才じゃないかしら」
ドラえもん「よーし。ミーちゃんを汚れ無き処女時代へ戻そう!」
〜空き地〜
ドラえもん「ミーちゃーん!」
ミー「にゃあ」
ドラえもん「やあミーちゃん。ちょっとお願いがあるんだけど。このふろしきでミーちゃんをくるんでもいい?」
ミー「にー」
ドラえもん「え? 駄目? そこをなんとか、お願いしますよ」
ミー「フシャー!」
ドラえもん「ミーちゃんにとっても悪い話じゃないんだ。お願いだから」
のび太「ねえミーちゃん。僕からもお願い」
ミー「……ふにゃあ」
ドラえもん「えっ! いいの? なんだか複雑だなぁ」
バサッ
のび太「僕がミーちゃんに中出ししたのは放課後だから……」
ドラえもん「ほんの少し戻せばいいはずだ。……このぐらいかな」
バサッ
ドラえもん「ねえミーちゃん。処女に戻った?」
ミー「にゃ」
ドラえもん「え? まだ非処女? 戻す時間が足りなかったかな」
バサッ
ドラえもん「……このぐらい戻せば」
バサッ
ミー「にゃあ」
のび太「あっ、少し体が小っちゃくなった」
ドラえもん「やりすぎたかな。ねえミーちゃん。これでもう処女に戻ったでしょう?」
ミー「にゃ」
ドラえもん「えぇ? まだだって? おかしいなぁ、だいぶ若返ったはずだけど」
のび太「もっと戻してみたら?」
バサッ
ドラえもん「よーし、今度こそ……」
バサッ
ミー「ふにぃ」
のび太「子猫になっちゃった」
ドラえもん「これでもう処女だよね? ね?」
ミー「にゃ」
ドラえもん「なんだって!? まだ非処女!?」
ドラえもん「おかしい! どう考えたって、処女に戻ってなきゃ変だ」
のび太「そのタイムふろしき、壊れてるんじゃないの?」
ドラえもん「未来デパートに問い合わせてみる」
プルルル
ドラえもん「ああ、もしもし。おたくの製品の『タイムふろしき』をつかってるんですけどね」
ドラえもん「そう。処女に戻すために……えぇ!? 処女には戻せない!? ウッソー!」
ドラえもん「一度処女が奪われたら、どの時代に戻っても中古のまま!?」
ドラえもん「そうか! 時空処女理論……! すっかり忘れてた……!」
ドラえもん「はぁ……」ドンヨリ
のび太「ど、どうしたの?」
ドラえもん「どこかの時間軸で処女を喪失した女性は、全ての時間軸で非処女になるんだ……」
ドラえもん「考えてみればその通りだ……僕としたことが、こんな簡単なことを忘れていただなんて……」
のび太「え? つまりどういうこと?」
ドラえもん「一度非処女になっちゃうと、過去にもどっても非処女のままってことだよ。たとえセックスする前でもね」
のび太「そ、そんなことありえるの!? だって変じゃない! セックスするより前なのに非処女だなんて!」
ドラえもん「時空間を発見して時間を可逆的に観測した人類にとって、順序なんて些末な問題なんだ」
ドラえもん「その人が生まれてから死ぬまでに一度でもセックスをしてしまえば、赤ん坊だろうと中古なんだよ」
のび太「???」
ドラえもん「まだ分かっていないようだから言うけどね、しずかちゃんだって非処女なんだよ」
のび太「ええーっ!? しずかちゃんが非処女!!!」
ドラえもん「だってそうだろう。未来の君がしずかちゃんを犯してノビスケっていう子供ができてるんだから」
ドラえもん「もうしずかちゃんは処女じゃないのは当然じゃないか」
ドラえもん「君が未来でしずかちゃんのセックスの結果であるノビスケを観測している時点で、時空処女理論は成立するんだ」
のび太「ま、ま、ま、待ってよ。じゃあ僕が将来、しずかちゃんとセックスするときにはもう……」
ドラえもん「処女を奪われた状態ってこと」
のび太「そんなぁ! しずかちゃんの処女を奪うのは今の僕じゃないと嫌だよ!」
のび太「しずかちゃんが非処女だなんて! そんなことあってたまるか! 行って確かめてくる!」
ドラえもん「ちょ、ちょっとのび太くん! どうやって確かめるつもり!?」
のび太「直接聞く!」
ドラえもん「ええぇ!?」
のび太「しーずーかーちゃーん!」
ピンポーン ピンポーン
しずか「あらのび太さん」
のび太「しずかちゃんって処女だよね!?」
しずか「ええ? 嫌だわ、のび太さんったら。そんな当たり前のことを聞いて、どうしたの?」
