ガチで黒い過去。
小1の時、紅葉のシーズンに祖母の家に遊びに行った。
ポツンと一軒家に出てくるみたいな山の中にポツンと建った古い家で
いつもは父だけが帰省するんだけど、その年は何か理由があったんだろう
両親と私と弟の4人で初めて行った。
弟は5つ下だったから両親も祖母も弟が可愛くてつきっきりで
私は祖母の家の周りで適当に遊んでた。
田舎の山にはきれいな赤い葉っぱが沢山落ちてて
それを見つけるのが楽しくて奥に奥に入っていって
迷わないようにできるだけ真っすぐ山を登って行ったから不安はなかったんだけど
何気に視線を上げたら先の方に知らない男の人が立ってた。
一瞬でヤバそうな人だってのは子供にもわかる雰囲気の男だった。
「嬢ちゃん、ひとり?」
ってネヘネヘ笑いながら下りてきたので
返事をせずに後ずさりしたら
「おっちゃんといいところに行こうか」
とか言いながら
更にこっちに向かって下りてきたので気持ち悪くなったのと危機感から
すぐに踵を返して山を下って走り始めて直ぐに「うわっ」ってビックリしたような声が聞こえた。
それで反射的に振り向いたら誰もいなくて、ホッとして祖母の家に戻ろうとしたが
男の姿が見えないことが何か気になってしまって、
ゆっくり警戒しながら戻って行ったら、微かにうめき声みたいなのが聞こえた。
そしたら落ち葉がそこだけ穴が空いたようになってて、そこに男は落ちてた。
でもそこは穴と言うより裂け目みたいな感じで
どういう構造だったのかよく分からないけど、とにかく挟まって身動きできないみたいだった。
覗き込む私に気付いた男がまたあの気持ち悪い笑いを浮かべて
「嬢ちゃん、大人を呼んできてくれるかい?」
とか言われたんだけど、その声も本当に気持ち悪くて怖くて。
それで返事をせずに、そこらへんの枯葉をどんどん落として行った。
枝とか土の塊みたいなものも、とにかくそこらへんの物を落として行った。
なんか怒鳴り声を上げてたけど、怒鳴り声を上げるたびに少しずつ下にずり落ちてるみたいだった。
男もそれに気付いたのか怒鳴るのをやめて声を小さくして「助けてくれ」と言われたけど
無視して祖母の家に向かって下りて行った。
「おい待て!うわっ・・・おい!頼む・・・あぁ・・・」
みたいな感じで聞こえたけど無視した。
祖母の家には普通に帰ってその出来事には一切話さなかった。
祖母の家に行ったのはその時一回限り。
祖母が亡くなってから、その家は誰も住まず放置され朽ち果てた。
あの男ももしかしたらあのまま脱出できなくて・・・かもしれない。
私が見殺しにしたんだけど、別段悪いとも思っていない。
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