長女と婿の馴れ初めは強烈
まさか私も娘が私の店で食い逃げした男と結婚して二人で店をついでくれるとは思わんかった
では父である私視点の話になりますけど書きますね。
子供達は三人共良い子に育ってくれたんだけど長女は女子高生になっても
「お父さんと結婚する」
と言ってました。
私は心配になって
「学校でいい人いないのか?」
と聞いても
「お父さんよりいい人いないもん」
と言うので嬉しくもあり心配でもありました。
ある日、高校生ぐらいのいかにも不良な男の子が店に来ました、挙動不審だったので注意して観察していると会計前に店から出て走って逃げていきました。
私は追い付けなかったのですが
「食い逃げだ!」
と叫んでいながら追いかけていたので近隣の方々が協力してくれて捕まえました
捕まえた子を店に連れていって事情を聞こうとしてると娘が来て
「あれ?○○君?」
と言ってきました。
なんとその子は娘の同級生で娘に事情を聞くとしばらく不登校で学校に来ていないとの事でした。
私が事情を聞くとその子は父が女を作って蒸発し母が酒浸りになって暴力をふるって来るようになったので友達の家を転々としていてお金が無くなって食い逃げをしたとの事でした。
私はそういう事情ならばと皿洗いをする事で許してあげました。
そして皿洗いでもしてくれたらご飯作ってあげるからいつでも来い、そしてちゃんと学校行きなさいと提案したら泣きながら
「ありがとうございます」
と何度も頭を下げて帰って行きました
それからは何度も皿洗いと引き換えにご飯を食べさせ行く当てが無い時は泊めてあげて私の家族とも親しくなり、私の事をおやっさんと呼ぶくらいになった時の事です。
彼が皿洗いをしている最中に横で料理を作ってる私をじぃーっと見てくるので
「どうした?」
とたずねると彼は
「おやっさん、凄いっすね、美味そうな料理がどんどんできる。」
彼の発言が嬉しくなった私が
「嬉しいよ、ありがとうな」
と言うと彼は
「俺みたいなバカでも頑張ればおやっさんみたいになれますかね」
と言ってきました。
そこで私は料理を教える事を提案したら彼は嬉しそうに、やりますと言ってくれました。
その後は以前から娘には料理を教えていたので娘と彼に料理を教えていました。
彼には長髪を切る事、きちんと学校に行く事を条件に。
しばらくすると彼が店に来て突然
「ありがとうございます!」
と言ってきて
「どうしたの?」
と聞くと彼が言うには、母に料理を作ったら泣いて喜んで食べてくれて酒をやめる事を約束してくれたそうです。
その後は彼の母も約束を守り凄く優しくなったそうです、彼は家に戻りましたがその後も家から通い料理を習うようになりました
それからしばらくすると私と母と寝ていた娘が
「ねぇ、お父さん、なんか…○○君…お父さんに似てきたね」
と言ってきました
私は
「そうなの?お父さんは○○君は頑張り屋でいい子だとは思うけど」
と答えました、内心これで娘にも彼氏ができるかな、と思いました。
しばらくすると彼が
「おやっさん、話があります。」
と言ってきたので
「どうしたの?」
と聞くと
「俺、娘さんの事好きになりました、付き合ってもいいですか」
と聞いてきたので
「いやいやいやいや、そういうのは直接娘に言いなさい」
と言いました
その後次の日に案の定娘と彼が付き合う事になりましたと報告してきました。
私は嬉しかったです
その後は二人とも調理の専門学校に通い、卒業後うちで働いて調理師に合格したタイミングで私と妻に結婚の許しを得に来ました、もちろんOKしました。
あとは以前書いたとおり、娘夫婦が店を継いでくれました
彼が娘にどんなプロポーズをしたのかは娘は恥ずかしがって教えくれなかったのでわかりません。
でも聞くたびに娘は耳まで真っ赤になるのできっと良いプロポーズだったんでしょう。
駄文と長文失礼しました。
|
|