のび太「や、やっぱり処女なんだよね!?」
しずか「非処女に決まってるじゃない」
のび太「はぁ……それを聞いて安心した……」
のび太「えーーーーーっ!?」
のび太「し、し、し、しずかちゃん、今、なんて、ひひひ、ひ、非処女?」
しずか「ええ」
のび太「嘘だぁ! だってしずかちゃん、今までセックスしたことあるの!?」
しずか「いいえ。無いわ」
のび太「だったらおかしいじゃない! セックスしたことが無いのに非処女だなんて!」
しずか「え……? 言われてみればそうだけど……でも、私は非処女よ」
のび太「そそ、そんな馬鹿な……」
ドラえもん「おーい! のび太くーん!」
のび太「ど、ドラえもん……」
ドラえもん「しずかちゃん、何だって?」
のび太「非処女だって言うんだ……ねえドラえもん、こんなの、何かの間違いだよね? ね?」
ドラえもん「そう思いたい気持ちは分かるけど……信じられないなら、確かめてみる?」
のび太「え?」
ドラえもん「相手が処女がどうか確認する道具がある。それで駄目なら認めるしかない」ゴソゴソ
ピシャンピシャンピシャンピシャン テッテレテッテッテーテテー
ドラえもん「『処女賞状〜』」
ドラえもん「処女かどうか知りたい相手に、この白紙の賞状を渡すんだ。はいしずかちゃん」
しずか「……? ありがとう?」
ドラえもん「すると、賞状の文面が浮き出てくる」
【源静香殿 あなたは非処女なのでこれを賞します ○○年○月○日】
のび太「ひ、非処女……! うわ〜ん!」
ドラえもん「ね? だから言っただろう?」
―――
のび太「うっうっ……こんなのってあんまりだ……」
ドラえもん「僕だってそう思うよ。勇気を出せなかったせいで君にミーちゃんを寝取られて……」
ドラえもん「時を戻しても、この後悔だけはどうしようもない……」
のび太「ドラえもん……」
ドラえもん「処女を奪いたいほど好きな相手とセックスできた時にはもう、処女は奪われてしまっている」
ドラえもん「時空処女理論は、タイムマシンを発明した人類が背負うことなった業なんだ。諦めるしかない」
のび太「そんなこと言わないでよ! ねえドラえもん! ねえったら!」
のび太「なんとかならないの!? しずかちゃんと初めてセックスするときに非処女なんて耐えられないよ!」
のび太「たとえ処女を奪ったのが未来の僕だったとしても! 今の僕が満足できるのは処女のしずかちゃんとのセックスなんだ!」
ドラえもん「そう言われても、どうにもならないよ。この理論は覆らないんだ」
のび太「そんなぁ……! ああ、こんなことならタイムマシンなんて発明しなければ良かったのに〜!」
ドラえもん「まったくだ……。もしもタイムマシンが発明されていなければ……」
ドラえもん「ん? 待てよ……『もしも』? ああ、そうかっ!!! どうして気が付かなかったんだ!!!」
ドラえもん「うふふふ〜! 『もしもボックス〜!』」
ドカン
のび太「これで人類がタイムマシンを発明しない世界にすれば!」
ドラえもん「時間は不可逆のまま、時空処女理論が発動しない安心な世界で処女を奪える!」
のび太「ねえはやく! はやくタイムマシンを発明しない世界にしようよ!」
ドラえもん「わかってるって、せかさないでよ」
ガチャ
ドラえもん「もしも人類が、時空間を発見せず、タイムマシンを発明しない世界になったら!」
ジリリリリリリ
―――
のび太「……? あれ? 今まで僕は何をしていたんだろう……」
のび太「寝てたのかな……覚えてないや」
のび太「…………なんだろう。なんだか、大切な何かを失ったような、淋しさを感じる」
スッ
のび太「変だなぁ……押入れの中が気になってしかたない……」
のび太「…………この部屋、こんなに広かったかなぁ」
時空間が発見されず、タイムマシンの発明されない世界。
その世界では、ドラえもんとのび太が出会うことは無い。
ドラえもんによる歴史改変が成されるはずもなく、
決して戻ることの無い時の流れの先に待つのは――
のび太がジャイ子の処女を貰うという未来だった。
END
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